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塀で囲まれているこの町の名前はデールといい、
教会は東側にあり中心地区からはかなり離れています。

外には獣がいて、それを討伐する仕事もあるし、この町は大きくて人口が多いからとても商業が盛んです。

つまり少し裕福な人が多く、北側は富裕層の家が軒を連ねています。

私の家も以前は東側付近にありました、、昔の話ですが。



ボロボロな洋服を纏っている私は少し避けられながら南門に向かいます。


門は東西南北に1個ずつあり、東と南の門を出ると森が広がっています。

持っている本人証明を提示すればいつでも出入り可能です。


南は東と比べると、入口周辺は比較的穏やかななので、よく両親と湖に行ってました。
それに両親は獣を討伐して生計を立てていて、力があったから連れて行ってくれてたのでしょう。


とはいえ、私1人で行くのは結構勇気がいります。

少しだけなら武術を両親に教えてもらいましたが、今は体力も限界に近いため力を発揮できなさそうです。


お金を隠しに行った時は、無我夢中だったので、危険なことすら頭にありませんでした。
運が良かったです。




慎重に歩くこと、1時間

漸く、湖に到着しました。

この湖はあまり獣は近ずかない様で、辺りは静かです。


周囲を見渡して2つに別れた1本の木を見つけました、、5年前この木を目印に埋めたのです。

早速、落ちている木の枝を使って堀始めます。


5年も経っていたので土は硬いし、思ったより深くて苦労しましたが、ちゃんと埋めた木箱が出てきました。


「良かった」


これが無いと私は生きていけなかったので正直ほっとしました。

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