7 / 13
俺と間男と決闘
④
しおりを挟む俺は俄然、股間を踏みつけた。
痛さもあって「うぐっ!」と相手が屈んで呻いているうちに、股間を踏みつけたまま、片膝をついて、手に持つスライムを差し向けた。
とたんに顔を上げたそいつは、火照ったような顔を一気に青ざめさせて、上体を反らす。
泣きそうな顔を、しきりに横に振るのにかまわず、スライムを近づけていったら、それにつれ上体を倒していって、ついには畳の上に寝そべった。
もう逃げようがなく、固く目を閉ざして構えているところに、スライムを乳首に押し当てた。
涙を散らして目を見開いたなら、その顔は死人のように血の気のないものになって、足で踏んでいる股間の膨らみが、萎んでふにゃふにゃになる。
もう意地を張る余裕もなさそうに「やめ、やめろっ、やめ、てくれ・・・!」と絶えず涙を滴らせて、歯を鳴らさんばかりに震えた。
武士っぽく格好つけて偉そうにしていたのが、見る影もなく、見苦しく命乞いしているさまに「いい気味だ」と思うより、少々呆れてしまう。
そりゃあ、誰だって、恐いものの一つや二つあるだろう。
にしたって、屈強な大男をなぎ倒すこともできそうな、こいつが、何の害もないゼリー状の物体に震え上がるなんて、どうしても、理解しがたい。
スライムで乳首をこねられて、大べそをかいているのに、つい見入ってしまい、動画を撮るのをすっかり忘れていた。
スマホを持ち上げ、電源を入れようとしたところで、股間を踏みつけている足の裏が生温かくなり、はっとして見やれば、股のところに濡れた染みが広がっている。
じょじょじょと、微かな音を立てながら、布に吸いきれないでのが畳に滴り、小さな水溜りになった。
マジか、と呆気に取られるあまりに、汚いとも思わずに濡れた股間を踏んだままでいた。
スライムも乳首に当てたまま留めていたものの「うう、う」と呻き声が漏れてきて、自ら押しつけるように震える胸が、さあっと赤みを帯びていく。
顔も蒼白だったのが燃えるように染まっていった。
湯気が立ちそうに全身隈なく、指の先まで赤くして、息も絶え絶えのように嗚咽を漏らしながら、泣きじゃくっている。
まさに、恥ずかしくて死にたいといった体だけど、悲しみに打ちひしがれているだけでなく、俺の目がおかしいのか、なんとも言えない色香を漂わせているように見えた。
生唾を飲みこんでスライムをすこし動かしてみると「あっ!」と今までになく、甘い声で鳴く。
その声に自身も驚いたようで、目を泳がせつつ、懇願するように俺を見つめ、しきりに首を振ってみせたものの、舌なめずりをした俺は、スライムで乳首をこねくるのを再開させた。
「あっ・・・あ、あぁ、はっ・・・ん、あ、あん」
こいつの神経回路はどうなっているのか。
ついさっき、スライムに犯されてお漏らしした奴が、されていることに変わりはないのに、艶のある掠れた声で鳴いて善がっている。
濡れた股間はさっき以上に固さを増して熱くなっているし、腰をもじもじとする始末だ。
困惑しながらも、スライムで乳首をこねるのに没頭し、涙と涎を垂流しに、ほどけた髪を乱して善がるさまを凝視した。
片方の乳首だけ重点的にスライム攻めされて、もどかしいのだろう。
そのうち濡れた股間を、水音を立てて俺の足に擦りつけだす。
スライムに乳首をこねられて、あんあんと腰を揺らしている、世にも稀な痴態を、記録しておかねばと、スマホの電源を入れて録画のボタンを押してから、スライムをぴょんぴょんと跳ねさせ、もう片方の乳首に向かわせた。
「あ、あん・・・や、も、もう・・・はあ、ん」と一段と、足に股間を擦りつける腰の動きが忙しくなって、もともと濡れていたのが、さらに漏れてきたのと混ざって、ぬちぬちと粘着質な水音が立つ。
完全に快感に飲みこまれながらも、厚い柔道着越しの刺激では決め手に欠けるようで「や、やだ、やあ、っあぁ、やあ、やぁん」と言いつつ「もっともっと」とばかりに腰を振ってみせた。
お仕置きなのだから、頭がいかれるくらい焦らしてやってもよかったものの、濡れた股間にスライムをやったらどうなるだろうかと、好奇心のほうが勝って、乳首から放した手で帯を抜きとった。
足も退けると、反射的に追うように腰を上げたので、その隙に下着ごと柔道着の下を剥ぐ。
二重に濡れたそこは、てらてらとしていて、思わず見入ったようなそいつは、スライムが近づいているのに気づいて、また目を瞑って顔を背けた。
といって、さっきのように恐怖でなく、期待に体を震わせているようで、濡れたそこも起ったまま痙攣させている。
痙攣する先っぽにスライムを乗せるように当てると「あ、あぁっ!」とそれだけで、達したような悲鳴を上げた。
「ああっ、あ、あ、や、は、あぁん、や、や、だ、そん、あ、ああぁ」
先っぽにスライムを跳ねさせれば、これまで以上にみっともなく、涎と喘ぎを垂れ流しにする。
帯がなくなったことで、柔道着の前が乱れて、肩まで見せてはだけさせるのがまた艶っぽく、スライムが宙に浮くたびに先走りが噴出して、濡れに濡れる下半身は、もうあられもない。
「あ、あ、あん、も、う、もうっ・・・!」とより切羽詰った声をあげて、太ももを強ばらせたのを見て取り、出口を塞ぐように先にスライムを押しつけ、その人差し指以外の指で竿のほうを、きつく握った。
「ああ、そん、なあっ・・・!」とその仕打を見て、ぼろぼろと泣くそいつに「俺、言ったよな?」と言う。
「俺は、俺だけを好きでない奴なんか、大嫌いだって。
だから、浮気されても、あいつのことが好きだと言いながら、今、あんあんしているお前に、すっごいむかついている」
俺の言わんとしていることが分からないのだろう。
小刻みにスライムを揺らすのに「はあっ、あぁ・・・」と熱く吐息しつつも困った顔をしている。
一体何を言っているのかと、自分でも不可解に思いながら「決めろ」とつめ寄った。
「俺か、あいつか。
言っておくけど、俺以外の奴は、お前にスライムでイタズラなんかしちゃくれないからな。
もちろん、あいつだって」
言い終える前に「君、君にする!君がいい!君が」と「君君」と連発され、いい加減俺も、我慢ができなくなった。
スライムを激しく跳ねさせ擦りつけると、すぐに「ああ、ああぁっ!」と達して、でも、濡れそぼったそれは倒れることなく、ある程度、硬度も角度も保ったままでいる。
胸を大きく上下させて息を切らす、そいつは「ギブアップ」とも言っていない。
だから、俺はスマホを放って、スライムを片手に第二ラウンドに立ち向かった。
※ ※ ※
決闘後「浮気した女なんか、もういらない」とラインをして、彼女とは別れた。
で、すべて終わりというわけでなく、もし彼女と武士っぽい間男が、交際をつづけるのなら動画で脅すつもりでいた。
あのときは、達したいから「君がいい」と言っただけで、その言葉が本心だとは思っていなかった。
動画で脅して俺を選んでくれたとして、それも、本心とは言えないけど、スライムでセックスをするのが好きな変態と知っているのは、俺だけという状況にはなる。
セックスで満足したいなら、俺にしか求めることができずに、余所見はできないというわけだ。
どうせ、脅す羽目になるだろうと思っていたら、決闘をした翌日、バイト終わりのコンビニから出たところで、学ラン姿のそいつが待っていた。
驚いて言葉を失くす俺に、そいつは目を伏せ、うっすら頬を染めながら「武士には二言はないというからな」と言った。
皮肉でも嫌味でもなく、可愛いと思った俺は、スライムで善がる奴に負けず劣らず、十分に頭がいかれているのかもしれなかった。
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる