世界に一つだけの花はない

ルルオカ

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「俺とやらないか」の台詞がエロイ・セカンド

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口数少なく不愛想な俺が、にぎやかしいゼミに馴染めるか、不安だったものを、お調子者ながら世話焼きの先輩のおかげで、すんなり仲間入りできた。先輩は誰にでも気さくだったけど、昔の2Dゲーム愛好家として、同じ趣味の俺ととくに親しくしてくれ、今や週二三、徹夜でゲームをするほど。

そんなこんなで、かけがえないゲーム仲間を見つけられたこと、先輩に贔屓されることに浮かれていたものの、半年も経つと、外野の雑音が耳につきだした。先輩のよからぬ噂で「とっかえひっかえ女としている」というもの。

加えて「負けたほうは勝者の云うことを聞くと、テレビゲームをやらせてベットインするのが常套手段だから『家にゲームしにこない?』と誘われたら気をつけろ」との注意喚起も。週二三、俺と一晩中、ゲームに興じる先輩には、まるで女っ気がなく「まさか」と思ったものの、はっとした。いつもゲームをするのは俺の家。先輩のお宅訪問をしたことがないと。

気になるなら、聞くか、探りを入れればいいところ「空気を読まずに、俺はお邪魔虫になっているのではないか」と思いこみ、しばらく先輩を避けた。「今日、お前んち行っていい?」と肩を組まれて「いえ、すいません、今日はちょっと・・・」とそそくさと退散。

で、一週間経ち「やっぱ、女と居るほうがいいや」と見限られたかなと、涙ながらに思ったのが「お前んちが、都合よくないなら、俺んちくる?」とにこやかに誘われた。「あれ?」と引っかかりつつ、断然、好奇心が勝利して、のこのことついて行って。

床から天井まで、棚にぎっしり詰められたコレクションを見せてもらい、先輩セレクトのゲームに二人して夢中。いつもと変わらない遊びぶりに「俺、男だしな」とほっとしたような、認めたくない感情が燻るような。

気を紛らわそうと、ゲームに神経を注ぎ、格ゲーで俺が連戦連勝。「かあ!くっそお!今日は絶好調だな!」と喚いた先輩は「俺の尻に火をつけないとならんか!」とこちらに人差し指を突きつけ宣言。

「負けたほうは、なんでも相手の云うことを聞く!いいな!」

目を丸くした俺は、口を開きかけたものの、息をついただけで首肯。「よっしゃあ!」と俄然、意気盛んにコントローラをがちゃがちゃ鳴らしだしたのに、俺のほうは指が滑って、ろくにガードができず、必殺技を繰りだせず惨敗。

誘われたときと同じように「あれ?」と内心、首をかしげつつ、コントローターを持ったまま身動きできなくなる。全敗からの完全勝利に雄たけびをあげることなく「約束だ」と俺の肩をつかみ、ベッドの側面にもたれさせ、真顔で囁いたことには。

「俺とやらないか」

息を飲んだのもつかの間「なーんてな!」と退いて、剽げて両手を広げてみせた。「多分、あの噂、耳にして、で、避けたんだろお?もお、心外だなあ」と大袈裟に嘆くに、噂に惑わされた俺にお灸をすえるため、一芝居を打ったらしい。

「ほかの奴らはともかく、お前に軽蔑されるのは傷つ」と向きなおり訴えようとして絶句。俺が顔を沸騰させ、涙目で震えていたから。

居たたまれなくて、なにか云わねばと思うも「こ、腰がぬけた・・・」とつい、ぽろり。それこそ「俺のほうが、愛想をつかされる!」と絶望しそうになったものを、先輩は笑うことなく「はあ?」と引くでもなく、俺の頬に手を添えた。

顔を上げると、先輩が迫ってきて。あながち噂が誤っていないことを証明したもので。
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