invader

江呂川蘭子

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 崩れ落ちたビル群、荒廃し廃墟と化した街並み。山の中腹から見下ろす人影。
 十代らしき二人で、かつて人々の生活の存在した平地を眺めていた。
「おいニャン太郎!ウンコ行っとかなくて大丈夫か」ヒョロ長い少年が突然口を開いた。
「いいっすよ先輩」不服そうに小柄なニャン太郎がこたえる。
「そういうの、けっこう傷つくんですけど!これでもアタシ女なんで」ニャン太郎は苛立たしく髪をグシャグシャっと掻いた。
 先輩と呼ばれた少年は、愉快そうにケタケタと笑う。
「何が、おかしいんだか。どうせアタシは可愛くないですよ」ニャン太郎と呼ばれた女子がむくれる。
 二人は、同じ高校の先輩後輩になるが、その学校もいまは瓦礫の下にある。
「よりによって、なんで先輩とアタシだけが生き残ったんでしょうね。マジで不愉快なんですけど」ニャン太郎は少年を見ずにいう。
「冗談じゃん」と少年も不機嫌そうにいう。
「冗談とかって、先輩の冗談はオモシロくないンスよ。先輩アタマ悪いっしょ」そう言いながら腰に下げた水筒の水を飲むニャン太郎。
「アタマ悪いって言う奴の方が、アタマ悪いんだぞ」先輩と呼ばれている少年が言い返す。
 こいつマジか!子供かよ!イライラする。とニャン太郎は思った。
「ねえ、先輩は山の上!山の上って言うから着いて来たんっすけど、なんかアテあるんすか」ニャン太郎は三日間思っていた疑問を聞いてみた。
「山超えたら隣の県だし、山ん中なら食いもんあるかも知れんしさ」と少年はこたえた。
「じゃ、ここでペア解散ってことで、アアシは街に戻ってみますわ」こいつは山に入っても虫一匹とるわけでもなく、手持ちにした非常食を遠慮なくムシャムシャと食い散らかしているのだから、何も考えていないのだと確信し、この不愉快な男と組むよりは、ひとりの方が無難な気がしたニャン太郎であった。
「え!マジ。街はヤバいっしょ」少年はビビっている様子である。
「アンタと二人っきりはウンザリなんすよ。それにアタシはニャン太郎なんて名前じゃないし」ニャン太郎はそう言うとスタスタと街へと続く山道を下りだす。
「おい!俺が悪かったようニャン太郎!独りにしないでくれよ」少年の声は震えていたが、街に行くのは怖いようで、その場に立ちすくんでいた。
 
 大きな振動で学校の校舎が倒壊し下敷きになったのが三日前だった。奇跡的に二人だけが瓦礫の下から這い出れたのだった。這い出たのはいいが、まるで戦争でも起こったかのような有様だと思っていたが、山の上から見た惨状は、もっと酷かった。
 何があれば、ここまで建物を全て破壊できるのだろうと思えるほどの有様だった。ニャン太郎が家族で暮らしていたアパートも見事に崩れており、丸一日歩き回ったが他に生存者は見つけられなかった。
 どういうことなのだろうと、スマートフォンのバッテリーに残量があったときに確認していたのだが、日本全土がこんな有様のようだと、海外メディアが報じていたのをSNSで見た。国内にも生き残りはいるようで、数件の書き込みが散見できたが、バッテリーがなくなってからは確認することもできていないので、ニャン太郎としては生き残りがシェルターか何かから出てきたりしていないかを含めて確認しておきたかったのだった。

 それよりも気になるのは、空を覆うUFOとしか思えないような飛行物体群だった。
 もしかすると、多くの人々は謎の飛行物体に拉致されてしまったのかも知れない。
 家族とも連絡は取れなかったが、こんな惨状でも電波が生きていたという事は、きっとどこかに生存者がいるはずだとも考えていた。
 一人で動き出すと意外と街までの道のりは近かった。あの先輩と行動を共にしたのは失敗だったかも知れないと思った。

 街に到着したのは、夏の日が暮れて数時間ほど歩いてからだった。おそらく深夜だとは思うのだが、なにぶん時計がないので正確な時間はわからなかった。
 まあ街というより、もと街なのだが、やはり人っこ一人いない。
 UFOらしき上空をフラフラと飛んでいた飛行物体が何機か瓦礫の上に着陸しているのを見て、山を降りたことを少しだけ後悔した。
「まあ、アイツといるよりはマシかな」そう独り言を言いながら飛行物体に向かって歩いていた。
「おい!おいキミ。そこのお嬢さん」後ろから大人の男性らしき声がした。
 驚いて振り向くと年配の男がいた。どこから現れたのかはわからないが少し心細さは和らいだ。
 男は、白衣を着てアニメに出てくるベタな博士に似ていた。
「博士っすか?」とニャン太郎は聞いてみた。
「まあ、そんなところだ」シェルターで研究してたので助かったよと博士が言うので、
「シェルターに電気とかないっすか?いま、どんな状態かを知りたいんすよ」あと安全な寝床と食料があればいいのにと期待する。
「俺のシェルターに来るか?食べ物も電気もあるがどうだい」博士は四十歳は周っているように見えたが中々のイケオジだとニャン太郎は思った。
「お邪魔していいんすか?」怪しげな飛行物体のことも何かわかるかも知れないとニャン太郎は少し期待する。
「俺、ひとりだがお嬢さん一人じゃ怖くないかい」と博士は言った。
「これ以上怖いこととかないっしょ」瓦礫と化した街をぐるりとみながらニャン太郎は言う。
 博士の後について50メートルほど歩くと、瓦礫の隙間にハッチがあり、ニャン太郎は博士の後から地下のシェルターに入った。
 中は意外と広く長い階段が続いていた。階段を降り切るとステンレスのような金属のドアがあり、その奥は快適そうな空間があり、ニャン太郎は歓喜する。
「やった!」と言ってニャン太郎はフカフカとした大きなソファーに腰掛けた。
「何か飲む?」博士が言う。
「ありがとうございます」ニャン太郎は、そう言言いながらも疲れが相当溜まっていたようで、瞼がシャッターのように閉じて意識がなくなる。

 珈琲の香りでニャン太郎はハッとして起き上がる。そのままソファーに寝てしまったことに気づく。
 体の上に毛布が掛かっているのを見て、ニャン太郎は泣きそうになった。
「ありがとうございます。久しぶりに眠れたっす」と鼻を啜りながらニャン太郎は例を言う。
「よっぽど疲れてたんだね。一時間も寝てないけどね」と博士はいいソファーの前に置かれたテーブルの上に、カップに入った珈琲を出した。
「このコップって陶器っすよね」ニャン太郎は珈琲を啜りながら部屋を見まわす。
「ああ…生活感があるだろう。もう何年も地下で暮らしているからね」博士はニヤリと笑う。
「へえ」とニャン太郎は呆れたような声を出した。
「俺は鈴本俊作。お嬢ちゃんは?」と博士は自己紹介をした。
「お!アタスも鈴本っす。いや、アタシは鈴本猫っていいます。ニャンコの猫です」とニャン太郎も名乗る。彼女の名前は猫という友達からはニャンと呼ばれることが多かった。
「ははは、アタス」博士はニャン太郎の言い間違いが面白かったようで笑っていた。
「ア!タ!シ!です。言いなおしたじゃん」と言いながらニャン吉も笑う。
「アタシんことはニャンって呼んでください。みんなそう呼んでたから」ニャン吉は付け足した。
「じゃあ俺はシュンでいいよ!人間の友達がいた頃はそう呼ばれていた」博士は少し寂しそうに言ったように見えた。
「シュンって世捨て人?」とニャンは聞いた。
「まあ、当たらずも遠からずだなぁ。少し話は長くなるが話そうか…ニャンが嫌じゃなければね」シュンは煙草に火をつけて換気扇をまわす。ニャンは母親がヘビースモーカーだったのを思い出す。
「聞きたいっすねぇ」とニャンは珈琲を飲む。
「そうだなぁ、もう五十年も前のことになるかな」シュンは大真面目に話しはじめたので、ニャンは彼の言葉を遮らなかった。
「…まあ嘘みたいな話だから、信じられないとは思うけどね。俺も人と話すのは久しぶりなんで話したくなっただけだから、まあ聞いてくれ」そう言ってシュンは煙を吐き出した。
「俺が三十六歳ぐらいの頃だったかなぁ。その頃は工場で働いていてね、仕事仲間と軽く飲むつもりが終電になっちゃって、フラフラで乗り込んだ最終電車で眠ちゃったんだ。目が覚めたら随分と田舎の駅まで行っててね。仕方ないんで駅から出てフラフラと田舎道を歩いてた。星の綺麗な夜で、大きな木の根元に座り込んで煙草を吸ってたんだ。そしたら星が変な動き方をするんで、俺は未確認飛行物体じゃないかと思って、しばらくの間ジーッと見てたんだよ。そしたらだ、星がズンズン近づいてくるんだよね。俺は立ち上がって近づいてくる星に手を振っていったんだ。おーい俺を連れて行ってくれよ!ってね。そのころ俺は女房と別れて子供もいたんだけど、その子は女房が引き取ってねえ…まあ俺が悪かったんだけど。で、なんか全部が馬鹿馬鹿しくなっちゃって、UFOがいるんなら連れて行ってくれって思ってたら、本当に円盤が降りてきて本当に連れ去られたんだ。…アブダクションっていうのかなぁ円盤から光が出てきて、空に吸い上げられて行ったんだな。そこから暫くの間のことは記憶を消されたみたいで、思い出せないんだけど。…俺は宇宙人の星で暮らす事になって、その星でまた結婚して子供ができてね。俺を連れ去った宇宙人はヒューマノイドタイプで地球人の白人に似ていて、みんなが金髪で黄色い目をしているんだ。俺の子供は黒髪の子だったので珍しがられてね、それから五年ぐらい色んな人から俺の子供が欲しいって言われちゃって…五年ぐらい子供を作りまくるのが仕事みたいになちゃって…」とシュンは照れ臭そうにいう。
「クズですか」とニャンが呟く。
「…まぁ、そうですね…でも、その星は男ばかりが死んでしまう病気が流行ってて、偶然そこに俺が連れてこられて…救世主と祭り上げられたんだけど、奥さんがすごく怒っちゃって。で俺の奥さん、その星のお姫様だったから大変な事になってね地球に帰らされたのね。で、地球に帰ったら四十年ぐらい経ってて、俺こんな未来社会で生きれんのかなあって思ってたら、宇宙人の奥さんが俺の脳にオーバーテクノロジーをインストールしてくれてて、なんでかなあって思ってたら地球支部で働かされる事になって、十年ぐらいここの地下で働かされてたの。だから地球に帰ってきて地球人と話すの初めてに近いんだ」とシュンは笑う。
「ねえ、クズ親父は今まではどうして外に出なかったの」とニャンが聞く。
「あのクズはやめて」とシュンは小さな声でいう。
「俺ね地球に戻って、ずーっと横にお目付け役のロボットがいてさあ、まあ監禁されてたわけ、買い物とかはロボットがやってくれてた」とシュンは続けた。
「ロボット?ロボットなんかいたら、さすがにおかしいでしょ」とニャンが言う。
「ロボットたって人間にしか見えないような子で、綺麗な女の子にしか見えないからねえ。でも、こないだ向こうの星から皆んなが移民してきたから出て行っちゃったけどね。それで、俺は自由に行動できるようになったってわけ」とシュンはいう。
「それで、アタシに目をつけたんすか?この色情狂が」とニャンが睨む。
「いやいやいや!違うよ。そんな孫みたいな女の子に…」とあわてるシュン。
「ああ、アアシなんか魅力がないってことっすか」とニャンは拗ねたようにいう。
「違う違う!そうじゃない。君はすごく魅力的だけど、俺は随分と年寄りだからってこと」シュンはしどろもどろに言った。
「まあ、そういう事なら許してやらんでもないっす。でも、さあ地球が侵略されたのってシュンのせいじゃね?あんたのせいでアタシの親とか殺された説ねぇ?」段々と偉そうになるニャン。
「それはない。俺が連れ去られるずっと前から地球は狙われてたし、地球人のお偉いさんが兵庫県から埼玉県ぐらいまでは売るからって話が成立して、こうなったし。住んでた富裕層は皆んな知ってて外国に逃げてるよ」シュンはいう。
「うちの親とか、アンタのせいで死んだんだ。まあ娘を売ろうと企んでたゴミ親だから別にいいんすけどね。アタシ友達とかたくさんいたのになあ。あああ悲しいなあ」ニャンは微塵たりとも悲しそうに見えなかった。
「なんか迷惑かけちゃったのかなぁ……ごめんなさい」シュンは済まなそうに謝る。
「じゃあ責任とってもらっていいっすか?アタシここでずっと住むから面倒見てもらっていいっすか?それとアタシかなりヤキモチ焼く方なんで他の女とか、ここに連れてこないようにしてもらっていいっすか」ニャンの要求はエスカレートしていく。
「あ!はい…」シュンは何かおかしいと思いながらも、言いなりになっていくいつもの自分に呆れながら、女という生き物は宇宙で一番たくましいのだと思った。
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