1 / 1
2択
しおりを挟む
いつからか、自分の中に二つの人格があるように思い始めた。
荷物を抱えた老人が横断歩道を渡ろうとしている。そんな時、あなたならどうするだろうか。この後予想される展開は、荷物を持ってあげるとかだろうと思っている人が大多数を占めているに違いない。もちろん私も脳内の半分はその思考で満たされている。
「本当にそれでいいのか?」「本当はどうしたいんだ?」「自分は何を望んでいるんだ?」そういった疑問は瞬く間に脳内を支配し、親切だの、人助けだの、そういったどうでもいい虚像をいとも容易く消し去ってくれる。同時に感謝さえ抱く。「私を解放してくれてありがとう」と。
すぐに欲望を行動に等価交換し、やりたいことをやった。それの何が悪いんだ? 逮捕するなんて大袈裟すぎるだろ。
「なんで、
轢いたくらいでそんなに騒ぐんだ?」
「自由なんだろ人間は」
否定した時点で証明することになる。
この世界の矛盾に。
「自由ッテコトハ生キルモ死ヌモ自由ッ
テコト」
「救ウモ自由殺スモ自由」
「と、取り調べで供述しており、裁判では刑事責任の有無に焦点が当てられると見られています。」
「以上、事件特集でした。」
「続いてはお天気のコーナーです。」 「羽柴さーん。ぜらじろー。」
荷物を抱えた老人が横断歩道を渡ろうとしている。そんな時、あなたならどうするだろうか。この後予想される展開は、荷物を持ってあげるとかだろうと思っている人が大多数を占めているに違いない。もちろん私も脳内の半分はその思考で満たされている。
「本当にそれでいいのか?」「本当はどうしたいんだ?」「自分は何を望んでいるんだ?」そういった疑問は瞬く間に脳内を支配し、親切だの、人助けだの、そういったどうでもいい虚像をいとも容易く消し去ってくれる。同時に感謝さえ抱く。「私を解放してくれてありがとう」と。
すぐに欲望を行動に等価交換し、やりたいことをやった。それの何が悪いんだ? 逮捕するなんて大袈裟すぎるだろ。
「なんで、
轢いたくらいでそんなに騒ぐんだ?」
「自由なんだろ人間は」
否定した時点で証明することになる。
この世界の矛盾に。
「自由ッテコトハ生キルモ死ヌモ自由ッ
テコト」
「救ウモ自由殺スモ自由」
「と、取り調べで供述しており、裁判では刑事責任の有無に焦点が当てられると見られています。」
「以上、事件特集でした。」
「続いてはお天気のコーナーです。」 「羽柴さーん。ぜらじろー。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる