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第1章 少女と将軍
第2話 辺境伯と少女
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「・・・・・」
「なんだ。」
「別に。」
ふいっと顔を逸らす。
馬車に揺れること早半日。
移りゆく景色がどんどん緑豊かにっていく。
「ここらへんは精霊の森だからね。少し揺れると思うけどっ!」
車輪が何かを踏み越えたらしく、車体が大きく揺れる。
「っあ!」
屋根に頭をぶつける。
「大丈夫かい?」
「大丈夫。ブルム。浮かせて。」
名前を呟くと馬車を引く馬ごと浮き始める。
「うわぁぁ~!」
御者が驚き、声を上げる。
「大丈夫か?!」
窓から顔を出す。
「すみません。旦那様っ。突然のことで驚いてしまって。」
「そうか。すまない。とりあえず、このまま頼む。」
「はいっ。」
頷き、手綱を握り直す。
「・・・・・君は精霊魔法が使えるようだね。どこで覚えたんだ?」
「・・・・さあ。」
気の無い返事をする。
「さあ。って君はそればかりだな。それじゃ護ろうにも護れないじゃないか。」
「別にまもってもらわなくても平気。強いから。」
「・・・・・そうか。それじゃ、陛下に会わすことはできないよ。」
「!」
「だってそうだろう。名前もわからない。どんな力の使い手かわからない。そんな人物に誰が会わすか。」
「っ・・・・ならそれでいい。女王に会うだけが目的じゃない。」
また視線を逸らす。
〔いいじゃん。僕らのことを教えても。〕
〔その男、警戒無用。大地の精霊がいる。〕
「・・・・」
視線を彼の肩に移す。
「・・・・・・・ゴリマッチョ。」
肩に乗る精霊がお辞儀する。
「ん?どうした?」
首を傾げる。
その横で筋肉自慢を始める精霊。
「可愛くない。」
〔!?〕
驚いた顔をする。
「?ああ。やはり精霊が見えるのだな。」
「・・・・見える。」
頷く。
「そうか。彼はガイ。身体強化魔法が得意なんだ。」
〔主の補佐、得意。 主の為ならば、大地、動かす。〕
「・・・・・・・・・・」
自慢げに胸を張る精霊に驚く。
◇◇◇◇
「さて。そろそろ着く頃かな。」
彼の声がして外を見る。
「?・・・・!!」
高台に聳え建っ屋敷が見る。
その屋敷を囲むように高い壁が建ち、その中に家々が立ち並んでいる。
(なんかすごいところ、来ちゃった・・・?)
「ああ・・・やっぱりそういう反応するかぁー。」
頭を掻く。
「・・・・・」
〔イヴ!隠れるところいっぱいだよ!〕
〔長くいれる。安心。〕
一足先に見て来たのか、嬉しそうに頷くティルダとブルム。
〔主は強い!安心!〕
なぜかポージングを始めるガイ。
「・・・・・」
「着いたぞ。」
門の前で馬車が止まる。
「「お疲れ様です!!将軍!!」」
ビシッと敬礼する若い門番たち。
「ああ。変わりはなかったか。」
「はい!本日も異常なしです!」
「将軍。彼女は?」
「ああ。暫く預かることになった。顔を覚えとけ。」
「了解です!」
もう一度敬礼すると門を開けた。
「!・・・・・」
「ん?なんかみつけたか?」
(こう見ると普通の子どもだな。)
「いい匂い。」
「ああ。夕飯時だしな。」
香ばしい匂いに頷く。
「!あれはなに?」
「ん?ああ。プリッツェルだ。ドーナツみたいなものだ。」
「ぷり?どーなつ?」
「食べるか?」
「いい。」
「・・・・ちょっと待ってろ。すまん。少し止めてくれ。」
「はいっ。」
馬車を止める。
「さあ。姫。お手をどうぞ?」
先に馬車を降りて、手を差し伸べる。
「っ・・・・・」
どうしようか悩むよりもどーなつの誘惑に負けて彼の手を取る。
「いらっしゃいませー!」
軽快な声が聞こえる。
「すみません。プリッツェルをひとつください。」
「あら。領主さま。おかえりなさいまし。」
「ただいま。リフェル夫人。」
「おや。可愛らしい子を連れてますね。隠し子ですかぃ?」
「なっ。人聞きの悪い。仕事先で保護したのですよ。さ、熱いですから気をつけて。」
どーなつを差し出され、手に取り、頬張る。
「!!甘い。美味しい!」
「そりゃぁよかった。もうひとつどうぞ。」
「いいの?」
「ああ。」
「・・・・・あ、ありがとうございます・・・・」
俯く。
「?食べないのかぃ?」
「後で食べる。」
「そうかぃ。またおいで。」
「!」
その裏のない笑顔につられ、頷く。
◇◇◇
「おお。」
立ち上がる。
「変?」
「いや。とても魅力的だ。」
微笑む。
彼の屋敷に着くとすぐにリサとリカという屋敷のメイドというのをしているふたりに連れられ、お風呂に入れられ、全身を磨かれた。
そしてドレスに着替えさせられて今に至るのだ。
「彼女たちは実に良い仕事をする。」
微笑む。
「なんだ。」
「別に。」
ふいっと顔を逸らす。
馬車に揺れること早半日。
移りゆく景色がどんどん緑豊かにっていく。
「ここらへんは精霊の森だからね。少し揺れると思うけどっ!」
車輪が何かを踏み越えたらしく、車体が大きく揺れる。
「っあ!」
屋根に頭をぶつける。
「大丈夫かい?」
「大丈夫。ブルム。浮かせて。」
名前を呟くと馬車を引く馬ごと浮き始める。
「うわぁぁ~!」
御者が驚き、声を上げる。
「大丈夫か?!」
窓から顔を出す。
「すみません。旦那様っ。突然のことで驚いてしまって。」
「そうか。すまない。とりあえず、このまま頼む。」
「はいっ。」
頷き、手綱を握り直す。
「・・・・・君は精霊魔法が使えるようだね。どこで覚えたんだ?」
「・・・・さあ。」
気の無い返事をする。
「さあ。って君はそればかりだな。それじゃ護ろうにも護れないじゃないか。」
「別にまもってもらわなくても平気。強いから。」
「・・・・・そうか。それじゃ、陛下に会わすことはできないよ。」
「!」
「だってそうだろう。名前もわからない。どんな力の使い手かわからない。そんな人物に誰が会わすか。」
「っ・・・・ならそれでいい。女王に会うだけが目的じゃない。」
また視線を逸らす。
〔いいじゃん。僕らのことを教えても。〕
〔その男、警戒無用。大地の精霊がいる。〕
「・・・・」
視線を彼の肩に移す。
「・・・・・・・ゴリマッチョ。」
肩に乗る精霊がお辞儀する。
「ん?どうした?」
首を傾げる。
その横で筋肉自慢を始める精霊。
「可愛くない。」
〔!?〕
驚いた顔をする。
「?ああ。やはり精霊が見えるのだな。」
「・・・・見える。」
頷く。
「そうか。彼はガイ。身体強化魔法が得意なんだ。」
〔主の補佐、得意。 主の為ならば、大地、動かす。〕
「・・・・・・・・・・」
自慢げに胸を張る精霊に驚く。
◇◇◇◇
「さて。そろそろ着く頃かな。」
彼の声がして外を見る。
「?・・・・!!」
高台に聳え建っ屋敷が見る。
その屋敷を囲むように高い壁が建ち、その中に家々が立ち並んでいる。
(なんかすごいところ、来ちゃった・・・?)
「ああ・・・やっぱりそういう反応するかぁー。」
頭を掻く。
「・・・・・」
〔イヴ!隠れるところいっぱいだよ!〕
〔長くいれる。安心。〕
一足先に見て来たのか、嬉しそうに頷くティルダとブルム。
〔主は強い!安心!〕
なぜかポージングを始めるガイ。
「・・・・・」
「着いたぞ。」
門の前で馬車が止まる。
「「お疲れ様です!!将軍!!」」
ビシッと敬礼する若い門番たち。
「ああ。変わりはなかったか。」
「はい!本日も異常なしです!」
「将軍。彼女は?」
「ああ。暫く預かることになった。顔を覚えとけ。」
「了解です!」
もう一度敬礼すると門を開けた。
「!・・・・・」
「ん?なんかみつけたか?」
(こう見ると普通の子どもだな。)
「いい匂い。」
「ああ。夕飯時だしな。」
香ばしい匂いに頷く。
「!あれはなに?」
「ん?ああ。プリッツェルだ。ドーナツみたいなものだ。」
「ぷり?どーなつ?」
「食べるか?」
「いい。」
「・・・・ちょっと待ってろ。すまん。少し止めてくれ。」
「はいっ。」
馬車を止める。
「さあ。姫。お手をどうぞ?」
先に馬車を降りて、手を差し伸べる。
「っ・・・・・」
どうしようか悩むよりもどーなつの誘惑に負けて彼の手を取る。
「いらっしゃいませー!」
軽快な声が聞こえる。
「すみません。プリッツェルをひとつください。」
「あら。領主さま。おかえりなさいまし。」
「ただいま。リフェル夫人。」
「おや。可愛らしい子を連れてますね。隠し子ですかぃ?」
「なっ。人聞きの悪い。仕事先で保護したのですよ。さ、熱いですから気をつけて。」
どーなつを差し出され、手に取り、頬張る。
「!!甘い。美味しい!」
「そりゃぁよかった。もうひとつどうぞ。」
「いいの?」
「ああ。」
「・・・・・あ、ありがとうございます・・・・」
俯く。
「?食べないのかぃ?」
「後で食べる。」
「そうかぃ。またおいで。」
「!」
その裏のない笑顔につられ、頷く。
◇◇◇
「おお。」
立ち上がる。
「変?」
「いや。とても魅力的だ。」
微笑む。
彼の屋敷に着くとすぐにリサとリカという屋敷のメイドというのをしているふたりに連れられ、お風呂に入れられ、全身を磨かれた。
そしてドレスに着替えさせられて今に至るのだ。
「彼女たちは実に良い仕事をする。」
微笑む。
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