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第十話
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生活感の全くない巨大なビル。雨が降ろうが常に外壁は白く、汚れひとつない奇妙なビルだ。そう、ここはインカーネーション製薬本社ビル、ブッチャー部隊を統括している本社ビルであるが、中は全然知らない。
電動自動バイクはエントランス前に俺を下ろして一人でに駐車場へ走り去る。憂鬱な気分だ。すごく綺麗なビルであるといつも思うがどこか不安になる。開放的という言葉とは真反対で一切の窓がないのだ。エントランスへの扉でさえなんらかの合金でできており、中がどうなっているかが伺えない。
扉横のボタンを押すとそれは始まる。エントラスの扉の前では何かの認証を行うのか、じっと突っ立ったまま、3分ほど待たされる。そして、扉が開くとさらに出迎えが来るまで待たされる。
受付など存在せず、本当に人の気配が全くしない。13階建ほどの建物であるがどこに誰がいるのか全く不明だ。出迎えもアンドロイドが代行しており、荷物をアンドロイドに渡すと、すぐに帰る様に忠告される。仕事にやりがいなどは全くないが、この人工島で生きていくためには仕方がない。皆んな、このインカーネーション製薬からなんらかの仕事をもらい、配給を受けているのが現実である。
「相変わらず気味の悪い企業だ…、本当に無駄な時間。そんなことより、ギンのところに急ごう。」
そんな悪口もこぼしたくなるものだ。この本社で人にあった試しもなく、ロビーもホワイトアウトしてしまうのではないかというくらい無機質である。そして、退出時にも時間を取られるのもイライラが募る原因である。
電動全自動移動バイクの鍵についたボタンを押して、来たバイクに乗り込み、スロットルを全開にする。
病院に着いた時、コンテナに置いてきた物の事を思い出し、やってしまったと思ったのも束の間、病院の様子がおかしい事に気付いた。
電動自動バイクはエントランス前に俺を下ろして一人でに駐車場へ走り去る。憂鬱な気分だ。すごく綺麗なビルであるといつも思うがどこか不安になる。開放的という言葉とは真反対で一切の窓がないのだ。エントランスへの扉でさえなんらかの合金でできており、中がどうなっているかが伺えない。
扉横のボタンを押すとそれは始まる。エントラスの扉の前では何かの認証を行うのか、じっと突っ立ったまま、3分ほど待たされる。そして、扉が開くとさらに出迎えが来るまで待たされる。
受付など存在せず、本当に人の気配が全くしない。13階建ほどの建物であるがどこに誰がいるのか全く不明だ。出迎えもアンドロイドが代行しており、荷物をアンドロイドに渡すと、すぐに帰る様に忠告される。仕事にやりがいなどは全くないが、この人工島で生きていくためには仕方がない。皆んな、このインカーネーション製薬からなんらかの仕事をもらい、配給を受けているのが現実である。
「相変わらず気味の悪い企業だ…、本当に無駄な時間。そんなことより、ギンのところに急ごう。」
そんな悪口もこぼしたくなるものだ。この本社で人にあった試しもなく、ロビーもホワイトアウトしてしまうのではないかというくらい無機質である。そして、退出時にも時間を取られるのもイライラが募る原因である。
電動全自動移動バイクの鍵についたボタンを押して、来たバイクに乗り込み、スロットルを全開にする。
病院に着いた時、コンテナに置いてきた物の事を思い出し、やってしまったと思ったのも束の間、病院の様子がおかしい事に気付いた。
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