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一章
チャージ
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何日かカイルが来ない日が続いたある日、深夜にドアが開く音がした。何処かの誰かさんとは違い窓を割って入ってきた訳では無いが、念の為玄関を見に行く。電気をつけると泥棒のような体勢のカイル王子が目に入った。
「起こしてしまいましたか。すみません」
「全然大丈夫です。夜遅くなるなら無理に来なくていいんですよ?
「無理はしてないですよ。自分の妻に会うためですから。あっもしかして、迷惑でしたか?」
「いや、そういう訳じゃないですが・・・」
「じゃぁ、僕のために来てるので大丈夫です」
そう言うカイル王子は随分疲れているように見えた。やっぱり無理をして来たのだろう。
「明日から忙しくなって少しの間会えなくなるのでチャージしに来ました」
暫く会えないのか、少し寂しくなるな・・・・いや!寂しくはないけど!
そんな事を考えているとカイル王子がバッと両手を広げたと思うと意気揚々と「どうぞ!」と言った。
チャージしに来たのがカイル王子なんだから普通逆な気がしながらも、渋々腕の中に収まる。ぎゅうっと締め付けられる。
「あー、落ち着きます。疲れた時にはやっぱりダンが一番です」
「それ、褒めてるんですか?」
「ふふっ愛してるんですよ」
息を吐くように甘い言葉を言う王子に顔を熱くする。
この人はもう少し羞恥心というものを勉強した方がいいと思う。いや、天然なのか?天然だったら尚更タチが悪い
「お願いがあるんですけど……」
「なんでも言ってください!ダンの願い事なら全部叶えますよ」
「カラーを借りてもいいですか?」
「・・・・えっ!」
俺を締め付けていた手が一瞬緩んだ。が、すぐにもう一度締め付けられる。
「どうしたんですか!ダンがそんなこと言うなんて珍しいですね!遂に僕の番になる人としての自覚が・・・」
「深くは聞かないでください」
言い放ってからつい語気が強かったと反省する。
カイルは優しいからそれ以上何も詮索せずに、「・・・・わかりました」とどこか寂しそうに言った。
その日は一緒のベッドで眠りについた。「明日の朝は何を作ってあげようか」などと考えていたが、朝早くにカイルはまた王都へと戻って行った。
俺が目を覚ます頃にはカイルがいたはずの場所は冷たくなっていた。
出かけるなら起こしてくれたら良かったのに・・・見送りくらいしか出来ることないけど・・・・
枕元に置かれたカラーを見る。王家の紋様が入った立派なカラー。俺がオメガである事を証明するカラー。
俺は腹を括って深く深呼吸をした。覚悟を決めてクローゼットを開ける。カイルに買って貰った正装に腕を通す。前にパーティーに参加した時と全く同じ服なので正直、いい思い出は無い。
カラーを首につける。オメガであるという自覚。王族の番になる予定であるという自覚。その、王族の元婚約者のパーティーに単身で乗り込もうとしている自覚。様々なものが重く肩に乗る。
大丈夫。前とは違う。前の二の舞にはならない
迎えの馬車がやって来たのは夕暮れ時だった。カイルに乗せてもらったやつ程ではないが俺には十分すぎるくらいふかふかだった。
一時間と少し揺られたところで馬車が停止し、ドアが開いた。ドアから見える大きな屋敷は前のパーティーでも使われたローラ嬢の家だ。
深く深呼吸をして馬車からおりる。屋敷からは明かりが漏れ出ていた。
「起こしてしまいましたか。すみません」
「全然大丈夫です。夜遅くなるなら無理に来なくていいんですよ?
「無理はしてないですよ。自分の妻に会うためですから。あっもしかして、迷惑でしたか?」
「いや、そういう訳じゃないですが・・・」
「じゃぁ、僕のために来てるので大丈夫です」
そう言うカイル王子は随分疲れているように見えた。やっぱり無理をして来たのだろう。
「明日から忙しくなって少しの間会えなくなるのでチャージしに来ました」
暫く会えないのか、少し寂しくなるな・・・・いや!寂しくはないけど!
そんな事を考えているとカイル王子がバッと両手を広げたと思うと意気揚々と「どうぞ!」と言った。
チャージしに来たのがカイル王子なんだから普通逆な気がしながらも、渋々腕の中に収まる。ぎゅうっと締め付けられる。
「あー、落ち着きます。疲れた時にはやっぱりダンが一番です」
「それ、褒めてるんですか?」
「ふふっ愛してるんですよ」
息を吐くように甘い言葉を言う王子に顔を熱くする。
この人はもう少し羞恥心というものを勉強した方がいいと思う。いや、天然なのか?天然だったら尚更タチが悪い
「お願いがあるんですけど……」
「なんでも言ってください!ダンの願い事なら全部叶えますよ」
「カラーを借りてもいいですか?」
「・・・・えっ!」
俺を締め付けていた手が一瞬緩んだ。が、すぐにもう一度締め付けられる。
「どうしたんですか!ダンがそんなこと言うなんて珍しいですね!遂に僕の番になる人としての自覚が・・・」
「深くは聞かないでください」
言い放ってからつい語気が強かったと反省する。
カイルは優しいからそれ以上何も詮索せずに、「・・・・わかりました」とどこか寂しそうに言った。
その日は一緒のベッドで眠りについた。「明日の朝は何を作ってあげようか」などと考えていたが、朝早くにカイルはまた王都へと戻って行った。
俺が目を覚ます頃にはカイルがいたはずの場所は冷たくなっていた。
出かけるなら起こしてくれたら良かったのに・・・見送りくらいしか出来ることないけど・・・・
枕元に置かれたカラーを見る。王家の紋様が入った立派なカラー。俺がオメガである事を証明するカラー。
俺は腹を括って深く深呼吸をした。覚悟を決めてクローゼットを開ける。カイルに買って貰った正装に腕を通す。前にパーティーに参加した時と全く同じ服なので正直、いい思い出は無い。
カラーを首につける。オメガであるという自覚。王族の番になる予定であるという自覚。その、王族の元婚約者のパーティーに単身で乗り込もうとしている自覚。様々なものが重く肩に乗る。
大丈夫。前とは違う。前の二の舞にはならない
迎えの馬車がやって来たのは夕暮れ時だった。カイルに乗せてもらったやつ程ではないが俺には十分すぎるくらいふかふかだった。
一時間と少し揺られたところで馬車が停止し、ドアが開いた。ドアから見える大きな屋敷は前のパーティーでも使われたローラ嬢の家だ。
深く深呼吸をして馬車からおりる。屋敷からは明かりが漏れ出ていた。
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