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隣の転校生
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高校2年の春、朝のHRで俺が転寝をしていたところを、昨日来たばかりの転校生が俺の肩をトントンと叩いて起こしてきた、転校生は俺のことを起こすと身体をこちらに少し寄せ、俺と転校生にしか聞こえない様な声で話しかけてきた。
「上泉君おはようさん」
「おは…よう?てか起こしてくれてありがとう」
「ええんよ~お礼としてちょい話し聞いてな」
「少しにしろよ、先生に怒られたらダルいぞ」
「じゃあ聞いてな~、実はウチって狐なんよ」
「お前頭大丈夫か?」
意味が分からない、俺は転校生のことを女性ということぐらいしか知らず、また転校生も俺のことをまったく知らない、そんな関係性なのに朝のHRで急に「ウチって実は狐なんよ~」なんて言ってくる、俺は普通に転校生に対し戦慄した。
「も~せっかく起こしたったのに、急に頭大丈夫?なんて酷いわ~」
「いやいや、突然自分が狐なんだよね~なんて言う名前も知らん奴の頭を心配するのは優しさだと思って欲しいぞ」
「え?ウチ昨日皆の前でちゃんと自己紹介したけど、もしかして昨日も寝とったん?」
「うっ…まぁ初日ということもあり疲れてて少し」
「も~新しい同級生の自己紹介ぐらい聞いとかなダメやで」
「いや寝てたのは申し訳ないけど、急に自分を狐と言ってくるような奴に言われたくない」
確かに寝ていたところを起こしてもらったのは感謝している、そして自己紹介を聞いてないことに関しては謝罪を一応しておいた、そして俺が最後の「ない」まで喋り終えると、少し会話がヒートアップしていることに気づき会話を終わらせようとしたが、「おい、上泉!少しうるさいぞ」…少し遅かった様だ。
「まったく、静かにしないか!まだ学校始まって2日目だぞ!!」
「すいません」
今年から担任になったゴリ松に怒られてしまった、しかし寝ていたのはバレていないらしく少し安堵した、しかしなぜ転校生の奴は怒られなかったんだ?と考えていると。
「先生に怒られてしもうたなぁ~」
変わらず小声で話しかけてくる転校生に対し、俺は無視を決め込むことにした。
「な~な~、もしかして私のこと無視してるん?」
それでも転校生は俺の肩をツンツンと指でつつきながら話しかけてくる、確かに転校生の傾国美女と言えるほどの容姿から繰り出されるこの行動は、全男子高校生を勘違いさせ告白させ玉砕させる程の威力を誇っているだろう、しかし転校生のあの1面を見た俺からしては、次に何をするか皆目見当もつかないので、絶対に無視をすることにした。
「これで朝のHRを終わるが、姫恒拿さんと上泉は前へ来い」
「えっ!?」
最悪だ、今年の担任は生粋の体育会系教師でめちゃくちゃ厳しいことで有名の松浦、皆からはゴリ松と言うあだ名が付いてる、けどうちの高校の女子や女性教師に対して少しセクハラ気味なところがあって、この学校にいる女性からかなり嫌われてる。
恐らくこのクラスの大半は担任ガチャを3年生に賭けてるやつがほとんどだと思う、て言うかなぜやつだけさん付けされてるんだ?
「上泉、お前今日の放課後暇か?」
「まぁ…はい」
「ちょうど良かった、昨日にでも姫恒拿さんに校内を案内しようと思ってたんだが…生憎今日は姫恒拿さんのお父さんと転校についてまだ話さなきゃならんことがあるから、上泉に校内の案内を放課後に頼みたいんだができるよな?」
突然ゴリ松が早口で喋りだして驚いたが、よくよく考えてみれば実に面倒だ、別に今日はこれと言った用事はないがなんせ早く帰りたい、帰宅部の性だろう、断れないとは思うが一応確認だけでもしておこう。
「因みに断るとどうなります?」
「断ったら昨日今日と居眠りしていたことをみっちり叱らなきゃならんくなるな」
HRで寝てたの滅茶苦茶バレてるやないかい昨日の方も、まぁ案内でお叱り免除なら良いか、校舎はそこまで大きくないから多く見積っても30分程度、帰ってRORでもやろう。
「と言うことで頼むぞ上泉、彼女に何かあったら俺が消されるからな」
肩をバンバンと叩いた後組んできて気づいた、ゴリ松は冷や汗をかいていた、少なくとも1年間学校に通っていてこんなゴリ松は見たことがなかった、俺の名前を言った後に小声でなにかを言ってたみたいだけど、HR終わりすぐと言うことで教室内がガヤガヤしているせいで聞き取れなかった。
「松浦先せ「先生、上泉くんとお話しは終わりました?」
「おいかぶせん「はい終わりました、ってことで頼むぞ上泉」
「はぁ…まぁ了解しました」
言い終わるとチャイムが鳴った、ゴリ松の頼みを聞いてる内に1時限目まであと5分しか無くなってしまった、しかしなぜ奴とゴリ松は俺の言葉を遮ったんだ?しかも奴の声が少し強かったような…
など考えているとゴリ松が大きな声で言った。
「チャイムが鳴ったから授業まで後5分だからな!授業の準備しとけよ!」
ゴリ松は教壇から教室の端まで届くような大きな声でそう言うと、ピューと言う擬音が似合うようなスピードで職員室まで戻った様だ。
「はぁ~面倒くさいな、お前1人で校内回ってこいよ~」
「あたし1人じゃ回れへんから先生がお願いしたんでしょ?もし放課後に一緒に回らなかったら先生にチクってしまうからね」
「んな小学生みたいな…あぁ!もう分かった案内してやる、けど案内する時間は俺が決めるぞ」
「かまへんよ~」
なんて喧嘩の様な会話をしている内に1時限目まで3分を切ってしまった、なので俺は自分の席に帰って、奴も俺の隣の席に戻った、奴は何が嬉しいのか知らんが笑顔だった。
「はぁ…てかなんでそんな笑ってるんだ?何かいい事でもあったのか?」
「んふふ~ナイショ、それより先生がもう来とるからお話しはおしまい」
一体なんなんだコイツ、急に起こしてきたと思ったら突然頭のおかしなことを言い出した後、ゴリ松から校内の案内をしろだと、厄日だ、完全に厄日だ、何が今日の星占いは1位だ、これじゃあワースト1位だ…まぁ憂いてもしょうがない、授業に集中するとしよう。
「上泉君おはようさん」
「おは…よう?てか起こしてくれてありがとう」
「ええんよ~お礼としてちょい話し聞いてな」
「少しにしろよ、先生に怒られたらダルいぞ」
「じゃあ聞いてな~、実はウチって狐なんよ」
「お前頭大丈夫か?」
意味が分からない、俺は転校生のことを女性ということぐらいしか知らず、また転校生も俺のことをまったく知らない、そんな関係性なのに朝のHRで急に「ウチって実は狐なんよ~」なんて言ってくる、俺は普通に転校生に対し戦慄した。
「も~せっかく起こしたったのに、急に頭大丈夫?なんて酷いわ~」
「いやいや、突然自分が狐なんだよね~なんて言う名前も知らん奴の頭を心配するのは優しさだと思って欲しいぞ」
「え?ウチ昨日皆の前でちゃんと自己紹介したけど、もしかして昨日も寝とったん?」
「うっ…まぁ初日ということもあり疲れてて少し」
「も~新しい同級生の自己紹介ぐらい聞いとかなダメやで」
「いや寝てたのは申し訳ないけど、急に自分を狐と言ってくるような奴に言われたくない」
確かに寝ていたところを起こしてもらったのは感謝している、そして自己紹介を聞いてないことに関しては謝罪を一応しておいた、そして俺が最後の「ない」まで喋り終えると、少し会話がヒートアップしていることに気づき会話を終わらせようとしたが、「おい、上泉!少しうるさいぞ」…少し遅かった様だ。
「まったく、静かにしないか!まだ学校始まって2日目だぞ!!」
「すいません」
今年から担任になったゴリ松に怒られてしまった、しかし寝ていたのはバレていないらしく少し安堵した、しかしなぜ転校生の奴は怒られなかったんだ?と考えていると。
「先生に怒られてしもうたなぁ~」
変わらず小声で話しかけてくる転校生に対し、俺は無視を決め込むことにした。
「な~な~、もしかして私のこと無視してるん?」
それでも転校生は俺の肩をツンツンと指でつつきながら話しかけてくる、確かに転校生の傾国美女と言えるほどの容姿から繰り出されるこの行動は、全男子高校生を勘違いさせ告白させ玉砕させる程の威力を誇っているだろう、しかし転校生のあの1面を見た俺からしては、次に何をするか皆目見当もつかないので、絶対に無視をすることにした。
「これで朝のHRを終わるが、姫恒拿さんと上泉は前へ来い」
「えっ!?」
最悪だ、今年の担任は生粋の体育会系教師でめちゃくちゃ厳しいことで有名の松浦、皆からはゴリ松と言うあだ名が付いてる、けどうちの高校の女子や女性教師に対して少しセクハラ気味なところがあって、この学校にいる女性からかなり嫌われてる。
恐らくこのクラスの大半は担任ガチャを3年生に賭けてるやつがほとんどだと思う、て言うかなぜやつだけさん付けされてるんだ?
「上泉、お前今日の放課後暇か?」
「まぁ…はい」
「ちょうど良かった、昨日にでも姫恒拿さんに校内を案内しようと思ってたんだが…生憎今日は姫恒拿さんのお父さんと転校についてまだ話さなきゃならんことがあるから、上泉に校内の案内を放課後に頼みたいんだができるよな?」
突然ゴリ松が早口で喋りだして驚いたが、よくよく考えてみれば実に面倒だ、別に今日はこれと言った用事はないがなんせ早く帰りたい、帰宅部の性だろう、断れないとは思うが一応確認だけでもしておこう。
「因みに断るとどうなります?」
「断ったら昨日今日と居眠りしていたことをみっちり叱らなきゃならんくなるな」
HRで寝てたの滅茶苦茶バレてるやないかい昨日の方も、まぁ案内でお叱り免除なら良いか、校舎はそこまで大きくないから多く見積っても30分程度、帰ってRORでもやろう。
「と言うことで頼むぞ上泉、彼女に何かあったら俺が消されるからな」
肩をバンバンと叩いた後組んできて気づいた、ゴリ松は冷や汗をかいていた、少なくとも1年間学校に通っていてこんなゴリ松は見たことがなかった、俺の名前を言った後に小声でなにかを言ってたみたいだけど、HR終わりすぐと言うことで教室内がガヤガヤしているせいで聞き取れなかった。
「松浦先せ「先生、上泉くんとお話しは終わりました?」
「おいかぶせん「はい終わりました、ってことで頼むぞ上泉」
「はぁ…まぁ了解しました」
言い終わるとチャイムが鳴った、ゴリ松の頼みを聞いてる内に1時限目まであと5分しか無くなってしまった、しかしなぜ奴とゴリ松は俺の言葉を遮ったんだ?しかも奴の声が少し強かったような…
など考えているとゴリ松が大きな声で言った。
「チャイムが鳴ったから授業まで後5分だからな!授業の準備しとけよ!」
ゴリ松は教壇から教室の端まで届くような大きな声でそう言うと、ピューと言う擬音が似合うようなスピードで職員室まで戻った様だ。
「はぁ~面倒くさいな、お前1人で校内回ってこいよ~」
「あたし1人じゃ回れへんから先生がお願いしたんでしょ?もし放課後に一緒に回らなかったら先生にチクってしまうからね」
「んな小学生みたいな…あぁ!もう分かった案内してやる、けど案内する時間は俺が決めるぞ」
「かまへんよ~」
なんて喧嘩の様な会話をしている内に1時限目まで3分を切ってしまった、なので俺は自分の席に帰って、奴も俺の隣の席に戻った、奴は何が嬉しいのか知らんが笑顔だった。
「はぁ…てかなんでそんな笑ってるんだ?何かいい事でもあったのか?」
「んふふ~ナイショ、それより先生がもう来とるからお話しはおしまい」
一体なんなんだコイツ、急に起こしてきたと思ったら突然頭のおかしなことを言い出した後、ゴリ松から校内の案内をしろだと、厄日だ、完全に厄日だ、何が今日の星占いは1位だ、これじゃあワースト1位だ…まぁ憂いてもしょうがない、授業に集中するとしよう。
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