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ある少女の詩 ⑨

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 自由になることを願った

 両手足をきつく縛られ

 毎日、蹴られ殴られした

 額には印を焼き刻まれ

 わたしは番号で呼ばれた

 そのうちに

 痛みを感じなくなり

 涙も流れなくなった

 翼をもがれちゃったから

 飛ぶことはできないけど

 空を想うだけで

 わたしは、幸せだった
 
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