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機能していない教会
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セレーヌ様はお話をしてから颯爽と去っていった。
「相変わらず忙しい方ですね、お母様は」
そう言って苦笑いするエメルダ様を見て『いや、エメルダ様も似てますよ』と心の中で思った。
「まぁ風通しは良くなる、とは思いますが」
「そうね、お母様が言っていたけど教会、特に都市にある教会の司祭達は貴族とかなり深い関係にあるらしいから、お母様の視察で何個かの教会の取り潰しがあるかもしれないわね」
今まで甘い蜜を吸っていたんだから罰が下るのは当たり前か。
「あれ? そういえばこの地域にも教会はありますよね? 私、司祭に会った事無いんですけど」
教会の建物はあるんだけど門が閉じられていて人の気配が感じられない。
「地方の教会は司祭がいくつかを受け持っている、て聞いた事があるけど……、問い合わせてみないとわからないわね」
リコット様に聞いてみよう。
「町にある教会? そういえば司祭の姿を見てないな」
後日、リコット様がやって来たので聞いてみたらそんな答えが返ってきた。
「あそこには長年一人の牧師がいたんだよ。僕も幼い頃に色々お世話になったよ」
「その牧師様はどうなさったんですか?」
「確か体調不良で牧師を辞められたんだ。それからは近くの町の牧師さんが来てくれたみたいだけど細かい事はわからないな。あそこもかなり古い建物だからね」
確かに苔が覆い茂っていて不気味な感じがする。
「牧師様がいた頃は賑やかだったんだよ、牧師様は子供好きで近所の子供達が毎日来ていて遊んでいたんだ。貴族とか関係なく接して人の道について色々お話してくれたんだ」
「リコット様の先生みたいな方だったんですね」
「そうだね、人としても尊敬できる方だったよ。あぁ、そういえば変な噂を聞いた事があるよ」
「変な噂?」
「その牧師様、実はかなり偉い身分の人だったらしいけど剥奪されてここに来たらしいんだよ」
偉い身分? 剥奪?
なんだかきな臭い匂いがしてきた。
「相変わらず忙しい方ですね、お母様は」
そう言って苦笑いするエメルダ様を見て『いや、エメルダ様も似てますよ』と心の中で思った。
「まぁ風通しは良くなる、とは思いますが」
「そうね、お母様が言っていたけど教会、特に都市にある教会の司祭達は貴族とかなり深い関係にあるらしいから、お母様の視察で何個かの教会の取り潰しがあるかもしれないわね」
今まで甘い蜜を吸っていたんだから罰が下るのは当たり前か。
「あれ? そういえばこの地域にも教会はありますよね? 私、司祭に会った事無いんですけど」
教会の建物はあるんだけど門が閉じられていて人の気配が感じられない。
「地方の教会は司祭がいくつかを受け持っている、て聞いた事があるけど……、問い合わせてみないとわからないわね」
リコット様に聞いてみよう。
「町にある教会? そういえば司祭の姿を見てないな」
後日、リコット様がやって来たので聞いてみたらそんな答えが返ってきた。
「あそこには長年一人の牧師がいたんだよ。僕も幼い頃に色々お世話になったよ」
「その牧師様はどうなさったんですか?」
「確か体調不良で牧師を辞められたんだ。それからは近くの町の牧師さんが来てくれたみたいだけど細かい事はわからないな。あそこもかなり古い建物だからね」
確かに苔が覆い茂っていて不気味な感じがする。
「牧師様がいた頃は賑やかだったんだよ、牧師様は子供好きで近所の子供達が毎日来ていて遊んでいたんだ。貴族とか関係なく接して人の道について色々お話してくれたんだ」
「リコット様の先生みたいな方だったんですね」
「そうだね、人としても尊敬できる方だったよ。あぁ、そういえば変な噂を聞いた事があるよ」
「変な噂?」
「その牧師様、実はかなり偉い身分の人だったらしいけど剥奪されてここに来たらしいんだよ」
偉い身分? 剥奪?
なんだかきな臭い匂いがしてきた。
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