放置された公爵令嬢が幸せになるまで

初めて屋敷に入りました

「ところで、この畑はアイネス様が作った物ですか？」

　カリーナ様が畑を指差して言った。

「はい、領民から種を分けてもらって植えました」

「この小屋もですか？」

「いえ、ここは元々ありました。あ、住みやすい様に多少は改造しましたが」

「ふむ……」

　カリーナ様は何やら考え込んでいる。

「失礼な事を聞きますが体に生まれつき痣はありませんか？」

「痣ですか？そういえば背中にあった様な……」

「どのような痣かわかりますか？」

「う～ん、気にした事が無いので……」

「ならば確認するしかないな……、お前達！屋敷に入り風呂の準備をするように！」

「かしこまりました！」

「えっと私何かしました？」

「いえ、ちょっとした確認をさせてもらいたいのです。その為にはまずはアイネス様の身体を綺麗にしないと」

「え、毎日拭いているんですけど……」

「公爵令嬢ですからね、身なりは大事ですから」

　その後、私は屋敷の中に初めて入った。

　初めて見たその中は絨毯とか装飾品とかは無かったけどその広さに驚いた。

　そして、そのまま私は風呂場に連れていかれ服を脱がされ風呂に入った。

　一人で入るには広すぎるのと初めて入る湯船に私は身体を固くしていたけど次第に和らいでいった。

　湯船を出た後はこれでもかと思うぐらいに洗われた。

　髪から足先まで洗わられ痛かったりくすぐったかったりと感情が激しかった。

　そしてカリーナ様は私の背中にある痣を確認。

「やはり……、そうだったか」

　小綺麗になった私は騎士様が用意してくれた服に着替えた。

　鏡で見た姿は正に貴族のお嬢様という感じだ。

　そして応接間に行きソファーに座り待っているとカリーナ様がやってきた。

「おまたせしました、教会本部と連絡を取っていて遅くなりました」

「あっ、いえ……」

「結論から話しますとアイネス様、貴女には聖女の可能性があります」

……はい？