うそつきΩのとりかえ話譚

沖弉 えぬ

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一章

14服屋の娘

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「オヤジ! この中から値の付きそうなモン、見繕ってくれ!」
 ダァンッ、と荒々しい音を立てて籐で編んだ籠が台の上に置かれると、ヒヨクが後ろであたふたと取り乱す。
「か、加減してもらえると助かる」
 きらりと後光の差す禿げあがった頭を傾げて店主は怪訝な顔になった。
「加減ってなぁ。ちっとでも高く買い取ってほしいってんなら分かるが、変わったお客さんだね」
「加減なんていらねぇよ!」
「いや、はした金にしかならぬ物は脇に避けておいてくれ」
 意見の食い違う若者に挟まれて禿げた頭を困ったように掻く。
 ここは質屋だ。値打ち品を質草として預けて金銭を借りるために使う場所だが、何でも担保に出来るという訳ではない。
 木こりと王子の不思議な取り合わせの二人組は現在、火の大邑を東に抜けて月の大邑の一つである『烏』の邑へと来ていた。虎から烏へは徒歩で大体二日ほどの距離にあるのだが、二人は一日に余分に掛かって三日目の昼に漸く烏の外門へと辿り着いた。
 遅れた原因はずばり、ヒヨクの荷物の多さだ。最初こそシカのこさえた旅道具の多さに辟易としていたが、困ったら何でも出てくる籠の便利さに気付いてからは体力を消耗しようが足が痛かろうが籠の中身を全部持ち歩く事に決めたようだった。おかげで休憩を小刻みに取る羽目になり、二日目の日暮れになっても烏の邑が見えてこないとトキの我慢も限界に達した。
 質屋の店主はテキパキと籠の中身を台の上に並べていく。二着目の外套を含めた着替えが一式、小刀、銅鏡、縄、矢立やたて、櫛と香油と暇つぶしの本と謎の壺と、枕。出るわ出るわの無駄な道具の数々にトキは呆れてしまう。
「どれも随分良い物が揃ってる。あんた偉いところの坊ちゃんだね? 家出はほどほどになぁ」
「家出では――」
「こいつ商家の息子なんだ。物が良いのも当たり前だろ?」
「なるほどなぁ。得意先からの貰いモンって事か。こりゃ鑑定にも気合が入るね」
 トキに言葉を遮られたヒヨクはムッとしてトキを睨んでいるがこんなところで正直に答える必要はない。身分を隠したお忍びの旅だというにはヒヨクはあまりに素直過ぎた。とは言えトキも嘘はあまり得意ではない。どちらかと言わず正直者で率直な性分なのでどこまでヒヨクの事を庇えるかは分からない。
「つっても、悪いが衣や寝具はうちじゃ扱ってねぇ。すぐ隣に古着屋やってる旦那の女将さんが店ぇ構えてるから、そっちで聞いてみてくんな」
 質屋をやっている割に人の良さそうな店主は衣類と枕を籠に入れ直してくれる。質屋の左隣には店主の言った通り『古着』という看板を下げた店があった。
 替えの下着だけを残して外套と袍を見せると、外套の襟を飾る毛皮を見て女主人はぎょっとしていた。ちなみに枕は既に諦めている。
「兎の毛皮だね? 高級過ぎてうちじゃ扱えないよ」
「そこを何とかしてもらえねぇかなぁ」
「そうは言われてもねぇ」
 袍も仕立てが良すぎると渋っていたが安くても構わないからと食い下がると相場の半値で買い取ってもらえた。
「『あめふり屋』さんに行ってごらんよ。その外套あんまり使ってないみたいだし、あそこなら良い様にしてくれるかも知れないよ」
 烏の邑の人間はみんな親切な人柄をしているようだ。質屋の旦那も古着屋の女将も頼み込めば困りながらも断り切れないようだった。獬の人間は割と白黒はっきりしているので、良いは良いし、駄目は駄目だ。邑ごとに性格というものがあるんだなぁと感心しつつ、道行く人に訊ねながら『あめふり屋』を探す事しばし。
 最初の質屋から十分ほど邑の中央に向かって進んだところで広い四つ角に辿り着く。大通りが交差するこういう場所は一等地なのだと都で学んだ。烏の邑は都に次ぐ都会だ。邑同士が近く気候も似たり寄ったりなので、違いは王宮があるかどうかだ。
 角で誇らしげに看板を掲げる『あめふり屋』の暖簾を潜って店内に入ると、若い女が店名を刺繍した前掛けをして「いらっしゃいませ」とトキたちに笑顔を向けた。
 トキは咄嗟にヒヨクの前に出て、ヒヨクの姿を女から隠す。トキの背中で鼻をぶつけたヒヨクが小さく呻いた。
「おいトキ」
「あんたは外に出てろ」
「何故だ?」
「いいから」
 入り口の柱と扉の縁に手をかけて通せんぼし、トキは女に笑みを返した。
「よう、候補戦ぶりだな。烏の邑の姫様」
 女ははっとして両手を口元に当ててから、胸の下で手を組んでお辞儀をする。店で働いていたのは候補戦で最後の四人に残ったうちの一人、烏の邑出身のツキヒだった。
 体格は小柄で態度はいつもびくびくしていて大人しいツキヒは非好戦的で控えめないかにもオメガといった人だ。ヒヨクを筆頭に母やヒスイなど気が強く行動的なオメガばかり居るせいで忘れがちだが、オメガは本来庇護欲を駆り立てるような慎ましやかな性格をしている事が多い。
 わざと強調するように『候補戦』と口に出したので、背後からヒヨクの気配が消えている。ツキヒとはヒオの方が顔を合わせているはずなので、ここでヒヨクがツキヒと出会す訳にはいかない。
「こんな立派な店の娘さんだったんだな。あ、いや姫様か」
「いえそんなっ、姫と呼ばれるほどの家柄ではないんです」
 腹の前で手を握りもじもじしながら俯いて話すツキヒとは全く目が合わない。王宮の宿舎に居た頃から候補者の人数が日に日に減っていったが、彼女と会話をしたのはただの一度きり。
 ――あ、あの、ミスイちゃん、み、ミスイさんを見ませんでしたか?
 それも話したというより、あれは単にすれ違った人に道を訊ねたのと同じようなものだった。我ながら必死だったとはいえせっかくの機会を人脈を広げるのに利用しなかったのはもったいなかったなぁと思う。
「ミスイって奴とは知り合いだったのか? でもあんたら出身は違ってたよな?」
「は、はい……ミスイちゃ、ミスイさんは南部の邑出身です。わ、私とミスイさんは、家業の関係で子供の頃からの知り合いなんです」
 家業、と口の中で唱えて店に並んだ商品を眺める。
「『あめふり屋』って服を売ってるんだな。古着じゃなさそうだけど、都会じゃこんなもんが売れるのか?」
「ええと、邑の大人役の方々に、よく利用してもらってます」
 大人役とは邑の運営に携わる重役たちの事だ。つまり邑の中の偉い人たちの事で、烏の邑のような都会ならば一人残らず金持ちだ。ここ『あめふり屋』は富裕層御用達の服屋という訳だ。間違ってもトキのような人間の用事がある場所ではない。
「ちょっと見て欲しいものがあるんだけどよ」
 トキ自身は用がなくとも今日持ち込んだ物はこの邑の大人役よりも格上の人物に相応しい上等な物だ。そう考えると何となく威張りたいような気分になって声が大きくなる。
 籠ごと避難するようなお馬鹿な事はしなかったようで、振り返ると足元にヒヨクの籠がちゃんと置いてあった。トキ越しに籠を見ているツキヒが何でそんな所に籠が、と言いたげだが、上手い言い訳が見つからないので無視する。
「このマント、もう要らねぇから買い取ってほしいんだけど、質屋も古着屋も断られてさ。安くてもいいんだ、何とかしてもらえねぇかな?」
 古着を扱っていない店に向かって失礼かも知れないし、候補戦では言葉など交わしていないようなものだった相手に図々しい気もしたが、駄目で元々頼んでみる。
 ツキヒは外套を受け取ると、手触りを確かめたり縫合を確かめたりしている。トキが持ってきたものに明らかに興味を引かれていると分かる表情で、何とかなるかも知れないという希望が湧いてくる。
「……火の大邑の刺繍が入っていますね。どなたかからの頂き物でしょうか?」
「えっ、いや、あー」
「あっ、あの差し出がましい事を言ってしまってすみませんっ! 火の民のシカという方といつも一緒にいらっしゃるようでしたから、つい余計な事を……」
 つまりシカからトキにこの外套が渡った想像をしたという事だろうか。その想像は当たらずとも遠からずだ。思いの外鋭い。それにトキにもシカにも興味を持っていないと思っていたが二人の事をきちんと記憶していたようだ。
 おどおどしていて頼りなさそうに見えるが、案外それは見かけだけの事なのかも知れない。
「んー……まぁそんなところかな。結構いい物貰っちまったみたいだから、内緒にしといてくれるか?」
 ツキヒは首が取れそうなほどぶんぶん頭を振って頷く。「お二人の秘密は絶対守ります!」と何故か意気込んでいた。何か誤解が生まれているような気がしたが、墓穴を掘りたくないので突っ込まなかった。

 ツキヒはトキを店の奥に案内し暫く待つよう告げるとどこかに去ってしまう。五分ほどしてお茶を載せた盆と一緒に何かの冊子を持って戻ってきた。
 盆を持ちながら脇に冊子を挟んでいたが、片手で戸を閉めた拍子に冊子がずり落ちそうになる。慌てたツキヒは盆をひっくり返しそうになり、どうもそんな予感がしていたトキは椅子に座ったまま咄嗟に手を伸ばしてツキヒの手ごと盆を支え、落ちてくる冊子を床に着く前に掴んだ。
「あ、わ、わ、す、すみませんすみません!!」
「大丈夫だって。お茶こぼれなくて良かったな」
「は、はい!」
 ツキヒは慎重に盆を台に置くとしゅううと空気が抜けていくように安堵の溜め息を漏らして緊張を解いた。これだけ緊張しいだと日々大忙しだろう。
「ちゃんとしたお値段でお取引させて頂きたいと思いまして」
 茶の入った湯呑をトキに出し、ツキヒは冊子を広げる。中は大まかな服の素材の仕入れ価格のようだ。糸に始まり織物、毛皮、その他の生地の値段が並んでいる。
「普段買い取りはしていないので相場は分かりませんが、使われている素材から三割ほど引いたお値段で買い取らせて頂くのはどうでしょう?」
「三割? それじゃあんたが損するんじゃねぇか?」
「とても上質なお品でしたから。伝統的な刺繍に縫合の細かさに正確さ、生地は暖かい天鵞絨。襟の毛皮は兎かと思いましたがチンチラですね」
「うさぎとチンチラってどっちが高級?」
「ふふ、チンチラですよ。この辺りだと十倍くらい違います」
「そんなに……!」
 お茶を溢しそうになって大慌てだったさっきまでと違い、外套についてつらつらと話す様子はさすがに服屋の店の子といった感じだ。歳は知らないがきちんと店の手伝いをしてきた証拠だ。
「それなりのお値段で店に置いても、きっと買い手がつきます」
「そんなもんなんだな。あんたの好きにしてくれていいよ。やっぱり安く売ってくれってんならそれでも構わないし」
「……あの」
 冊子から顔を上げたツキヒの表情を見て、これまでと話題が変わる気配を察する。
「ミスイちゃんの事を何か知りませんか?」
 濃紺の長髪と、負けん気の強い少女の姿が脳裏を過る。本人が派手な性格をしていた事に加えて目の敵にされていたのでツキヒよりもよっぽど印象に残っていた。トキ自身『相』の試験の後意気消沈していたのでよく覚えていないが、ミスイもまた落ち込んでいたとしか覚えていない。その後は特に交流もなく王宮で別れたきりだ。
「あのシカさんという方は、火の民ですよね? 私、あの方はきっと王室が紛れ込ませた監視の方だったのだと思うんです。試験にはあまり乗り気ではないようでしたのに最後まで候補に残られていましたし、官僚の方とも親しげでした」
 官僚と、それはトキも気付かなかった事だ。
 正体を明かされるまでシカの事を全く疑っていなかったトキと違って、ツキヒは王室のやり方をよく知っていた。候補戦に王室側の人間を仕込んで宿舎や食堂での振る舞いなどを調査していたのではないか、とツキヒは考えていた。
 実際それに近い事をシカはやっていたのかも知れない。そうでもなければトキの王子のお供の役目など回ってくるはずもない。たまたまヒヨクと知り合っていたとはいえ、それだけでトキにヒヨクの事を預けようとはならないだろう。しかしそう考えるとシカは何故トキにヒヨクの事を任せようと思ったのか理由が気になった。トキの妹が双子だったからだろうか。だとしたら妹には悪いが双子に生まれてきてくれて良かったと言わざるを得ない。
 トキはヒヨクへの思いを燻らせたままにしているが、この旅自体はやはり嬉しいし楽しい。お互いの身分を考えたら候補戦が終われば二度と会えなくても不思議はないくらい遠い存在で、いずれは目的を果たして終わってしまう旅だとしても今となってはシカに感謝だ。
 シカの正体を明かす訳にもいかずトキが黙っていると、ツキヒはしゅんと肩を落としてしまう。
「やっぱり話せませんよね……。でもどうかお願いです。私、ミスイちゃんの誤解を解きたいだけなんです。何か知っている事があったら教えて下さい!」
 臆病な姿が基本のツキヒは、ミスイの事になったときだけ臆病のままではいられなくなるらしい。椅子から立ち上がり台に手をつき鬼気迫るツキヒの様子にトキも慌てて言い繕う。
「ちょっと待ってくれ! ミスイの事は本当に何も知らないし、マントも貰っただけだ! シカに裏事情を聞いたりなんてしてねぇよ!」
 実際は少し違うがヒヨクの事は話せないのでこう言う他に思い付かない。
「何があったか知らねぇけど、家同士が仲良いんなら家の人に連絡取ってもらうとかあるんじゃねぇの?」
 ツキヒの必死さはよく伝わったが、かといってトキに出来る事は何もない。その事を漸く分かってもらえたのか、ツキヒは力が抜けたようにしてストンと椅子に座った。
「きっと、手紙を送っても読んでもらえません」
「何でだ? ミスイとも仲良かったんだろ?」
「だって、ミスイちゃんから好きな人を奪ってしまったかも知れないんです」
「す、好きな人?」
「私、王子様の番になるかも知れないんです!」
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