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プロローグ
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空が晴れていた。雲は無く、視界を遮るものも無く、一面真っ青なだけののっぺりとした空。おかげで、その人が泣いていると分かった。
「ああ、信じられない……レオーネ、良かった……! お前にまた会えるなんて、俺は……っ」
右の肩だけがどんどん冷たくなっていく。
知らない声が僕に取りすがって泣いていた。
あなたは誰ですか?
そう、訊ねようとしたが声が出ない。やたらさめざめと泣くものだから背中を擦るくらいの事はしてやった方が良い気がしたのだが、生憎体も上手く動かなかった。
仕方なく目だけを動かした。栗色の髪が青空に映り込んで、途端に二次元的だった世界に凹凸が出来る。
「レオーネ!」
名前を呼ばれたのだと分かったけれど、答えなくてはという気にあまりなれない事に気付いた。
だってそれは多分、僕の名前じゃない。
そう思った瞬間、青空が消え始めた。違う。瞼を開けていられなくなっていく。それも当然だろう。声も出ないし体も動かないし、頭も上手く働かない。まだこの体は万全の状態じゃないんだとぼんやり考えるうちにも、視界と思考は幕が降りるように暗転していく。
「レオーネ!」
意識が途切れる寸前まで、男の人が涙混じりに僕じゃない誰かを呼ぶ声を聞いていた。
「ああ、信じられない……レオーネ、良かった……! お前にまた会えるなんて、俺は……っ」
右の肩だけがどんどん冷たくなっていく。
知らない声が僕に取りすがって泣いていた。
あなたは誰ですか?
そう、訊ねようとしたが声が出ない。やたらさめざめと泣くものだから背中を擦るくらいの事はしてやった方が良い気がしたのだが、生憎体も上手く動かなかった。
仕方なく目だけを動かした。栗色の髪が青空に映り込んで、途端に二次元的だった世界に凹凸が出来る。
「レオーネ!」
名前を呼ばれたのだと分かったけれど、答えなくてはという気にあまりなれない事に気付いた。
だってそれは多分、僕の名前じゃない。
そう思った瞬間、青空が消え始めた。違う。瞼を開けていられなくなっていく。それも当然だろう。声も出ないし体も動かないし、頭も上手く働かない。まだこの体は万全の状態じゃないんだとぼんやり考えるうちにも、視界と思考は幕が降りるように暗転していく。
「レオーネ!」
意識が途切れる寸前まで、男の人が涙混じりに僕じゃない誰かを呼ぶ声を聞いていた。
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