暗い水の中を壊して逃げていく

Me-ya

文字の大きさ
34 / 48
no more friends

1

しおりを挟む
-やった!!

やっとカレの元から逃げる事ができた。

ホッとした。

それが正直な気持ちだ。

明るくて、活動的なカレ。

大人しくて、部屋で本ばかり読んでいる陰キャな僕。

皆は僕達がいつも一緒にいるのを不思議がった。

幼馴染みだと言ったら、皆が納得した顔をする。

『………あ~、だから仲いいんだ』

そう言って。

中にはうらやましいといった嫉妬の目を向けてくるヤツも。

両親が親友同士で家が近所だからといって、その子供同士も仲良くしなければいけない決まりはないはずだ。

我が儘な僕が人気者のカレの後を追いかけて、面倒見のいいカレが幼馴染みの僕を見捨てる事ができずに仕方なく付き合っている、みたいに皆は思っていたみたいだけど。

冗談じゃない!!

振り回されていたのは僕の方だ!!

僕は昔から幼馴染みのカレに振り回されてばかりだった。

そして怒られるのはいつも何故か、僕の方。

明るくて活発で人気者だからといって皆がソイツを好きになるわけじゃない。

カレは何をするのにも、どこへ行くにも僕を連れて行った。

僕の気持ちなどお構いなしに、僕を巻き込む。

部屋の中で独りで本を読んでいる時間が好きな僕にとって、明るい外で皆と一緒にする虫取りやかくれんぼ、サッカーなどは苦痛以外の何ものでもなかった。

カレにとって僕の気持ちなどどうでもいいのだろうか。

………いや。

カレ自身に悪気はない。

それは分かっていた。

カレは僕を外に連れ出して皆と一緒に遊ぶ事が僕の為にいい事だと本気で信じていた。

自分が外で皆と遊ぶ事が楽しいから。

僕もそうだと信じて疑っていなかった。

その明るさ。

皆はそれを天真爛漫と言って笑って許していたけど。

僕には自分勝手にしか思えなかった。

そんな事、誰にも言えない。

両親はいつも家にこもりがちな僕を外に連れ出してくれるカレに感謝していたし、周りにいる人々は皆カレに好意を持っている人ばかり。

-誰にも言えないカレに対するXXX。

(いつになればカレから解放されるんだろう)

そんな事ばかり考える日々。

-でも。

彼を見た時。

彼を助けたいと思った。

僕と同じ。

いや。

僕より強く縛り付けられている彼を解放したいと。

その為には。

僕もカレから逃げないといけない。

カレからの解放をただぼんやりと待つんじゃなく、自分から。

行動を起こす。

そう、決意した。

その為には。

生け贄が必要。

天真爛漫な真っ白なカレを。

真っ暗な暗闇の中へ落とす事になっても。

許してくれるよね。

今まで僕を好き放題縛り付けてきたツケだと思って。

僕の本当の気持ちを知ろうとしなかったのが悪いんだからね。

-犠牲になってくれるよね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

処理中です...