50 / 170
50 問題は例のあれですよ!
しおりを挟む
天上界では、光の女神が勇者ムサシのヘタレぶりを観察していた。
「関わるなとは言ったけど、模擬戦もできないなんて、なんと情けない。
次の勇者を召喚しましょう。
うんとチートな特典をつけて」
光の女神が、ひきつった顔でつぶやいた。
光の女神は、スマホに似た魔道具を取り出した。
「召喚ガチャ、だいぶたまっているけど……。
わたくしはくじ運が悪いというか」
女神はガチャをひいて、カプセルを開け、候補者データを確かめる。
彼女に被召喚者候補を選ぶ権利はない。彼女は日本のカミトモ、アマテラスと「召喚協定」を結んでいる。
何かの事情で、最近死んだ日本人の情報が、カプセルに込められている。
不思議に、誰かを助けるため、居眠りトラックに跳ね飛ばされるというパターン確率が高い。
光の女神は、ガチャで出てきたリストの中から、アマテラスが候補に選んだ、被召喚者を決定することが可能だ。
ちなみに、日本でスマホゲームが流行る前には、おみくじを引いていた。
「なんと! 星マーク五つ!
超レア引き当てました!
ケンイチ以来ですね。
女ですか……。
いえ、身体能力は男にかなわないけど、対現魔王には適しています。
これに決めましょう」
光の女神は、超ご機嫌で召喚魔法を唱えた。
魔法陣の中から、若い女の子の霊体が出てきた。
「ようこそ!
沖田総子。
歓迎いたします」
きょろきょろと、あたりをうかがっていた女の子の霊体は、光の女神に注目。光の女神は、生身で直視できないほどまぶしいが、霊体なので問題ない。
「あの~、ここはどこでしょう?」
「惑星アンジェラ。地球と次元が近い星です」
「あの~……、トラックに、はねられた記憶があるんですけど。
子猫がやばそうだったので。
もしかして、あれですか?」
「そうです。異世界転移です。お約束のセリフ、言ってもいいですよ」
「見知らぬ天井だ?」
「あたりまえです。ここは天上界。天井なんてありません」
生真面目女神、精一杯の女神ギャグでした。
総子はガン無視する。
「で、私がやるべきことは、やっぱりお約束通りなんですか?」
「もちろんです!
魔王をやっつけちゃってください!」
光の女神は、もちろん空気なんて読まない。
「なるほど……。おそろしいほど、お約束通りなんですね?」
総子の魂は、虚脱して言う。
「あなたは剣道の達人です!
バッチリ加護、つけちゃいます!
いきなり無双のスキルはあれですが、成長したら魔王なんてちょちょいのちょい!」
「スキルの方はお任せします!
問題は、例のあれですよ!」
「例のあれ?」
「肉体改造です!
筋肉マッチョじゃないですよ!
女神様に、見違えるほど、美しい容貌と体を与えられる!
女の子にとって、最重要課題です!」
「あ~、それね……。
任せてください!」
今までの召喚者とは違った展開に、若干戸惑う光の女神だった。
「まずスキルを決定しましょう。
あなたは剣の天才。
剣聖スキルが基本でよろしいですか?」
女神が聞く。
「はい。それで」
総子はウムウムとうなずきながら答える。
「剣聖スキルに加え、一推しは太陽剣スキルです。
女の子ですから、魔力もバッチリサービスしておきましょう。
他には?」
「鑑定とか、マジックボックスが基本ですね?」
「マジックボックス、ね……。
私、時空魔法、それほど得意ではありませんが、がんばりましょう」
実は光の女神、自分が加護したミレーユに、密かなコンプレックスを持っていた。
あの子、夜空城直通のアイテムボックスを作ってしまった。あれは絶対ムリ!
劣化抑止とオートソート。ドーム球場程度の容量が限度だ。まあ、それでも国宝級以上の価値はある。文句はないだろう。
「それとですね……」
総子の注文は、かつてないほど無理筋だった。
光の女神はこう皮肉りたかった。
「ケーンの嫁になったら?」
あの男には、夜の女王とミレーユがついている。
なんだか悔しいです!
「関わるなとは言ったけど、模擬戦もできないなんて、なんと情けない。
次の勇者を召喚しましょう。
うんとチートな特典をつけて」
光の女神が、ひきつった顔でつぶやいた。
光の女神は、スマホに似た魔道具を取り出した。
「召喚ガチャ、だいぶたまっているけど……。
わたくしはくじ運が悪いというか」
女神はガチャをひいて、カプセルを開け、候補者データを確かめる。
彼女に被召喚者候補を選ぶ権利はない。彼女は日本のカミトモ、アマテラスと「召喚協定」を結んでいる。
何かの事情で、最近死んだ日本人の情報が、カプセルに込められている。
不思議に、誰かを助けるため、居眠りトラックに跳ね飛ばされるというパターン確率が高い。
光の女神は、ガチャで出てきたリストの中から、アマテラスが候補に選んだ、被召喚者を決定することが可能だ。
ちなみに、日本でスマホゲームが流行る前には、おみくじを引いていた。
「なんと! 星マーク五つ!
超レア引き当てました!
ケンイチ以来ですね。
女ですか……。
いえ、身体能力は男にかなわないけど、対現魔王には適しています。
これに決めましょう」
光の女神は、超ご機嫌で召喚魔法を唱えた。
魔法陣の中から、若い女の子の霊体が出てきた。
「ようこそ!
沖田総子。
歓迎いたします」
きょろきょろと、あたりをうかがっていた女の子の霊体は、光の女神に注目。光の女神は、生身で直視できないほどまぶしいが、霊体なので問題ない。
「あの~、ここはどこでしょう?」
「惑星アンジェラ。地球と次元が近い星です」
「あの~……、トラックに、はねられた記憶があるんですけど。
子猫がやばそうだったので。
もしかして、あれですか?」
「そうです。異世界転移です。お約束のセリフ、言ってもいいですよ」
「見知らぬ天井だ?」
「あたりまえです。ここは天上界。天井なんてありません」
生真面目女神、精一杯の女神ギャグでした。
総子はガン無視する。
「で、私がやるべきことは、やっぱりお約束通りなんですか?」
「もちろんです!
魔王をやっつけちゃってください!」
光の女神は、もちろん空気なんて読まない。
「なるほど……。おそろしいほど、お約束通りなんですね?」
総子の魂は、虚脱して言う。
「あなたは剣道の達人です!
バッチリ加護、つけちゃいます!
いきなり無双のスキルはあれですが、成長したら魔王なんてちょちょいのちょい!」
「スキルの方はお任せします!
問題は、例のあれですよ!」
「例のあれ?」
「肉体改造です!
筋肉マッチョじゃないですよ!
女神様に、見違えるほど、美しい容貌と体を与えられる!
女の子にとって、最重要課題です!」
「あ~、それね……。
任せてください!」
今までの召喚者とは違った展開に、若干戸惑う光の女神だった。
「まずスキルを決定しましょう。
あなたは剣の天才。
剣聖スキルが基本でよろしいですか?」
女神が聞く。
「はい。それで」
総子はウムウムとうなずきながら答える。
「剣聖スキルに加え、一推しは太陽剣スキルです。
女の子ですから、魔力もバッチリサービスしておきましょう。
他には?」
「鑑定とか、マジックボックスが基本ですね?」
「マジックボックス、ね……。
私、時空魔法、それほど得意ではありませんが、がんばりましょう」
実は光の女神、自分が加護したミレーユに、密かなコンプレックスを持っていた。
あの子、夜空城直通のアイテムボックスを作ってしまった。あれは絶対ムリ!
劣化抑止とオートソート。ドーム球場程度の容量が限度だ。まあ、それでも国宝級以上の価値はある。文句はないだろう。
「それとですね……」
総子の注文は、かつてないほど無理筋だった。
光の女神はこう皮肉りたかった。
「ケーンの嫁になったら?」
あの男には、夜の女王とミレーユがついている。
なんだか悔しいです!
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる