11 / 24
11 初めての狩り
しおりを挟む
ルカはカセツ五号機を装着し、ジャックと狩りに出かけた。あの両親は得体のしれない空飛ぶ乗り物で出かけた。遠出するのだろうと、ルカは見当をつけた。
得体がしれない、とルカが思うのは、音もたてず、プロペラやジェット噴射など、なにがしかの推進手段が見当たらなかったこと。
あれも帝国にない技術だ。多分。ルカはその手の知識に乏しいので、多分としか言えない。
「おっと、ファイティンボアの気配だ。
あいつの肉、うまいんだぜ!」
ジャックが通信機を通じて報告。ルカのヘッドディスプレイにも、赤い点が映った。確かにファイティンボアと表示された。
ジャックは感知系の装備を、付けていると思えない。何かの皮鎧と、腰に剣を差しているだけの軽装。どうしてわかったのだろうと、ルカは疑問に思った。
ちなみに、ジャックは青の点で示されている。
「了解です!」
ルカはそう答え、背中の大剣を抜く。
『足を切り落とした。
こっちへおいで』
ジャックが指示をとばす。
「了解」
ルカは簡潔に応え、ジャックに向けて走り出すと……。
「なんですか、これ!」
六本の足すべてを切り落とされた、ボア?が、フギュー、フギューと悲鳴を上げている。
「なんですか、と言われても、ファイティンボアだけど。
頸動脈を斬って、楽にしてやって」
体長五メートル以上はありそう。口には長い牙が二本。丸々と太っている。これがボアなんですか? 『危なくない魔物』ですか?
体当たりされたら、吹っ飛びますよ? あの牙が刺さったら……。想像したくない。
「苦しんでるから……」
「あっ、はい」
ルカはボアに歩み寄った。大剣を両手で八双に構え、首筋を目掛け……、ヒュン、ズバッ!
斬れちゃいましたね……。刃筋だけを意識したのだけど。ルカは侍女のたしなみとして、エリナとともに剣を習った。もちろん熱心な生徒ではなかったが、剣筋を整えることだけは厳しく指導された。
刃筋が合っていなければ、どんな名剣も単なる打撃武器になってしまうから。
剣のお稽古ではショートソードを使っていたが、カセツ五号機の腕力なら、重そうな大剣も軽く振れる。狙うべき位置も、ディスプレイで表示される。ひょっとしたら、五号機による何らかの補正がかかっているかもしれない。
ルカにとっては生まれて初めての戦闘。想像以上に簡単だった。自分の腕だと、絶対思いあがってはならない。湧き上がってくる全能感を抑え、自らに言い聞かせるルカだった。
「血液抽出! そんでもって氷結!」
ジャックは何かの魔法を放ったようだ。
「なんの魔法ですか?」
大体は想像がついたが、ルカは一応聞いてみた。
「血抜きと急速冷凍。狩の常識だね。
こいつ、捨てるところがないと言われてる。
あっと、ルカちゃん、魔法使える?」
「風属性と水属性は多少。
ジャックさんは?」
ルカは思わず敬称を付けてしまった。八十歳の師匠だし……。
「ジャックでいいよ。一応全属性持ち。
強くなった、っていう実感があるだろ?
それがステイタスアップの証だ」
なるほど、とルカは思った。あの全能感は、ステイタスがアップしたからか。
体中が熱くなる陶酔感。これはやめられない!
相手はでかすぎるからか、命を奪うことの忌避感も薄かった。
戦闘狂の道に、一歩踏み込んだルカだった。
ここで一つ断っておこう。この世界でステイタスを数値化する手段、例のヲタたちしか持っていない。しかもカセツ五号機から送られたデータで、推定するしかないのだ。
魔力も何度かのステイタスアップと実践分析により、数値化可能となる。
記者の特権で、あえて数値化すれば、ルカちゃんは、人族成人女子の平均値レベル1から、5にアップした感じ?
5は普通のダンジョンなら、ようやく「冒険者です」と、名乗れるレベル。20を超えたあたりから初心者卒業。50を越えたら人間卒業。レベルは上がるほどアップしにくくなるのは、RPGと同じ。
ちなみに、マッキンレー一家は、とっくに人間やめてます。
ルカちゃんの場合、普通の狩ではまずありえない、アップ率だと言っておこう。それほどコダカーラの魔物は強いのです!
ファイティングボアは、中級ダンジョンの階層ボス程度の実力です。
同様の戦闘を何度か重ね、ルカが初心者レベルを卒業しかけたころ……。
「ルカちゃんにはまずいな……。アーミーアーントの群れだ。
ハウスに逃げるよ!」
ジャックが指示を出した。ジャックが大きな魔法を放ったら、もちろん対処可能だが、ハウスの近辺はルカの修行のため荒らしたくない。
「いや~ん! 赤い点が……、数えきれない!
デインジャーの警告が出てる!」
ルカは鳥肌が立って立ちすくんだ。
「しょうがね~な。失礼」
ジャックはルカをお姫様抱っこ。一目散に逃げだす。
へへへ……、生まれて初めてのお姫様だっこ……。
ジャック、重くないのかな? 私は重さを感じないけど五号機装着してるし。
すごいスピード。乗り物に乗ってる感じ? 全然揺れない。
ジャックったら、超頼もしくてステキなんだから!
チョロインルカ、爆誕の予感。
ハウス主電脳内では……、
『こんなものでいいかな?』
『う~ん……、外見が、な?』
『外見は仕方ないでござろう?
超弩級戦艦並みの火力と装甲。
戦闘機並みの機動力。
豪華客船並みの居住性。
我々の自己満度八割は、達成しているでござる』
『ま、いいか……』
『ん、いいんじゃね?』
自重を知らない転生チートヲタたちは、わずか半日で物騒な宇宙船を作り上げていた。
『おい! エリナの船が。
宙賊に襲撃されるぞ!』
『まずいでござるな……』
『エリナちゃん、美人だよね?』
『美人だよね……。文句なくお姫様メインヒロインキャラだ』
『あの三人も乗ってるし、仕方ないでござるか……。
ミミ、ジャックとルカちゃんに、救助要請を出すでござる』
『了解ですにゃん!
ちょうど今帰ったところですにゃん。
ごしゅじんさま~!
事件ですにゃん!』
救難イベントフラグが、ビンビンに立った模様。
得体がしれない、とルカが思うのは、音もたてず、プロペラやジェット噴射など、なにがしかの推進手段が見当たらなかったこと。
あれも帝国にない技術だ。多分。ルカはその手の知識に乏しいので、多分としか言えない。
「おっと、ファイティンボアの気配だ。
あいつの肉、うまいんだぜ!」
ジャックが通信機を通じて報告。ルカのヘッドディスプレイにも、赤い点が映った。確かにファイティンボアと表示された。
ジャックは感知系の装備を、付けていると思えない。何かの皮鎧と、腰に剣を差しているだけの軽装。どうしてわかったのだろうと、ルカは疑問に思った。
ちなみに、ジャックは青の点で示されている。
「了解です!」
ルカはそう答え、背中の大剣を抜く。
『足を切り落とした。
こっちへおいで』
ジャックが指示をとばす。
「了解」
ルカは簡潔に応え、ジャックに向けて走り出すと……。
「なんですか、これ!」
六本の足すべてを切り落とされた、ボア?が、フギュー、フギューと悲鳴を上げている。
「なんですか、と言われても、ファイティンボアだけど。
頸動脈を斬って、楽にしてやって」
体長五メートル以上はありそう。口には長い牙が二本。丸々と太っている。これがボアなんですか? 『危なくない魔物』ですか?
体当たりされたら、吹っ飛びますよ? あの牙が刺さったら……。想像したくない。
「苦しんでるから……」
「あっ、はい」
ルカはボアに歩み寄った。大剣を両手で八双に構え、首筋を目掛け……、ヒュン、ズバッ!
斬れちゃいましたね……。刃筋だけを意識したのだけど。ルカは侍女のたしなみとして、エリナとともに剣を習った。もちろん熱心な生徒ではなかったが、剣筋を整えることだけは厳しく指導された。
刃筋が合っていなければ、どんな名剣も単なる打撃武器になってしまうから。
剣のお稽古ではショートソードを使っていたが、カセツ五号機の腕力なら、重そうな大剣も軽く振れる。狙うべき位置も、ディスプレイで表示される。ひょっとしたら、五号機による何らかの補正がかかっているかもしれない。
ルカにとっては生まれて初めての戦闘。想像以上に簡単だった。自分の腕だと、絶対思いあがってはならない。湧き上がってくる全能感を抑え、自らに言い聞かせるルカだった。
「血液抽出! そんでもって氷結!」
ジャックは何かの魔法を放ったようだ。
「なんの魔法ですか?」
大体は想像がついたが、ルカは一応聞いてみた。
「血抜きと急速冷凍。狩の常識だね。
こいつ、捨てるところがないと言われてる。
あっと、ルカちゃん、魔法使える?」
「風属性と水属性は多少。
ジャックさんは?」
ルカは思わず敬称を付けてしまった。八十歳の師匠だし……。
「ジャックでいいよ。一応全属性持ち。
強くなった、っていう実感があるだろ?
それがステイタスアップの証だ」
なるほど、とルカは思った。あの全能感は、ステイタスがアップしたからか。
体中が熱くなる陶酔感。これはやめられない!
相手はでかすぎるからか、命を奪うことの忌避感も薄かった。
戦闘狂の道に、一歩踏み込んだルカだった。
ここで一つ断っておこう。この世界でステイタスを数値化する手段、例のヲタたちしか持っていない。しかもカセツ五号機から送られたデータで、推定するしかないのだ。
魔力も何度かのステイタスアップと実践分析により、数値化可能となる。
記者の特権で、あえて数値化すれば、ルカちゃんは、人族成人女子の平均値レベル1から、5にアップした感じ?
5は普通のダンジョンなら、ようやく「冒険者です」と、名乗れるレベル。20を超えたあたりから初心者卒業。50を越えたら人間卒業。レベルは上がるほどアップしにくくなるのは、RPGと同じ。
ちなみに、マッキンレー一家は、とっくに人間やめてます。
ルカちゃんの場合、普通の狩ではまずありえない、アップ率だと言っておこう。それほどコダカーラの魔物は強いのです!
ファイティングボアは、中級ダンジョンの階層ボス程度の実力です。
同様の戦闘を何度か重ね、ルカが初心者レベルを卒業しかけたころ……。
「ルカちゃんにはまずいな……。アーミーアーントの群れだ。
ハウスに逃げるよ!」
ジャックが指示を出した。ジャックが大きな魔法を放ったら、もちろん対処可能だが、ハウスの近辺はルカの修行のため荒らしたくない。
「いや~ん! 赤い点が……、数えきれない!
デインジャーの警告が出てる!」
ルカは鳥肌が立って立ちすくんだ。
「しょうがね~な。失礼」
ジャックはルカをお姫様抱っこ。一目散に逃げだす。
へへへ……、生まれて初めてのお姫様だっこ……。
ジャック、重くないのかな? 私は重さを感じないけど五号機装着してるし。
すごいスピード。乗り物に乗ってる感じ? 全然揺れない。
ジャックったら、超頼もしくてステキなんだから!
チョロインルカ、爆誕の予感。
ハウス主電脳内では……、
『こんなものでいいかな?』
『う~ん……、外見が、な?』
『外見は仕方ないでござろう?
超弩級戦艦並みの火力と装甲。
戦闘機並みの機動力。
豪華客船並みの居住性。
我々の自己満度八割は、達成しているでござる』
『ま、いいか……』
『ん、いいんじゃね?』
自重を知らない転生チートヲタたちは、わずか半日で物騒な宇宙船を作り上げていた。
『おい! エリナの船が。
宙賊に襲撃されるぞ!』
『まずいでござるな……』
『エリナちゃん、美人だよね?』
『美人だよね……。文句なくお姫様メインヒロインキャラだ』
『あの三人も乗ってるし、仕方ないでござるか……。
ミミ、ジャックとルカちゃんに、救助要請を出すでござる』
『了解ですにゃん!
ちょうど今帰ったところですにゃん。
ごしゅじんさま~!
事件ですにゃん!』
救難イベントフラグが、ビンビンに立った模様。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる