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14 戦いの後
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皇室専用艦、貴賓室。
ジャックとルカは、エリナに招かれた。『少しお伺いしたいことがあります』だそうだ。ジャック的には絶対嫌だったが、ルカに拝み倒された。
困ったジャックは、母親に問い合わせた。
『要するに、ハウスへ入れなければいいの』だそうだ。ルカという嫁を半分いただいたジャックとしては、ある程度秘密を明かすのも、やむなしと腹をくくった。
考えてみたら、姉妹はオリオール星に移住する。そうなれば守り切れる秘密ではない。
ジャックはカッチカチでソファーに腰かけた。陽性コミュ障ジャックにとって、本物お姫様との対面はきつい。
お姫様は金髪碧眼。ルカと通じる印象がある。どちらが美人だともいえないが、ルカの方がジャック的には親しみやすい。
なんというか、隙がなさすぎ? 美貌にしろ、まとう気品にしろ。
お姫様の背後でしゃきっとたたずむ女性。銀髪で目は灰色。お姫様やルカとは、別路線の美貌。冷たく凛々しい美しさ、といえばいいだろうか。
ジャックはかなりできる、と見た。人間基準なら。
「疑問はいくつもありますが、まずお礼を。
この艦の危難に駆けつけてくださり、深く感謝いたします」
エリナは丁寧に頭を下げた。
「いや、俺は別に……。
俺付きのメイドが、あの船に押し込んで……」
ジャックは、しどろもどろ。
「私もわけがわからないまま、あの船に押し込まれました。
エリナ様のピンチだとは聞かされましたが」
ルカは困ったような顔で言う。実際彼女は困っている。自分には説明できることが何もないのだ。
「そう。問題はあの船です。
わたくしが差し上げた船、ですよね?」
ジャックとルカはコクコクとうなずく。
「だけど、『あの船』だとは、思えないのですが?」
「ハハハ、ですよね~~~!」
ジャックは、やけくそで笑った。
「どうなってるのですか?」
エリナは鋭い目で言う。
「どうなってるんでしょうね?
俺にもわかりません。
ルカちゃん、ハウスのこと説明して。君の知った範囲で」
お手上げジャックは、ルカに丸投げした。ルカもあのハウスの全貌を、知っているわけではない。説明者としては適任だ。
「ふ~~~、なんとコメントすればよいのやら……」
エリナは大きくため息をついた。恐ろしいほどの技術で生まれたハウス。そのハウスに偶然入れたから、あの星で生存が可能だったのだ。
「変な人、ハウスには受け入れませんよ。
絶対」
三姉妹を代表してリンが釘をさす。
「マッキンレー家というより、ハウス自体が受け付けませんね。
あの家は人を選びます」
エルが姉の言葉を補う。両親から交渉事はすべて任されている。武力は兄や姉にいささか劣るが、参謀的な資質が彼女には備わっている。ハウスの説明範囲も一任されている。
「そう…ですか。
たとえば、わたくしはどうでしょう?」
エリナは目の奥を光らせて言う。
「ハウスの基準はよくわからないですが、多分大丈夫じゃないでしょうか?」
エルが答える。姫様は善人と判断できる。とことんすれてない。それに、なんといっても超美人だし。ハウスのAIは、なぜだか美人に超弱いという属性を、エルは見抜いていた。
姉妹とジャックの待遇が、明らかに違うのだ。姉妹がおねだりしたら、ハウスのAIは、ほいほいとかなえてくれる。
ジャックや父親に対しては、必要以上の要求をはねつける。
「そうですか!
フィア、行きましょう!」
「ダメです!
絶対!」
プリンセスガードのすげない返事に、がっくりとうなだれるエリナだった。
『お話し中失礼します。
皇帝陛下から、通信が届きました。緊急通信回路をお使いになっておられます』
通信士から連絡。緊急通信回路とは、政治・軍事的に重大な連絡をとるときに使われる。最優先で届くから、一日のタイムラグで済む。
「傍受、記録は一切禁じます。
データを送りなさい」
『了解しました』
緊急通信回路で送られたデータは、受取先の最高権限者のみ開くことができる。つまり、現在はエリナしか開く権限がないのだ。
エリナが皇帝からの指示を読んだところ……、
「皇帝陛下のご命令です。
わたくしは第四皇女。たとえ死んでも、どうってことはないということです。
フィア、コダカーラへ行きますよ!」
「私たちはどうなるんですか!」
三姉妹を代表しリンが聞く。
「しばらく待ってもらうことになりますね。
あなたがたにとっては、二、三年なんて誤差の範囲でしょ?」
皇女の目は、やけにぎらついていた。
皇帝はエリナに密命を下したのだ。コダカーラに引き返し、彼らが生き延びた秘密を探れ。貞操をなげうってでも、任務を全うせよと。
ジャックとルカは、エリナに招かれた。『少しお伺いしたいことがあります』だそうだ。ジャック的には絶対嫌だったが、ルカに拝み倒された。
困ったジャックは、母親に問い合わせた。
『要するに、ハウスへ入れなければいいの』だそうだ。ルカという嫁を半分いただいたジャックとしては、ある程度秘密を明かすのも、やむなしと腹をくくった。
考えてみたら、姉妹はオリオール星に移住する。そうなれば守り切れる秘密ではない。
ジャックはカッチカチでソファーに腰かけた。陽性コミュ障ジャックにとって、本物お姫様との対面はきつい。
お姫様は金髪碧眼。ルカと通じる印象がある。どちらが美人だともいえないが、ルカの方がジャック的には親しみやすい。
なんというか、隙がなさすぎ? 美貌にしろ、まとう気品にしろ。
お姫様の背後でしゃきっとたたずむ女性。銀髪で目は灰色。お姫様やルカとは、別路線の美貌。冷たく凛々しい美しさ、といえばいいだろうか。
ジャックはかなりできる、と見た。人間基準なら。
「疑問はいくつもありますが、まずお礼を。
この艦の危難に駆けつけてくださり、深く感謝いたします」
エリナは丁寧に頭を下げた。
「いや、俺は別に……。
俺付きのメイドが、あの船に押し込んで……」
ジャックは、しどろもどろ。
「私もわけがわからないまま、あの船に押し込まれました。
エリナ様のピンチだとは聞かされましたが」
ルカは困ったような顔で言う。実際彼女は困っている。自分には説明できることが何もないのだ。
「そう。問題はあの船です。
わたくしが差し上げた船、ですよね?」
ジャックとルカはコクコクとうなずく。
「だけど、『あの船』だとは、思えないのですが?」
「ハハハ、ですよね~~~!」
ジャックは、やけくそで笑った。
「どうなってるのですか?」
エリナは鋭い目で言う。
「どうなってるんでしょうね?
俺にもわかりません。
ルカちゃん、ハウスのこと説明して。君の知った範囲で」
お手上げジャックは、ルカに丸投げした。ルカもあのハウスの全貌を、知っているわけではない。説明者としては適任だ。
「ふ~~~、なんとコメントすればよいのやら……」
エリナは大きくため息をついた。恐ろしいほどの技術で生まれたハウス。そのハウスに偶然入れたから、あの星で生存が可能だったのだ。
「変な人、ハウスには受け入れませんよ。
絶対」
三姉妹を代表してリンが釘をさす。
「マッキンレー家というより、ハウス自体が受け付けませんね。
あの家は人を選びます」
エルが姉の言葉を補う。両親から交渉事はすべて任されている。武力は兄や姉にいささか劣るが、参謀的な資質が彼女には備わっている。ハウスの説明範囲も一任されている。
「そう…ですか。
たとえば、わたくしはどうでしょう?」
エリナは目の奥を光らせて言う。
「ハウスの基準はよくわからないですが、多分大丈夫じゃないでしょうか?」
エルが答える。姫様は善人と判断できる。とことんすれてない。それに、なんといっても超美人だし。ハウスのAIは、なぜだか美人に超弱いという属性を、エルは見抜いていた。
姉妹とジャックの待遇が、明らかに違うのだ。姉妹がおねだりしたら、ハウスのAIは、ほいほいとかなえてくれる。
ジャックや父親に対しては、必要以上の要求をはねつける。
「そうですか!
フィア、行きましょう!」
「ダメです!
絶対!」
プリンセスガードのすげない返事に、がっくりとうなだれるエリナだった。
『お話し中失礼します。
皇帝陛下から、通信が届きました。緊急通信回路をお使いになっておられます』
通信士から連絡。緊急通信回路とは、政治・軍事的に重大な連絡をとるときに使われる。最優先で届くから、一日のタイムラグで済む。
「傍受、記録は一切禁じます。
データを送りなさい」
『了解しました』
緊急通信回路で送られたデータは、受取先の最高権限者のみ開くことができる。つまり、現在はエリナしか開く権限がないのだ。
エリナが皇帝からの指示を読んだところ……、
「皇帝陛下のご命令です。
わたくしは第四皇女。たとえ死んでも、どうってことはないということです。
フィア、コダカーラへ行きますよ!」
「私たちはどうなるんですか!」
三姉妹を代表しリンが聞く。
「しばらく待ってもらうことになりますね。
あなたがたにとっては、二、三年なんて誤差の範囲でしょ?」
皇女の目は、やけにぎらついていた。
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