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1話

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ここはミラベル学院、いわゆる金持ち校だ。エスカレータ式。学院の敷地は、山全体で、小学校、中学校は山の下に、高校からは山の上に通う。寮完備。
そのため、この学校ではカーストが絶対。至る所でイジメが起きている。
僕はそれらすべてを見ないふりして過ごしてきた。
高校でもそれは変わらないのだろう。
ため息を付きながら退屈な入学式を過ごした。
次の日、登校すると中学と全く同じ光景が広がっていた。
カースト上位の生徒が下位の生徒に魔法をぶつけたり、暴力を振るったり、犯したり、いつも通りの日常だ。
僕は幸いなことに伯爵家という家柄と顔の良さ、カースト上位とのほどほどの付き合いでカースト内では真ん中あたりの地位にいると思ってる。
お陰でイジメられることはない。
1、2限目は普通に受けたが、3限目で嫌になってサボる。
これも中学と変わらない。この学校はとにかく息が詰まる。
適当に校内を歩き、空き教室を見つけたのでここでサボる。
アイテムボックスから本を何冊か出して読みつつ、適当に時間を潰す。
両親に言われて無理やりこの学校に通っているがこんな学校、早く出ていきたい。
そんなことを考えながら僕は眠りに落ちていった。
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