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第08話 冒険者のルール
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ライルは今ギルドマスターから冒険者について色々学んでいた。
「良いかライル。まずはランクからだ」
冒険者にはランクがある。平民はどんなに才能があろうと必ずランクFから始まる。それに対し、貴族の家督を継げない子などはDから始まるのだそうだ。
「なんでかわかるか?」
「賄賂?」
「違うわっ!? 良いか、ライル。貴族は家督が継げなくても学院に入り戦いの基礎を学んでいるんだ」
「へぇ~。学院……」
「そうだ。そこで冒険に必要になりそうな知識や経験を学んでくるからランクDからのスタートとなる。対して一般人は金もなければ知識もない。だからどんなに戦闘の才能があろうとランクFから始まるんだ。さっきの新人冒険者が受付でもめていただろう?」
ライルはあの三人組を思い浮かべた。
「貴族ならあの程度の知識は入学一年目で習うんだ。あの笑っていた奴らな、ありゃ貴族の八男とその取り巻きだ。まぁそれなりの実力はあるが素行が悪くてな。ここ数年ずっとCランクなんだわ」
「ランクはいくつまであるんですか?」
「ランクはSまでだ。Fから始まりA、そしてその上がSだ。だが、Sもピンからキリまでいるぜ? ギリギリAみたいな者からぶっちぎりで強い奴までな。ランクSともなれば国から指名される事もあるんだ」
ライルは特に興味はなかったが、ランクSにはならないように気を付けようと決めた。ライルには国から依頼されて仕事をしている暇などないからである。
「他に決まり事とかありますか?」
「山ほどあるわ。まず……」
まとめるとこうだ。
・冒険者ギルド内でのスキル使用禁止
・冒険者ギルド内での闘争の禁止
・冒険者を陥れたり、手柄を横取りするのも禁止
・虚偽の報告の禁止
・ランクを傘にきてのパーティー勧誘の禁止
・パーティー強制加入の禁止
・以上の規則を破った場合、事情を問わず誰だろうとランクを一つ下げる
「へぇ~。結構厳しいですね。もっと自由な職業かと思ってました」
「自由だからこそ締める所は締めないとよ。暴徒の集まりになりかねないからな。そんなのは犯罪者と同じだ。このルールは貴族だろうが一般人だろうが全てに適用される。もちろんSランクにもだ」
「なるほど。所で……ランクはどうすれば上がるのですか?」
ギルドマスターは言った。
「そりゃ依頼をこなす事さ。FからEに上がるためにはどんな依頼でも良いから十回成功させる。で、EからDに上がるためにはEランクの依頼を十回連続で成功させる。失敗したら一からやり直しだ。そしてDからCに上がるためには盗賊の討伐が必須条件となっている。人を殺さなきゃCには上げられない。対人戦でビビってるようじゃその上で困る事になるからだ」
「上?」
「ああ。Bランクになると今度は護衛依頼を受けなければならなくなる。Bランクからは指名される事もあるからな。護衛依頼は難しいが実入りが良い。なにせ移動の際は依頼主が経費を全て負担してくれるからな。そして、護衛依頼や盗賊討伐などを繰り返し、実力があると証明できればAランクに上がれる」
「証明?」
「ああ。ギルドマスターとの一騎討ちだ。ここでギルドマスターが実力を認めたら晴れてAランク冒険者となれる」
ライルは考えた。
(なるほど。一番面倒が少ないのはCランクかな。国から徴兵されなくなるし、護衛依頼を受けて時間を割かれる事もない。ひとまずCランクまで上げられたら安心かな)
「お前、今Cランクまで上がったら人生楽勝とか思っただろ?」
「え?」
ギルドマスターはニヤリと笑った。
「それがさっき新人を笑ってやがった奴らだ。Cランクはよ、徴兵されなくなるが冒険者としちゃ一番半端なランクだ。それによ、一度は盗賊を殺ってるから復讐されちまうかもしれねぇんだ。奴らは強さに敏感だからな。Bランクまで上がっちまえばお偉いさんと繋がりがあると勘繰るのが悪党だ。Cランクでグダ巻いてる奴ぁ落ちこぼれと同じだ。大手を振って冒険者って名乗れんなぁBランクからなんだよ」
「そうですか……」
ギルドマスターは茶を飲み干しソファーから立ち上がる。
「まぁ、お前にも色々と事情があるのは村長から聞いてるがよ。何も一人で全部抱え込む事はねぇんだ」
「え?」
「冒険者ギルドはな、世界中に支部がある。その支部は全て転移ポータルで繋がってんだよ」
「えっ!? 転移!?」
ライルは驚いた。なぜならこの世界に転移はないと思っていたからだ。
「転移ポータルはな、古代ダンジョンから出土した魔道具なんだよ。それを錬金術師が解析、複製して冒険者ギルドにもたらしたんだ。だから、世界のどこでなにがあろうとすぐにわかる。他にも村長のスキル【念話】より便利な通信機なんてものもある。だからよ、焦らずまずは力をつけるんだ。お前、レベルは?」
「……まだ1のままです」
「だろ? そんなんでどうやって混沌から世界を守るんだよ。仮に今混沌が現れてもお前じゃ倒せないだろ?」
「……はい」
ライルはスキルだけでどうにかなるだろうと甘く考えていた。
(そうだよな……。はるか昔は正義、絶対防御、神聖気、次元穴の四人で辛くも追い払ったんだ。しかもレベルも凄く高かったはず。……甘かった!)
落ち込むライルの肩にギルドマスターが手を置いた。
「いつまで時間があるかわからねぇがよ、まずは自分を鍛えるんだ、ライル。そして仲間を見つけろ。一人じゃ無理でも仲間がいれば案外なんとかなるもんだぜ?」
「仲間……」
「そうだ。人間はな、何かを守ろうとする時はとんでもない力を発揮する生き物だ。それが愛する者のためならなおさらな。ま、独身の俺が言えた義理じゃねぇがな? がはははははっ」
ギルドマスターは独身だった。理由は見た目の厳つさだろうかと尋ねた瞬間にぼこぼこにされそうだからライルは口にしなかった。
ライルはギルドマスターの言葉を抱きソファーから立ち上がる。
「ありがとうございました! 今のお話で僕はまだちっぽけな存在に過ぎないと気付く事が出来ました!」
「おう」
「なので……とりあえずSランクを目指してみます!」
「おうっ……おう?」
ギルドマスターが固まった。
「お、お前……今Sランクって言ったか?」
「はいっ! 僕に出来る依頼は何でも受けます! そしてあっと言う間にSランクになってみせます! そしたら……自然と仲間も集まるような気がして……」
「……険しい道のりだぞ、Sランクはよ。才能だけじゃ辿り着けねぇ。運も必要になる。男が一度口にしたからにゃあ途中で投げ出すなよ?」
「はいっ!」
ギルドマスターは豪快に笑った。
「がははははははっ! なら、一階に行って依頼を受けてきな! ほら、これがお前のタグだ。これを虹色に変えて見せろよ?」
「はいっ! ありがとうございました!」
こうして、自分で未熟さを痛感したライルは一階に下り、依頼を探すのだった。
「良いかライル。まずはランクからだ」
冒険者にはランクがある。平民はどんなに才能があろうと必ずランクFから始まる。それに対し、貴族の家督を継げない子などはDから始まるのだそうだ。
「なんでかわかるか?」
「賄賂?」
「違うわっ!? 良いか、ライル。貴族は家督が継げなくても学院に入り戦いの基礎を学んでいるんだ」
「へぇ~。学院……」
「そうだ。そこで冒険に必要になりそうな知識や経験を学んでくるからランクDからのスタートとなる。対して一般人は金もなければ知識もない。だからどんなに戦闘の才能があろうとランクFから始まるんだ。さっきの新人冒険者が受付でもめていただろう?」
ライルはあの三人組を思い浮かべた。
「貴族ならあの程度の知識は入学一年目で習うんだ。あの笑っていた奴らな、ありゃ貴族の八男とその取り巻きだ。まぁそれなりの実力はあるが素行が悪くてな。ここ数年ずっとCランクなんだわ」
「ランクはいくつまであるんですか?」
「ランクはSまでだ。Fから始まりA、そしてその上がSだ。だが、Sもピンからキリまでいるぜ? ギリギリAみたいな者からぶっちぎりで強い奴までな。ランクSともなれば国から指名される事もあるんだ」
ライルは特に興味はなかったが、ランクSにはならないように気を付けようと決めた。ライルには国から依頼されて仕事をしている暇などないからである。
「他に決まり事とかありますか?」
「山ほどあるわ。まず……」
まとめるとこうだ。
・冒険者ギルド内でのスキル使用禁止
・冒険者ギルド内での闘争の禁止
・冒険者を陥れたり、手柄を横取りするのも禁止
・虚偽の報告の禁止
・ランクを傘にきてのパーティー勧誘の禁止
・パーティー強制加入の禁止
・以上の規則を破った場合、事情を問わず誰だろうとランクを一つ下げる
「へぇ~。結構厳しいですね。もっと自由な職業かと思ってました」
「自由だからこそ締める所は締めないとよ。暴徒の集まりになりかねないからな。そんなのは犯罪者と同じだ。このルールは貴族だろうが一般人だろうが全てに適用される。もちろんSランクにもだ」
「なるほど。所で……ランクはどうすれば上がるのですか?」
ギルドマスターは言った。
「そりゃ依頼をこなす事さ。FからEに上がるためにはどんな依頼でも良いから十回成功させる。で、EからDに上がるためにはEランクの依頼を十回連続で成功させる。失敗したら一からやり直しだ。そしてDからCに上がるためには盗賊の討伐が必須条件となっている。人を殺さなきゃCには上げられない。対人戦でビビってるようじゃその上で困る事になるからだ」
「上?」
「ああ。Bランクになると今度は護衛依頼を受けなければならなくなる。Bランクからは指名される事もあるからな。護衛依頼は難しいが実入りが良い。なにせ移動の際は依頼主が経費を全て負担してくれるからな。そして、護衛依頼や盗賊討伐などを繰り返し、実力があると証明できればAランクに上がれる」
「証明?」
「ああ。ギルドマスターとの一騎討ちだ。ここでギルドマスターが実力を認めたら晴れてAランク冒険者となれる」
ライルは考えた。
(なるほど。一番面倒が少ないのはCランクかな。国から徴兵されなくなるし、護衛依頼を受けて時間を割かれる事もない。ひとまずCランクまで上げられたら安心かな)
「お前、今Cランクまで上がったら人生楽勝とか思っただろ?」
「え?」
ギルドマスターはニヤリと笑った。
「それがさっき新人を笑ってやがった奴らだ。Cランクはよ、徴兵されなくなるが冒険者としちゃ一番半端なランクだ。それによ、一度は盗賊を殺ってるから復讐されちまうかもしれねぇんだ。奴らは強さに敏感だからな。Bランクまで上がっちまえばお偉いさんと繋がりがあると勘繰るのが悪党だ。Cランクでグダ巻いてる奴ぁ落ちこぼれと同じだ。大手を振って冒険者って名乗れんなぁBランクからなんだよ」
「そうですか……」
ギルドマスターは茶を飲み干しソファーから立ち上がる。
「まぁ、お前にも色々と事情があるのは村長から聞いてるがよ。何も一人で全部抱え込む事はねぇんだ」
「え?」
「冒険者ギルドはな、世界中に支部がある。その支部は全て転移ポータルで繋がってんだよ」
「えっ!? 転移!?」
ライルは驚いた。なぜならこの世界に転移はないと思っていたからだ。
「転移ポータルはな、古代ダンジョンから出土した魔道具なんだよ。それを錬金術師が解析、複製して冒険者ギルドにもたらしたんだ。だから、世界のどこでなにがあろうとすぐにわかる。他にも村長のスキル【念話】より便利な通信機なんてものもある。だからよ、焦らずまずは力をつけるんだ。お前、レベルは?」
「……まだ1のままです」
「だろ? そんなんでどうやって混沌から世界を守るんだよ。仮に今混沌が現れてもお前じゃ倒せないだろ?」
「……はい」
ライルはスキルだけでどうにかなるだろうと甘く考えていた。
(そうだよな……。はるか昔は正義、絶対防御、神聖気、次元穴の四人で辛くも追い払ったんだ。しかもレベルも凄く高かったはず。……甘かった!)
落ち込むライルの肩にギルドマスターが手を置いた。
「いつまで時間があるかわからねぇがよ、まずは自分を鍛えるんだ、ライル。そして仲間を見つけろ。一人じゃ無理でも仲間がいれば案外なんとかなるもんだぜ?」
「仲間……」
「そうだ。人間はな、何かを守ろうとする時はとんでもない力を発揮する生き物だ。それが愛する者のためならなおさらな。ま、独身の俺が言えた義理じゃねぇがな? がはははははっ」
ギルドマスターは独身だった。理由は見た目の厳つさだろうかと尋ねた瞬間にぼこぼこにされそうだからライルは口にしなかった。
ライルはギルドマスターの言葉を抱きソファーから立ち上がる。
「ありがとうございました! 今のお話で僕はまだちっぽけな存在に過ぎないと気付く事が出来ました!」
「おう」
「なので……とりあえずSランクを目指してみます!」
「おうっ……おう?」
ギルドマスターが固まった。
「お、お前……今Sランクって言ったか?」
「はいっ! 僕に出来る依頼は何でも受けます! そしてあっと言う間にSランクになってみせます! そしたら……自然と仲間も集まるような気がして……」
「……険しい道のりだぞ、Sランクはよ。才能だけじゃ辿り着けねぇ。運も必要になる。男が一度口にしたからにゃあ途中で投げ出すなよ?」
「はいっ!」
ギルドマスターは豪快に笑った。
「がははははははっ! なら、一階に行って依頼を受けてきな! ほら、これがお前のタグだ。これを虹色に変えて見せろよ?」
「はいっ! ありがとうございました!」
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