スキルで快適！異世界ライフ(笑)

第8章 国内平定編

13 マグート領制覇

    バニラとの毎日を１週間程楽しんだレンは、ホテルを解体し、ルナマグートのバニラ宅を訪れていた。

「そんな理由で娘は貰うぞ町長。本当にティルナノーグには移らないんだな？」

「ええ、私達はこの土地が好きですから。それと…娘が選んだ方なら文句はありませんよ。どうか、大事にしてやって下さい。」

「パパ、ありがとう…。私っ、幸せになるっ！あの時助けて貰えなかったら今頃野盗達に犯され、奴隷落ちしてたかもしれないもの…。だから…今はとても幸せ♪」

    町長は心から娘の幸せを感謝していたようだ。バニラとの子供が産まれたら是非連れて来てくれと言われたので、１０ヶ月待てばまたくると言い、町長宅を後にした。

「じゃあ…行きましょうか、旦那様？ふふっ。」

「あぁ、帰ろうか。ティルナノーグへ。転移！」

    レンはティルナノーグへと戻った。

「戻ったぞ、エリザ。変わり無いか？」

「あら、遅かったですわね、レン様。こちらは特に問題ありませんでしたが…、そちらの方は？」

「初めまして、ルナマグート町長の娘でバニラと申します。この度レン様に助けられ、嫁いで参りました。これからよろしくお願い致します。」

    と、バニラは頭をさげる。

「あらあら、新しい妻ですか。レンさんもお元気ですわね。」

「当たり前だ。それより、子供達は元気か？名前をつけてやらなきゃな…。」

「えぇ、五人とも新生児ルームから出ました。今は育児ルームでマリンさんに見てもらっています。」

    レンは妻達を連れ、育児ルームへ行く。

「あら、ご主人様…とバニラ様！？…何故？」

「私レン様と結婚しちゃった♪またよろしくね、マリン。」

「は、はい！バニラ様！」

    レンは子供達を見ていた。そして名前をつけていく。

「エリザ、この子は男がだから、アンセムとつける。」

「セシリー、この子は君に似てとても可愛い女の子だな。ジュリアとつける。」

「ミリム、君との子も女の子か。可愛いな、ミリムに似て賢そうだ。ファラとつける。」

「エレン、君との子は男の子だな。俺に似て…るか？リュートとつける。」

「最後にメルゥ…。っと、良く産んでくれた。嬉しいぞ。君との子は男の子だな。強く生きれる様、アーレスとつけよう。」

    レンは最後に全員に向けて言う。

「お前達、この子達を守ってやってくれ。無いとは思うが、俺のスキルが遺伝するかもしれない。もし、変な感じがしたら教えてくれ、早急に対処する。皆で幸せになれる様に国内を纏めるから、もう少しだけ、時間をくれ。」

「暮らすなら平和な方がいいもの…。頑張ってレンさん。」

    妻達は励ましてくれた。一緒に居たいだろうに。レンは改めて思った。もうちょっとだけ急ごうと。

「次はヒュース領へ行く。かつての独裁政治の爪痕が深く残って無ければいいが…。」

「あぁ、あそこの豚は醜かったですわねぇ…。」

「なるほど、少し急いだ方が良さそうだな。場所はと…。」

    レンは地図を確認する。なるほど、チェアド村に行く前の分かれ道を反対に行けばヒュース領の【ラジット村】があるのか。

「じゃあ、行ってくる！何かあったら直ぐに知らせてくれ。」

「はいっ！いってらっしゃいませ、旦那様！」

「うむ、転移っ！」

    レンはチェアド村との分かれ道まで転移した。

「うむ、こっちがチェアドだからあちらか。」

    レンはラジット村へ向けて歩き始めた。