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第1章 始まりの章
29 最下層にて
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枢はゆっくりと最後のフロアに繋がる扉を開いていった。
「ぬっ!?凄い圧じゃ!枢っ!」
「え?マジ?全然普通だけど?」
どうやら枢以外には立っているのも辛い位の重圧が掛かっている様だった。
「このプレッシャーの中で平気だなんて…、枢も大概でだな…。」
「エクレール、お前バカにしてんのか!?こんなプレッシャー、邪神に比べりゃ赤子同然…あ。」
邪神と言う言葉に魔王がぴくりと反応を示した。
「枢、帰ったら話を聞かせて貰うぞ?嘘を吐いたら魔族全部が敵に回ると思えな?」
「くそ…口が滑った…。仕方無い…、話せる範囲でな。さて、【遮断結界】!」
枢は魔王達に全ての攻撃を遮断する結界を張った。
「あ…、楽になった。」
「結界を張った。その中から絶対出るなよ?当たったら死ぬからな?」
「…ん。」
枢は魔王達を扉の前に残し、奥へと向かった。
「ふ~ん…ラスボスは狂龍か。自我を失っているな。話は通じなさそうだ。」
《グルアァァァァァァァァオッ!!!》
枢の姿を発見した龍は丸まった状態から立ち上がり、口を大きく開いて威圧を放った。
「ま、100階程度ならこんなモンか。さて…俺も忙しいからな。サクッと終わらせてやるよ。来な?」
枢は龍に向かって腕を伸ばしくいっと来いアピールをし挑発した。
《グウゥゥゥ…!!ガァァァァァァッ!!!》
「あ、危ないっ!!?」
狂龍は両翼をバサッと開き、凄まじい速さで枢に向かって突進しつつ、右腕を振り下ろす。
「おっと。手癖わりぃな。」
「「「う、受け止めた!?」」」
《グガァァァァァッ!!?》
「こんな悪い腕はいらんよな?【フレアバースト】!」
ボガァァァァァァァァァン!!!
《グギィィィィィィィィィッ!!?》
「う、腕を翼ごと吹き飛ばした…だと!?相手は龍だぞ!?しかも…自我を失って凶暴化した龍をあんなアッサリと…!」
右腕と右翼を吹き飛ばされた龍は一瞬怯み、後ろへと下がる。
「おいおい、逃げるなよ。戦うんだろっ!来いやっ!」
今度は枢が龍を威圧した。
《ギギイッ!?ギ…ギィィィィィィッ!!》
龍は枢の圧に負け、残った左腕と左翼で身体を守る様に防御を固めた。
「マジかよ、あれだけで怯えちまったのか?やれやれ…期待外れも良いトコだぜ。ガードした所で無駄だって分かってんだろ?あぁっ!?【フレアバースト】!!」
枢はもう一度魔法を放ち、今度は左腕と左翼を吹き飛ばしてやった。
「ま、丸で相手にならないっ!枢…あんなに強かったのか!?」
「…恐らく…あれでも全然本気じゃなかろう…。先程邪神と奴は言った。もし…邪神を倒したと言うなら…あんな龍ごとき…赤子の手を捻る様なモノじゃ。…妾なぞ足元すら見えんわ…。バケモノじゃよ…。」
魔王達が枢の力に驚く中、枢は龍の首を掴み締め上げていた。
「お前に恨みは無いが…これもダンジョンを破壊する為だ。今楽にしてやるよ。食らえっ!【バーストナックル】!!」
枢は燃え盛る左拳を、龍の腹にある核目掛けて撃ち込んでやった。すると、触れた先から龍の腹は開いていき、最終的には向こう側の景色が見える様になっていた。
《ギ…ギグゥゥゥゥ………………》
狂龍は腹に風穴を開けられ、その命を終えた。核を失った狂龍は身体を維持出来ず、その場に崩れ去った。
「ま、こんなもんだろ。」
手に付いた龍の血を払い、枢は魔王達の所へと戻り結界を解除した。
「枢…鬼強。」
「おう、ま…ほとんど力を出しちゃいないがな。惚れたか?」
「…濡れた。後で確かめる?」
「ふむ…。取り敢えず帰ってからだな。ダンジョンコアを破壊して帰ろうぜ。」
「ん。早く…。」
枢は抱きついてくる魔風姫を背中に背負いながら更に奥にあるコアの所に向かって歩いていく。
「枢は…魔族好き?」
「そりゃあ…勿論だ。愛してると言っても過言ではないな。」
「愛して…ふひっ♪」
背中で魔風姫が変な笑い声をあげていた。
「お、あった。魔王、お前が壊すか?」
「ん?良いのか?ダンジョンコアを破壊すると大量の経験値が得られるのじゃぞ?」
「俺はもう十分強いからな。経験値はお前にやるよ。ほれ。さっさと壊して帰ろうぜ。」
「…うむ。はぁっ!!」
魔王はダンジョンコアを両手で挟み、魔力を込めてこれを破壊した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…。
「崩壊が始まったな。さて、帰りますか。皆、俺に捕まれ。」
「「えいっ♪」」
「む、わ、妾がし、正面かっ!ええいっ…!」
背中に魔風姫、右に魔水姫、左に魔雷姫、そして正面に魔王が抱きついたのを確認し、枢はダンジョンから砦へと転移した。
「ほい、到着っと。お前ら、もう離れて良いぞ?」
枢は皆にそう言ったが、誰1人離れようとしなかった。それどころか、皆が枢に身体を擦り付ける様にしがみついていた。
「…枢よ、妾の身体に硬~いモノが当たっとるのじゃが?」
「…そりゃ当然の反応だろうよ。身体中に抱きつかれてんだ…。あ、ちょっ!?」
「ふふっ、主も男よのぉ。ダンジョンを破壊する事が出来たのは主のお陰じゃ。お礼と言っては何じゃが…ちょうど寝室の様じゃし…、妾達がたっぷりと相手になってやろうではないか…♪」
「魔王様、最初は私。」
「ならんっ!最初は妾じゃ!この者の種は妾が貰う!お前達はその後じゃ。異論は認めんっ!」
「「「魔王様ぁ、ズルいですよぉ!」」」
それから枢は4人にたっぷりと搾られるのであった。バルフレア達が部屋に来たのは魔王達が5巡した後であったと言う。
「く、枢…殿?それに…魔王様!?い、いつから!?」
「おう、バルフレア、アイリーン…。ダンジョン破壊して来たわ。取り敢えず…この4人、剥がしてくれ…。」
「うわぁ……、何回やったのよ…。全員ドロドロじゃない…。こんなちっちゃい子まで…。」
「だ、だれが…ちっちゃい…子じゃ…!わ、妾は魔王…ミストラル…ぞ…!はふぅ…♪」
「く、枢っ!?あんた…魔王までやっちゃったの!?」
「おぉ、こいつが一番激しかったわ…。」
それから2人で枢から4人を剥ぎ取っていった。全員ぐったりしていて実に苦労した。
「んん~っ!終わったぁぁぁっ!」
「お疲れ様、ラスボスは何だった?」
「狂った龍。俺以外じゃ相手にもならなかったわ。お前来なくて正解だったかもな。」
「…行かなくて良かったわ…。」
こうして、枢のダンジョン攻略は一先ず区切りがついたのであった。
「ぬっ!?凄い圧じゃ!枢っ!」
「え?マジ?全然普通だけど?」
どうやら枢以外には立っているのも辛い位の重圧が掛かっている様だった。
「このプレッシャーの中で平気だなんて…、枢も大概でだな…。」
「エクレール、お前バカにしてんのか!?こんなプレッシャー、邪神に比べりゃ赤子同然…あ。」
邪神と言う言葉に魔王がぴくりと反応を示した。
「枢、帰ったら話を聞かせて貰うぞ?嘘を吐いたら魔族全部が敵に回ると思えな?」
「くそ…口が滑った…。仕方無い…、話せる範囲でな。さて、【遮断結界】!」
枢は魔王達に全ての攻撃を遮断する結界を張った。
「あ…、楽になった。」
「結界を張った。その中から絶対出るなよ?当たったら死ぬからな?」
「…ん。」
枢は魔王達を扉の前に残し、奥へと向かった。
「ふ~ん…ラスボスは狂龍か。自我を失っているな。話は通じなさそうだ。」
《グルアァァァァァァァァオッ!!!》
枢の姿を発見した龍は丸まった状態から立ち上がり、口を大きく開いて威圧を放った。
「ま、100階程度ならこんなモンか。さて…俺も忙しいからな。サクッと終わらせてやるよ。来な?」
枢は龍に向かって腕を伸ばしくいっと来いアピールをし挑発した。
《グウゥゥゥ…!!ガァァァァァァッ!!!》
「あ、危ないっ!!?」
狂龍は両翼をバサッと開き、凄まじい速さで枢に向かって突進しつつ、右腕を振り下ろす。
「おっと。手癖わりぃな。」
「「「う、受け止めた!?」」」
《グガァァァァァッ!!?》
「こんな悪い腕はいらんよな?【フレアバースト】!」
ボガァァァァァァァァァン!!!
《グギィィィィィィィィィッ!!?》
「う、腕を翼ごと吹き飛ばした…だと!?相手は龍だぞ!?しかも…自我を失って凶暴化した龍をあんなアッサリと…!」
右腕と右翼を吹き飛ばされた龍は一瞬怯み、後ろへと下がる。
「おいおい、逃げるなよ。戦うんだろっ!来いやっ!」
今度は枢が龍を威圧した。
《ギギイッ!?ギ…ギィィィィィィッ!!》
龍は枢の圧に負け、残った左腕と左翼で身体を守る様に防御を固めた。
「マジかよ、あれだけで怯えちまったのか?やれやれ…期待外れも良いトコだぜ。ガードした所で無駄だって分かってんだろ?あぁっ!?【フレアバースト】!!」
枢はもう一度魔法を放ち、今度は左腕と左翼を吹き飛ばしてやった。
「ま、丸で相手にならないっ!枢…あんなに強かったのか!?」
「…恐らく…あれでも全然本気じゃなかろう…。先程邪神と奴は言った。もし…邪神を倒したと言うなら…あんな龍ごとき…赤子の手を捻る様なモノじゃ。…妾なぞ足元すら見えんわ…。バケモノじゃよ…。」
魔王達が枢の力に驚く中、枢は龍の首を掴み締め上げていた。
「お前に恨みは無いが…これもダンジョンを破壊する為だ。今楽にしてやるよ。食らえっ!【バーストナックル】!!」
枢は燃え盛る左拳を、龍の腹にある核目掛けて撃ち込んでやった。すると、触れた先から龍の腹は開いていき、最終的には向こう側の景色が見える様になっていた。
《ギ…ギグゥゥゥゥ………………》
狂龍は腹に風穴を開けられ、その命を終えた。核を失った狂龍は身体を維持出来ず、その場に崩れ去った。
「ま、こんなもんだろ。」
手に付いた龍の血を払い、枢は魔王達の所へと戻り結界を解除した。
「枢…鬼強。」
「おう、ま…ほとんど力を出しちゃいないがな。惚れたか?」
「…濡れた。後で確かめる?」
「ふむ…。取り敢えず帰ってからだな。ダンジョンコアを破壊して帰ろうぜ。」
「ん。早く…。」
枢は抱きついてくる魔風姫を背中に背負いながら更に奥にあるコアの所に向かって歩いていく。
「枢は…魔族好き?」
「そりゃあ…勿論だ。愛してると言っても過言ではないな。」
「愛して…ふひっ♪」
背中で魔風姫が変な笑い声をあげていた。
「お、あった。魔王、お前が壊すか?」
「ん?良いのか?ダンジョンコアを破壊すると大量の経験値が得られるのじゃぞ?」
「俺はもう十分強いからな。経験値はお前にやるよ。ほれ。さっさと壊して帰ろうぜ。」
「…うむ。はぁっ!!」
魔王はダンジョンコアを両手で挟み、魔力を込めてこれを破壊した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…。
「崩壊が始まったな。さて、帰りますか。皆、俺に捕まれ。」
「「えいっ♪」」
「む、わ、妾がし、正面かっ!ええいっ…!」
背中に魔風姫、右に魔水姫、左に魔雷姫、そして正面に魔王が抱きついたのを確認し、枢はダンジョンから砦へと転移した。
「ほい、到着っと。お前ら、もう離れて良いぞ?」
枢は皆にそう言ったが、誰1人離れようとしなかった。それどころか、皆が枢に身体を擦り付ける様にしがみついていた。
「…枢よ、妾の身体に硬~いモノが当たっとるのじゃが?」
「…そりゃ当然の反応だろうよ。身体中に抱きつかれてんだ…。あ、ちょっ!?」
「ふふっ、主も男よのぉ。ダンジョンを破壊する事が出来たのは主のお陰じゃ。お礼と言っては何じゃが…ちょうど寝室の様じゃし…、妾達がたっぷりと相手になってやろうではないか…♪」
「魔王様、最初は私。」
「ならんっ!最初は妾じゃ!この者の種は妾が貰う!お前達はその後じゃ。異論は認めんっ!」
「「「魔王様ぁ、ズルいですよぉ!」」」
それから枢は4人にたっぷりと搾られるのであった。バルフレア達が部屋に来たのは魔王達が5巡した後であったと言う。
「く、枢…殿?それに…魔王様!?い、いつから!?」
「おう、バルフレア、アイリーン…。ダンジョン破壊して来たわ。取り敢えず…この4人、剥がしてくれ…。」
「うわぁ……、何回やったのよ…。全員ドロドロじゃない…。こんなちっちゃい子まで…。」
「だ、だれが…ちっちゃい…子じゃ…!わ、妾は魔王…ミストラル…ぞ…!はふぅ…♪」
「く、枢っ!?あんた…魔王までやっちゃったの!?」
「おぉ、こいつが一番激しかったわ…。」
それから2人で枢から4人を剥ぎ取っていった。全員ぐったりしていて実に苦労した。
「んん~っ!終わったぁぁぁっ!」
「お疲れ様、ラスボスは何だった?」
「狂った龍。俺以外じゃ相手にもならなかったわ。お前来なくて正解だったかもな。」
「…行かなくて良かったわ…。」
こうして、枢のダンジョン攻略は一先ず区切りがついたのであった。
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