俺のスキル『アイテム図鑑』が優秀すぎる!

夜夢

文字の大きさ
14 / 17
第1章 転生

第14話 トリスタン王国代表

しおりを挟む
 五対一の戦いですら難なくこなしたリクトは大いに観客を沸かせ、今自国の王である【モーリス・シェラザード】国王ともう一人、モニカとシリルの父である【ルイス・グレーソン】公爵に呼び出され、王族専用の宿の一室にいた。

 まずグレーソン公爵がリクトに尋ねた。

「あ~……リクト君だったか。話によると君は家のモニカを孕ませた上にシリルとも関係をもっているとか……」 
「事実ですよ。他にもミゲルさんとこの末娘のキャルも孕ませてますし、付き人のルーシアと……最近学園長も抱きました」
「節操ないな!? いや、あれだけの力があるなら……」

 そこに国王が混じる。

「良いではないか。万年最下位である我が国が今年は二位確定じゃ。それにミゲルとは深い付き合いがあり、ニュータウンの件でも彼には世話になっておる」
「あの件ですか。しかし国王……」
「良いではないか。モニカやシリル以外にも子はいるじゃろうて。どこぞに嫁に出すより彼に任せておけば安心じゃないか?」
「……はっ」

 そこで国王が指を鳴らす。すると室内に二人の女の子が入ってきた。驚いた事に同じ顔と容姿だ。

「リクト君。左が双子の姉【アーリー・シェラザード】で右が妹の【グレース・シェラザード】じゃ。どうじゃ、可愛いじゃろ?」
「は、はあ……」

 国王はニヤリと笑い、リクトに言った。

「この二人を君に授けよう」
「……はい?」
「我が国は人材不足でな……。君の力が必要なのじゃよ」
「俺は女じゃ落ちませんよ?」
「そうかの? まあ一晩貸しだそう。ゆっくり味わい明日の朝答えを聞かせてくれれば良い。アーリー、グレース。遠慮なくやるのじゃ」
「「はいっ!」」 

 そのまま部屋にはリクトと双子姉妹が残された。そして三人になった瞬間に双子は裸になりリクトに抱きついた。

「リクト様、私達はまだ成人前です」
「え?」
「リクト様、私達は初めてでございます」
「まあ……王女ならそうだよね」
「あの……これ……、硬くなってます……」
「……良いんだな? 俺は遠慮なく抱くぞ?」
「「はい。私達はリクト様に抱かれるために参りました。未熟な身体ですがどうぞ」」

 扉の向こうにまで王女二人の喜ぶ声が響き渡る。

「陛下、なにもあの二人を差し出さずとも……」
「あやつの好みがわからんかったのでな。モニカ、シリルを抱いた事しか情報がなかったのだ。まさかあのイシス学園長にまで手を出していたとは……」
「彼の場合見境なしな気もしますが」
「うむ。あの力は国のために必要じゃ。女で引き留められるならいくらでもあてがうぞ。ついでにワシ一番の悩みの種であるあやつもあてがうか……」
「第一王女様をですか? あれはさすがに彼でも嫌がるのでは……」
「どうかのう……。見た目だけは国一番じゃからの」

 そうして国王と公爵は扉の側を離れていき、翌朝。

「可愛かったぞ二人とも」
「リクト様……もっと~」
「私の方が一回少ないです」
「続きは試合を片付けてからだ。サクッと終わらせて来るから身体を綺麗にしておきな」
「「はいっ」」

 そして試合会場に向かい、前回優勝国であるトリスタン王国代表と対面する。

「それでは第二試合を行います。形式は勝ち抜き戦、魔法の使用は禁止。剣技のみでの試合となります。先鋒前へ!」

 ステージにリクトとトリスタン王国の代表が上がる。

「やはりお前が先鋒か。ここでお前を倒せば我らの勝ちだ」
「俺が先鋒ってバレてたか。あんた代表だろ? いきなり負ける事になるが良いのか?」
「我ら五人の力は拮抗している。私が負けても残る四人がお前を倒すだろう」
「そう上手くいくかね? 力の差ってもんを教えてやるよ」

 そして審判の合図と共に、ステージの上に激しく火花   が散る。

「はぁぁぁぁぁっ!」
「……ふ~ん。ほれ、隙だらけだ」
「ぐはっ!?」

 リクトは剣にばかり集中していた相手の腹に蹴りをぶち込んだ。相手はステージ中央から端まで吹き飛び意識を失った。

「まだまだだな」

 その時だった。トリスタン側の選手から物言いが入った。

「し、失格だ! 今のは体術だろう! これは剣技のみの試合だ!」
「はあ?」

 会場がどよめく。

「剣技で勝てないからって体術を使うなどと! この卑怯者め!」
「そうだそうだ!」

 そしてトリスタン王国の民からブーイングが始まる。

「リクト選手失格のため──」
「待てよ」
「はい?」

 リクトは審判を睨んだ。

「今の技は剣技だ」
「はい?」
「ふざけるな! 蹴っただろっ!」
「わかってねぇな。今のは技の入りだ」
「「「「入り?」」」」

 リクトは今の蹴りについて説明してやった。 

「本来はあの蹴りで身体が折れた所で首を斬り落とす技なんだよ。だが……お前らの代表とやらはその入りにも耐えきれず吹き飛んだ。まさかここまで弱いとは思わなくてな」
「な、なんだと!」
「証明してやるからトリスタンの騎士でも呼んできな。そいつが俺に勝ったらシェラザードの負けで良い」
「言ったな! 学園生が本物の騎士に敵うかっ!」

 そしてトリスタン王国側から騎士団長が送られ、ステージ上でリクトの言った通りの技が決まった。

「刃を潰してなきゃそいつは死んでたな。あ、アバターだから死なないか。だが……首の骨を折ってやった。しばらく起きないだろうよ」
「「「「う、嘘だろ……そんな……」」」」

 こうしてリクトの蹴りは剣技だったと判定され、トリスタン王国側は国内最強の騎士が目の前で何もできずに敗北した様を見て全員戦意を失った。

「こ、今年の優勝国はシェラザード王国となります! 他を寄せ付けない圧倒的なまでの戦いぶりでした! ではシェラザード王国国王よりお言葉を!」

 来賓席にいた国王がゆっくりと立ち上がった。

「実に素晴らしい大会であった! 苦汁を舐め続けてきた我が国であるが、こうして若く力強い者も現れる! 我が国は決して劣ってなどおらぬ! 民にはこの結果を誇りに思い、さらなる研鑽を期待する!」
「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」

 長く最下位の国として嘲笑われてきたシェラザード王国側の民は一気に歓声をあげリクトを称えた。

「リクト様っ」
「ルーシア」

 民に手を振り応えるリクトにルーシアが抱きつく。

「あの……今こそリクト様が神の使徒様であると公言すべき時では……」
「いや、まだ早い。それは十五になってからの方が良い。何せ冒険者登録すらできないからな。それに……そうなったらお前の役目が終わり抱けなくなっちまうぜ?」
「……はっ! それは嫌です!」
「さあ学園に帰ろう。俺はまだまだ力をつけるぜ」
「はいっ!」

 こうして大会は終わり、リクト達は学園に戻ったのだった。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...