転生?召喚?ー勇者(クズ)を屠る者ー

夜夢

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第2章 領地開発の章

07 引っ越し

    宿屋に泊まり数日、ガゼルは村を掌握していた。

「あ、ガゼル様。今日はどんなご用で?」

    ガゼルは武器屋を訪れていた。

「豚の道具屋があったろ?流石に村に道具屋が無いと不便だから、お前んとこで何とかならない?」

「何とか…と言われましても…。見ての通り、狭いですからね。スペースが無いのですよ。」

「ん?スペースがあれば何とかなるのか?」

「はい、私は鑑定スキル持ちですので。売り場さえ確保出来れば何とかなりますよ。」

「なら、作り替えるか。一旦荷物を全部出すぞ。」

    ガゼルは武器屋の中身を次々と空間倉庫に仕舞っていく。

「な、何を?」

「建て替えるんだよ。道具屋も更地にして、2棟分の建物を建てる。そうすれば解決だろ?あっちは既に回収済みだ。」

「わ、分かりましたぁ!」

    ガゼルはあっという間に武器屋内を空にし、外に出る。

「よーし、やるか。【破壊ドライブ】。」

ードゴォォォォォッ!!!ー 

    一瞬で武器屋が無くなった。

「よし、後は整地して…と。」

    消し飛んだ地面が道具屋の土地と併せ、平らになっていく。

「は、はは…夢…かな?」

「夢でも幻でも無いぞ?さて、後は建てるだけだな。【創造クリエイト】。」

    大地が光り、そこから建物が生えてきた。

「は…はぁぁぁ?地面から家が!?」

「こんなもんかな。中に入って内装を作るぞ?」

「は、はぁ…。」

    ガゼルは武器屋の主人と中に入り、意見を聞きながらカウンターや陳列棚等を設置していく。

「ほら、完了だ。どうよ?」

「す、スゲェェ…。一瞬で出来ちまった…!?」

「まだ数日は居るからさ、何かあったら宿屋まできてくれ。」

「ありがとう!ガゼル様!」

「おう。仕入れは自分で何とかしてくれよ?じゃまた。」

    ガゼルは武器屋を後にした。こんな感じで、村を新しく作り替えていく彼は、村人から尊敬され、皆が彼を崇めていた。無くなる宿屋は食堂と一体化させ、作り替えた。最初は不安そうだった食堂の店主も、新しくなった建物を見て、大層喜んでいた。序でに村人全員に新しい雨漏りのしない家をプレゼントしてやると、村人はまるで神でも見る様な目でガゼルを讃えた。

「しかし…やり過ぎたかな?なんか別物になっちまった…。」

    村は綺麗になり、まるで小さな町になってしまった。村を覆う壁も作り、外敵からの守りも完璧だ。ある日村長が現れ、ガゼルに言った。

「この村の名をライオット村にしたい。許可を頂けますかな?」

「は?何故に?」

「ガゼル様により新しく作られたので、それを受けての事。我ら村人は皆ガゼル様に感謝をしております。なので、感謝と尊敬の意を籠めて、村名を変えさせて頂きたく…。」

「わ、分かったから。好きにして良いから。近い近い。」

「お、おお。すみません。つい興奮してしまいました。ではその様に、王都に申請致します故。」

「ああ。何かあったら隣国の俺の村に知らせてくれ。」

「はい。ではその様に。ガゼル様はこれから何処へ向かうので?」

「んー、取り敢えず、宿屋の母娘を俺の村に移してから、王都の冒険者ギルドに行こうと思っている。」

「成る程。では、この国にあるダンジョンが目的なのですか?」

「あぁ、そういえば…。ん、多分行くと思う。」

「そうですか。行商人から聞いたのですが、ダンジョンでは勇者を名乗る者が鍛練しており、城の兵も多く内部に居るらしいので、もし行かれるなら、その力…隠した方が良いかと思われます。面倒はお嫌でしょう?」

「だな。忠告ありがとう村長。」

「いえいえ。貴方様は村の救世主、微力ですが力となりたく。」

「はは、言い過ぎだ。じゃあ、またな村長。」

「はい!良き旅をっ!」

    ガゼルは村長宅から宿屋へと帰った。

「ただいま、フレイア。準備は出来たかな?」

「あ、アナタ♪お帰り。準備は出来てますよ。モーラも大丈夫?」

「うんっ。友達ともお別れ済ませたし、大丈夫。」

「そっか。なら行くか、俺の村に。」

「「はいっ!」」

    ガゼルは母娘と一緒に村へと転移した。

「着いたぞ、ここが俺の村だ。」 

    母娘は村を見て驚いていた。

「綺麗な村ですね。これもアナタが?」

「まぁな。さて、ここには冒険者が来ない。宿屋は要らないんだが、フレイア?何かしたい仕事はあるか?」

「そうですね…宿屋がいらないなら…酒場でも開こうかしら。美味しい料理とお酒を提供する事でここの人達と仲良くなりたいです。」

「分かった。なら、空いてる土地に作ろうか。」

    ガゼルは村長宅の隣に酒場を作る。木造で板張りの床、木々の香りがする優しい雰囲気の酒場にしてみた。

「どう?こんな感じで。」

「良い雰囲気ですね!いかにも酒場って感じがして受けそうです。」

「だろ?じゃあ、フレイア。これからは此処で暮らしてくれよ。後、何かあったら隣の村長宅に相談してくれ。」

「分かったわ、アナタ。もう…行くの?」

「ああ、ダンジョンでやる事があるからな。ま、直ぐに帰ってくるさ。そんな寂しそうな顔しないでくれ。」

「は、はい。行ってらっしゃい、アナタ…ちゅっ♪」

「パパ、モーラもっ!…ちゅっ♪」

「はは、モーラ。ありがとうな。」

    ガゼルはモーラの頭を優しく撫でる。モーラは真っ赤になっていた。

「パパぁ…♪」

「モーラは甘えん坊だな。帰ったら遊んであげるから、良い子で待っててな?」

「うんっ!待ってるから、早く帰ってきてね♪」

「あぁ。じゃあ、行ってくる。」

    ガゼルは酒場を出て村長宅に居る皆にフレイア達の事を話した。

「そうですか。隣国から。分かりました。にしても、まだ隣国の始めの村だと言うのに…。こんな調子だと村が直ぐに埋まってしまいますね。」

「だなぁ…。ダンジョンから帰ったら拡張工事するか。いっそ町にしてしまうか?」

「ですね。ガゼル様の妻もこれからどんどん増えますし?色々と手狭になるでしょうから。」

「ま、まぁ。余り増やさない様には…。無理だな。困ってる女性がいたら助けてしまうだろうし。すまんな。」

「いえいえ。寧ろ喜ばしいです。ガゼル様はそのままでいて下さいませ。それが女神【ルナ】様から与えられた役割、これからもその調子で愛と幸せで満たして下さいませ…。」

「あ~…使徒だったなぁ。女神ルナか…。何を考えているんだろうなぁ。ま、その内現れるか。それより、俺はこれから隣国の王都に向かう。新たな勇者の情報が入った。奴等は今ダンジョンで鍛えているらしい。俺は勇者達を見極めてくる。」

「はい。無茶は…大丈夫そうですね。行ってらっしゃいませ、旦那様。」

「行ってくる。」

    ガゼルは村長宅から再びライオット村へと転移し、王都を目指すのであった。
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