クソッタレ人生を薔薇色に

夜夢

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中学校編

09 実力テスト?

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    入学してから数週間経ち、中学最初のテストが行われる事となった。内容的には小学校のおさらい程度の問題だ。悠真には全く問題無い。

「では明後日から2日間でテストを行います。テスト中は部活動は禁止。テストも午前だけなので皆さん、ちゃんと復習する様に。このテストの出来次第で今後の方針が決まりますので。良いですか?」

「「「「はい!」」」」 

「はい。では北野さん?」

「はい。起立!礼!」

「「「「ありがとうございました~。」」」」

    結城先生が教室を出ると途端に教室が賑やかになった。遥が悠真に話し掛けてきた。


「悠真くんは小学校の時勉強出来てた?」

「勿論。僕はいずれ如月グループの後継者になる予定だったからね。勉強は毎日欠かさずやってきてたんだ。でも…もう如月グループは他の人の手に渡っちゃったけどね。」

「…じゃあ、明日からのテストは?」

「余裕すぎて勉強する必要が無い位かな。遥は?」

「うっ…。私勉強苦手なんだよぉ…。」

    そこに真歩が交じる。

「ふっ。遥よ、私達はもう勉強等必要無いかもしれんぞ?」

「え?」

「考えてもみろ。私達の役割は家で働く夫の疲れを癒す事だ。寧ろ…一番必要な勉強は保健体育!それと家庭科だ。この2つさえ押さえておけば問題無いだろう。」

    真歩は胸を張ってそう言い切った。悠真が真歩に質問する。

「真歩は勉強出来る方?」

「いいや、全くだ!幼い頃から武術一筋だったからな!はっはっは!」

「そ、そう…。」

    そこに北野さんがやって来た。

「真歩さん?貴女、そんなんじゃクラスに迷惑が掛かりますわよ?」

「なに?どう言う事だ?」

「先程先生が仰ってたではありませんか。このテストの結果次第で今後の方針が決まると。つまり…普通教科の成績が悪いと保健体育の授業が減る…と示唆したのかもしれませんわ。」

「「な、なんだってぇぇぇぇっ!?」」 

    真歩に続き遥まで驚いていた。

「もしくは、成績が奮わない生徒だけ補習授業、保健体育は見学…と言う事にも…。」

「そ、それは困…いや、困らないな。私はもう悠真の子を孕んでいるからな。どうせ来年までえっち出来ん。」

「わ、私は困る…事もないか。どうせ毎晩悠真くんのお家に泊まってるし。それに最近はお母さんまでお世話になって…くぅっ!まさか私より先にお母さんが妊娠しちゃうだなんて…!はぁ…、何で私には生理が無いのかなぁ…。」

「あ、貴女達…、やる気の欠片も無いのね。悠真さん、この2人をどう思ってますの?」

    美咲にそう問いかけられ、悠真は考える。

「特には。2人は僕が幸せにするし、卒業したら僕の家に呼ぶつもりだよ。勿論、2人以外でも僕の家族になってくれる人が居たら全員呼ぶ。」

「なっ…!それは…私も?」

「勿論。まぁ、ご両親が許してくれたらだけどね。」

「そ、そう…。」

    北野さんは何かを考えながら席を離れた。今度は菜月が悠真に抱きついてきた。

「菜月は問題無い。親に妊娠を報告したら喜んでくれた。いつでも悠真のお家に行ける。」

「もう話したの?そっか。じゃあ僕も挨拶に行かなきゃね。」

「ん♪悠真…暫くえっちは出来ないから…それまでは手と口でしてあげるね?」

「はは、ありがと。」

    一度抱いてからと言うもの、菜月のラブラブぶりが半端無い。

    そんな雑談を終え、悠真は学校を出た。どうやら真歩と遥は少し危機感を覚えた様で、先に帰り勉強すると言い出して既に帰宅していた。

「1人で帰るなんて初めてかもなぁ。毎日誰かが隣に居てくれたもんな。」

    そう呟き、帰宅しようとすると、突然後ろから声を掛けられた。

「悠真さん、待って下さい!」

「あれ?北野さん?どうしたの?」

「あの…、これから私の家に来て貰えませんでしょうか?」

「村長宅に?何故?」

「村の今後について父からお話があるそうで。先程家から電話がありました。」

「え?それ僕に関係あるの?」

「勿論ですわ。現在、元気でフリーな男性は悠真さんだけ。そして既に3人も孕ませている。悠真さん、ここは一夫一妻制です。悠真さんは言いましたよね?これからもっと家族を増やすと…。その考えは国の法律では禁止されています。」

    悠真は彼女に言った。

「それは重婚だけでしょ?どこぞの金持ちや政治屋だって他に愛人を作って孕ませたりしてる。僕だけ罪に問われる謂れは無いね。」

「…つまり…止める気は無いと?」

「無いね。」

「そうですか♪なら…参りましょう♪」

    北野さんは急に笑顔になり悠真の腕に抱きついてきた。

「もしかして…試した?」

「ごめんなさいね?悠真さんがどれだけ本気か知りたかったの。許して?」

「いいや、許さない。ちょっと寄り道して行こっか。」

    それから2人が帰宅したのは2時間後だった。

「遅かったな、美咲…って、お前大丈夫か?」

「へぁ…♪えへへへ…♪」

「き、君が如月悠真くんだね?美咲はいったいどうしたのだ?」

「さぁ。最近暑いですからね。」

「そうだなぁ。年々気温が…まぁ、良い。済まんが美咲を妻に預けて貰えるかな?私は君と話がしたくてね。」

「ええ。分かりました。」

    悠真は美咲に言った。

「ちゃんと部屋まで帰る様に。じゃないともうしてあげないよ?」

「ひゃうっ!?だ、だめっ!か、帰ります帰ります!」

    美咲は急に現実に戻り、慌て部屋に向かった。

「な、何なのだ?」

「さあ…。で、お話と言うのは…?」

「うむ。まぁ、座ってくれ。」

    悠真はソファーに座らせられ、村長の話を聞く。

「如月くん、君はもう村を見て回ったかな?」

「ええ、大体は。」

「正直な話、どう思った?」

「自然に満ち溢れていて空気も美味しくのどかかと。」

「それは建前だろう。君は都会から来たそうじゃないか。正直にと言った筈だ。」

「そう言われましてもねぇ…。もしかして村長さんはこの村を都会にしようとか考えてます?」

「ああ、そうだ。君も見ただろう?この村は何も無い。コンビニも無ければ観光資源も無い。村の若者は都会を目指してどんどん出ていく。残されるのは年寄りと子供だけだ。これではいずれこの村が破綻してしまうのは目に見えている。」

    案外真面目な話だった。

「そう言われましてもねぇ…。僕はこの村好きですよ?都会と違って時間に追われる事も無いし、犯罪も無い。車は五月蝿くないし、皆の表情も生き生きしてる。わざわざそれを無くす必要なんてありませんよ。」

「…確かにそうだが…。最近は若者が居なくなったせいか出生率も低下し、納税額も…な。」

「村に金が無いと?」

「ああ。村のインフラ整備もままならないのが現状だ。この御時世に道路は未舗装、信号機すら無いし、国道、県道に繋がる道に出るのも一苦労。まさに自給自足でしか生きられない村なのだ。」

    いや、ネットでショッピング出来るし?

「せめて大手スーパー位は欲しいのだが、売り上げが望めないと全て断られた。」

    自給自足してるしね。

「職場と言われたら学校、役所関係、農業、後は大工位だ。若者が村を出るには十分過ぎる。」

    まぁ…皆お金は稼ぎたいもんね。

「…私は…、これを解決したいのだよ。」

「話は分かりましたが…何故僕に?」

「君はあの如月グループの関係者だろう?調べさせて貰ったよ。今は如月グループとは関係無い様だが、今まで様々な知識を得ている筈だ。学力も全国トップ、社交界にも参加した事があるだろう?」

「まぁ…ありますね。小学一年の時から顔見せだって言われて散々連れ回されましたが。」

「…その知識と経験に頼りたい。君は如月グループを取り戻したい筈だ。あれは君のご両親がたった一代で築き上げた謂わば遺産だ。そこでだ、この村をその地盤にする気は無いかね?」

    村長はとんでも無い事を口にするのであった。
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