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第二章
第68話 商談成立と降り注ぐ奇跡①
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「あの、私……レーデリメニアでも美貌を称賛される第三王女なのですが? 城下を歩けば近所のご婦人方から『フィーナちゃんは今日も可愛いね』と野菜や果物などを持たされるほどなのですが? 社交では私が顔を出せば夜会の格が一つも二つも上がると評判なのですが? 年頃の貴公子たちからの求婚の申し出が年中絶えないのですが?」
「あ、そうなんですね……」
すごい早口だ……自分の求婚が断られるなんて信じられない、といった様子のフィーナさん。
お膝の上のリリが「へんなかおー!」と指差せば、エマとルルの口からも笑い声がこぼれる。そんな三人の頭を順に撫でながら、俺はどうフォローすればいいのか迷う。
フィーナさんは人柄も悪くなく、超がつくほどの美人さんだ。それに、俺だっていつか結婚したいと夢見る一般男性である。けれど、今は獣耳幼女たちのお世話が最優先。この子たちがある程度大きくなるまで、自分のことは後回しだ。
でも、そうだな……もし結婚するならば、相手はエマたちが懐いてくれる女性がいい。むしろそれが大前提まである。
そういった意味では、サリアさんなんてぴったりだ。が、うーん……俺の中では、もうすっかり『体の大きな子ども』って認識なんだよなあ。しっかり働いてくれるときは頼りになるけど。
とにかく、求婚はお断り。
いきなり過ぎる話だったし、当然の解答ではある。
同じテーブルにつくドワーフ兄弟とカーティスさんが安堵したようにため息を吐き出しているあたり、間違った対応というわけでもなさそうだ。
ひとまず俺は紅茶やお菓子のおかわりを勧めて、それこそお茶を濁す。ついでに獣耳幼女たちの小さな口にチョコを放り込むと、すぐに『あまいっ! ココアみたい!』と明るい声が響く。我が家に戻ったら淹れてあげるね。
勧められるがまま紅茶に何度か口を付け、ようやく正気を取り戻すフィーナさん。
そこから俺たちは、改めて真珠の代価について詰めていく――最終的に、ラクスジットで流通する金貨五百枚で合意した。もちろん魔法のレッスンや廃聖堂の修繕込みでの話である。
条件はどちらにとっても破格。俺としてはかなり高額に思えるものの、相手にとっては激安らしい。いわゆるウィン・ウィンで、双方に大きな利益をもたらす取引となった。ただし分割払いとなり、すぐに金貨の移動が伴うわけではない。
今回は契約書を交わし、いったん商談終了となった。
真珠の入ったケースを手渡すと、フィーナさんは表情を緩めてホッと息を吐く。
ようやく人心地、といった印象だ。一見は気楽そうに振る舞っていたが、本当はプレッシャーを感じていたに違いない。
一方で俺は、真珠を異世界に持ち込むのはこれっきりと決める。トラブルなどがあれば別だが、やりすぎると権力者に目を付けられそうな気がする。ゴルドさんにも迷惑をかけてしまいそうだし。
「でも、少し残念ですね。サクタローさんたちを神事にお招きできればよかったのですが。女神ミレイシュがご満足なさった暁には、その祝福が光の玉となって降り注ぐのです。あの心震える厳かな情景を目にできるのは、セルゼルシア広しといえども我が国だけでしょう。ああ、本当に残念です」
目的を果たした以上、女神教の特使団がこの街に留まる理由はない。当然、人員の大半は帰還の途につく。真珠の運搬は名目上の代表者が責任をもって行う、とのこと。代表の方は、お兄さん(王太子殿下)の腹心の部下らしい。
このままラクスジットに残るのは、フィーナさんとお付の侍女さんたちが数名。加えて、ドワーフ兄弟と護衛のカーティスさん。
そしてレーデリメニアでは、真珠の祭具を用いた神事が近く執り行われることになる。その最後には、この世のものとは思えぬ美しい光景を拝めるという。いくつかの儀式が存在するものの、フィナーレはいつもお決まりのようだ。
どこか自慢げな雰囲気から、フィーナさんが誇りに思っているのが伝わってくる。基本的にお茶目さんだよね。
「おい、フィーナ。海神の涙の取引は終わったのだろ。なら、次は私との約束を果たす番だ」
リリにはちょっと詰めてもらい、空いた膝の上のスペースにルルを座らせる。先ほどからこちらへ来たがってジタバタしていたのだ。
それからまた俺は、雑談を続けるべく口を開こうとした。しかしその前に、サリアさんが新たな話題を持ち出してくる。いつの間にか目覚めたようで、エマを抱き上げながら話の輪に加わった。
「サリアは昨夜、『ニホンゴを聞こえるようにしてほしい』と言っていましたね。確か、サクタローさんの母国の言葉でしたか。ええ、ちゃんと覚えていますとも」
どういうことか俺が視線で問えば、サリアさんから「約束したのだ!」と鼻息荒く答えが返ってくる。
真珠の代価に頭を悩ませていたフィーナさんに、魔法を教えるという案を授けた。その代わり、自分のお願いをミレイシュ様へ伝えるよう頼んだそうだ。内容は、日本語に関して。
サリアさんは、どうしてもフェアリープリンセスや暴れん坊の将軍を原語で鑑賞したいらしい。ついでに、虹色ゲートも一人で通過できるようになりたいのだとか。何かと不便なので、気持ちはわからなくもない。
自分の欲望にまっすぐな彼女だけあって、ちゃっかりしているというか、抜かりないというべきか……まあ、みんな満足しているからいいけどね。三方良しじゃないが、誰も損をしてない。
「言葉については、私もよく理解できていないのですけど……とはいえ、報告もありますから少し祈ってみましょうか。では、皆さんあちらへ」
表情をキリッと引き締め、巫女の風格を纏うエルフの王女様の先導に従い、俺たちは廃聖堂の内陣に佇む純白の女神像の元へ歩み寄る。次いで、祈りを捧げようとした。
すると、突如。
フィーナさんの全身が、神々しさすら感じさせる淡い光に包まれた。
瞬時に厳かな空気が漂い出す。俺の足に引っ付いてはしゃぐ獣耳幼女たち含め、この場の誰もがハッと息を呑んだ。
「イカイの酒と甘味を定期的に捧げよ。それと引き換えに、汝らの望みに能う力を授ける――今しがた、ミレイシュ様より神託を賜りました」
フィーナさんは焦点の定まらない瞳でこちらを見つめ、ぼんやりと口を動かす。それから人差し指をおもむろに持ち上げ――サリアさんの額に指先が触れた瞬間、神々しい光の波がその全身を駆け巡っていく。
「あ、そうなんですね……」
すごい早口だ……自分の求婚が断られるなんて信じられない、といった様子のフィーナさん。
お膝の上のリリが「へんなかおー!」と指差せば、エマとルルの口からも笑い声がこぼれる。そんな三人の頭を順に撫でながら、俺はどうフォローすればいいのか迷う。
フィーナさんは人柄も悪くなく、超がつくほどの美人さんだ。それに、俺だっていつか結婚したいと夢見る一般男性である。けれど、今は獣耳幼女たちのお世話が最優先。この子たちがある程度大きくなるまで、自分のことは後回しだ。
でも、そうだな……もし結婚するならば、相手はエマたちが懐いてくれる女性がいい。むしろそれが大前提まである。
そういった意味では、サリアさんなんてぴったりだ。が、うーん……俺の中では、もうすっかり『体の大きな子ども』って認識なんだよなあ。しっかり働いてくれるときは頼りになるけど。
とにかく、求婚はお断り。
いきなり過ぎる話だったし、当然の解答ではある。
同じテーブルにつくドワーフ兄弟とカーティスさんが安堵したようにため息を吐き出しているあたり、間違った対応というわけでもなさそうだ。
ひとまず俺は紅茶やお菓子のおかわりを勧めて、それこそお茶を濁す。ついでに獣耳幼女たちの小さな口にチョコを放り込むと、すぐに『あまいっ! ココアみたい!』と明るい声が響く。我が家に戻ったら淹れてあげるね。
勧められるがまま紅茶に何度か口を付け、ようやく正気を取り戻すフィーナさん。
そこから俺たちは、改めて真珠の代価について詰めていく――最終的に、ラクスジットで流通する金貨五百枚で合意した。もちろん魔法のレッスンや廃聖堂の修繕込みでの話である。
条件はどちらにとっても破格。俺としてはかなり高額に思えるものの、相手にとっては激安らしい。いわゆるウィン・ウィンで、双方に大きな利益をもたらす取引となった。ただし分割払いとなり、すぐに金貨の移動が伴うわけではない。
今回は契約書を交わし、いったん商談終了となった。
真珠の入ったケースを手渡すと、フィーナさんは表情を緩めてホッと息を吐く。
ようやく人心地、といった印象だ。一見は気楽そうに振る舞っていたが、本当はプレッシャーを感じていたに違いない。
一方で俺は、真珠を異世界に持ち込むのはこれっきりと決める。トラブルなどがあれば別だが、やりすぎると権力者に目を付けられそうな気がする。ゴルドさんにも迷惑をかけてしまいそうだし。
「でも、少し残念ですね。サクタローさんたちを神事にお招きできればよかったのですが。女神ミレイシュがご満足なさった暁には、その祝福が光の玉となって降り注ぐのです。あの心震える厳かな情景を目にできるのは、セルゼルシア広しといえども我が国だけでしょう。ああ、本当に残念です」
目的を果たした以上、女神教の特使団がこの街に留まる理由はない。当然、人員の大半は帰還の途につく。真珠の運搬は名目上の代表者が責任をもって行う、とのこと。代表の方は、お兄さん(王太子殿下)の腹心の部下らしい。
このままラクスジットに残るのは、フィーナさんとお付の侍女さんたちが数名。加えて、ドワーフ兄弟と護衛のカーティスさん。
そしてレーデリメニアでは、真珠の祭具を用いた神事が近く執り行われることになる。その最後には、この世のものとは思えぬ美しい光景を拝めるという。いくつかの儀式が存在するものの、フィナーレはいつもお決まりのようだ。
どこか自慢げな雰囲気から、フィーナさんが誇りに思っているのが伝わってくる。基本的にお茶目さんだよね。
「おい、フィーナ。海神の涙の取引は終わったのだろ。なら、次は私との約束を果たす番だ」
リリにはちょっと詰めてもらい、空いた膝の上のスペースにルルを座らせる。先ほどからこちらへ来たがってジタバタしていたのだ。
それからまた俺は、雑談を続けるべく口を開こうとした。しかしその前に、サリアさんが新たな話題を持ち出してくる。いつの間にか目覚めたようで、エマを抱き上げながら話の輪に加わった。
「サリアは昨夜、『ニホンゴを聞こえるようにしてほしい』と言っていましたね。確か、サクタローさんの母国の言葉でしたか。ええ、ちゃんと覚えていますとも」
どういうことか俺が視線で問えば、サリアさんから「約束したのだ!」と鼻息荒く答えが返ってくる。
真珠の代価に頭を悩ませていたフィーナさんに、魔法を教えるという案を授けた。その代わり、自分のお願いをミレイシュ様へ伝えるよう頼んだそうだ。内容は、日本語に関して。
サリアさんは、どうしてもフェアリープリンセスや暴れん坊の将軍を原語で鑑賞したいらしい。ついでに、虹色ゲートも一人で通過できるようになりたいのだとか。何かと不便なので、気持ちはわからなくもない。
自分の欲望にまっすぐな彼女だけあって、ちゃっかりしているというか、抜かりないというべきか……まあ、みんな満足しているからいいけどね。三方良しじゃないが、誰も損をしてない。
「言葉については、私もよく理解できていないのですけど……とはいえ、報告もありますから少し祈ってみましょうか。では、皆さんあちらへ」
表情をキリッと引き締め、巫女の風格を纏うエルフの王女様の先導に従い、俺たちは廃聖堂の内陣に佇む純白の女神像の元へ歩み寄る。次いで、祈りを捧げようとした。
すると、突如。
フィーナさんの全身が、神々しさすら感じさせる淡い光に包まれた。
瞬時に厳かな空気が漂い出す。俺の足に引っ付いてはしゃぐ獣耳幼女たち含め、この場の誰もがハッと息を呑んだ。
「イカイの酒と甘味を定期的に捧げよ。それと引き換えに、汝らの望みに能う力を授ける――今しがた、ミレイシュ様より神託を賜りました」
フィーナさんは焦点の定まらない瞳でこちらを見つめ、ぼんやりと口を動かす。それから人差し指をおもむろに持ち上げ――サリアさんの額に指先が触れた瞬間、神々しい光の波がその全身を駆け巡っていく。
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