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第一章
第26話 異世界の街の観光と干し肉
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周囲の安全が確保されたら、俺たちは廃聖堂を揃って後にする。
どこへ向かっているのかと言えば、以前にも訪れた例の市場。ケネトさんに出会った場所だ。目的は、相場チェック。
昨日から、我が家のエンゲル係数はバク上がりしている。うちの子たちはみんなよく食べるからね……当然、このままでは遠からず俺の貯金は底をつく。
そこで、異世界の食材でやりくりできないかと考えたのだ。現状、こちらの金貨の方が日本円よりも入手しやすいし。
「そうだ、サクタロー殿。ただ歩くだけではつまらんし、よければこの街について軽く説明でもしようか」
「お、いいね。ぜひお願い」
とてもナイスな提案だ。黙々と歩くだけじゃエマたちも飽きちゃうかもだしね。
レトロな馬車が行き交う大通りを歩きながら俺が応じると、スウェットにサンダル姿のサリアさんがこの街についてざっと説明してくれた。
「ラクスジットは大まかに、五つの区域に分けられる。北の貴族街、東の迷宮街、東南の職人街、中央の商業街、西~南に伸びる住民街、といった具合だな」
北の貴族街には領主の公爵家をはじめ、上流階級の館が立ち並んでいる。城壁で区切られているので、入るだけでも許可が必要なのだそうだ。別名は『白獅子街』で、白い石材の建築物が多いのと公爵家の紋章に由来する。
東の迷宮街は、このラクスジットの名物であるところの『迷宮』の入口が存在する。探索者ギルドや各種飲食店、花街なども付近に軒を連ねている。
東南の職人街は、その名の通り職人が集まる地区だ。騒音と鍛冶場からの煙が絶えないらしい。今もうっすら上空に見えている。
街の中央には商業街が広がり、多くの商会がひしめいている。ゴルドさんの商会もここに属しており、他にも役場などの行政施設が集まっている。
残る住民街は北に近いほど裕福で、廃聖堂があるのはだいたい西南あたり。南の端っこには貧民窟(スラム)がある。
そして、街全体を大きな城壁がぐるっと囲んでいる。はるか昔、魔法を使える者を総動員して建設したのだそうだ。
「魔法か……すごいな。いつか見てみたい」
「おかしなことを言う。サクタロー殿も一緒に見たではないか、フェアリープリンセスたちの素晴らしい魔法を」
サリアさんは、依然としてアニメと現実を混同気味だ……というか、彼女は身体能力を強化する魔法を使えるんじゃなかったっけ?
近いうち、機会を作ってぜひ見せてもらおう。某国民的アニメの超サ◯ヤ人みたいに黄金のオーラをまとったりしないかな。
「わたし、フェアリープリンセスたちみたいになりたいなぁ」
「リリもプリンセスになりたい! でね、わるい人たちをやっつけるの!」
肩車されているエマが夢見るように呟くと、隣を歩くリリが弾んだ声で追従する。ルルも、手つなぎリングをグイグイ引いて同意をアピールしている。
この可愛らしい反応に、俺は「なれたらいいね!」と微笑んで答える。プリンセスのイメージに関する疑問はさておく。
その流れで、どんな魔法を使いたいか話しながら楽しく歩けば、あっという間に目的の市場が街角の先に見えてくる。
「思ったより人が多いな。サクタロー殿、よければルルを抱いていようか」
「ああ、その方がいいかもね。エマも、悪いけど一旦おりて手を繋ごうね。リリは左手をしっかり握って」
朝日に光る市場は、以前と変わらぬ活気に包まれていた
ざっと通りを見渡す。獣耳と尻尾を持つ人間――いわゆる『獣人』と、一般的な外見をした人間が半々くらいの割合で見受けられる。
住民たちは朝食を求めて集まったのか、なかなかの混雑具合だ。幼女たちが迷子になっては大変なので、サリアさんと協力して対策する。
では、さっそく市場調査を開始しよう。
人混みの流れに乗って、通りの左右に並ぶ露店をチェックしていく――品揃えは、前回と大きく変わらないな。
食材に限って言えば、肉類が特に豊富だ。結構な数の露店が枝肉などを陳列し、大きな笹のような葉の上に切り身を乗せて売っている。あと、独特の香りを漂わせる草葉を添えていた。ジャーキーの類いも目に付く。
見た感じ、新鮮で美味しそう。雰囲気もそうだが、ちょっとジビエっぽい……ただ、正体不明の肉が多いんだよな。ちょっと尋ねてみるか。
ふと目についた露店では、古めかしい衣服を着た中年男性が呼び込みをしていた。その前で俺は立ち止まり、サリアさんに声をかける。
「あの、このファングボアの肉ってなに?」
「なにって、ファングボアは四つ足に牙を持つ魔物だが」
なるほどわからん……異世界の言葉は、俺の耳に入った瞬間に翻訳されて聞こえる。文字に関しても、知らないはずなのにすんなり読める。原理や機序はさっぱり理解できない。
だが、正確性には不安が残る。例えばいま口にしたファングボアは、直訳すると牙イノシシとなる。でもイノシシ、異世界にもいるの?
しかも牙とわざわざ修飾している。おまけに、魔物って……多分、地球に生息する種とは違うんだろうな。
ならば当然、食べて大丈夫か心配になってくる。衛生観念だって不安だ――それでも、実のところは『問題ない』と本能的に理解していた。
おそらく、例の虹色ゲートの効能ではないだろうか。すなわち、『神の奇跡』だ。
言葉や文字が理解できるのと同様、異世界の常識を知らないにもかかわらず不思議と直感が働くのだ。それも、確信を抱くレベルで。
「これしってる、オイシイのよ! 孤児院でたべた! でも、ちょびっとしかもらえなかったの!」
リリが黄金色のもふもふ尻尾を揺らしつつ、目の前の露店に並ぶ肉を指さして教えてくれる。
そうか、食べたことあるのか。気になってエマにも聞くと、「おいしかったです!」と笑顔で教えてくれた。やはり左右に忙しなく動く亜麻色の尻尾を見るに、ファングボアの味は確かみたい。
ちょっと試してみようか……なんて考える俺の視線の先では、ほのぼのとしたやり取りが繰り広げられていた。
サリアさんに抱っこされたルルが、黒い猫耳をピコピコうごかしながら腕を精一杯のばし、露天商が差し出す小ぶりのジャーキーを受け取ろうとしている。その真剣な表情と懸命な仕草に、思わず笑みがこぼれる。
「嬢ちゃん、これ食べたらダンナ様に美味しかったって言うんだぞ? ちゃんと買ってくれるよう頼んでくれよ」
露天商の要望に、無言ながら『うんうん』と元気よく頷くルルである。
あれ、意味わかってないだろうな。ただ食べたいだけだ……が、うちの子たちに対する宣伝効果は抜群だ。
ルルが念願のジャーキーを受け取ってもぐもぐ口を動かせば、すぐにリリとエマが『ズルい! 食べたい!』と騒ぎ出す。本日からはそこに、「私だって食べたいッ!」と全力で駄々をこねるサリアさんが加わった。アナタ大人でしょうに。
とにかく、こうなったらもう買わないと収拾がつかないだろうな。
まあ、どうせ味見するつもりだったからいいけどね。
持参したこちらの通貨――リベルトリア金貨はサリアさんに預けてあるので、購入をお願いする。
「サリアさん、みんなの分を適当に買ってくれる? せっかくだから味見しようか」
「うんむ! 店主よ、干し肉を大袋でひとつ頼む!」
ジャーキーだと思っていたが、干し肉だったらしい。
というか、味見なのに量多くない?
案の定、露天商は喜色満面となり、干し肉が詰まった結構な大きさの麻袋を差し出してくる。
お値段は、銀貨1枚と大銅貨5枚。袋はサービスらしいが、適正価格かどうかは不明だ。そもそも通貨単位がよくわからん。
引き換えに、サリアさんがスウェットのポケットから取り出した金貨を手渡す……ずいぶんラフなスタイルだな。落としたらいけないので、後で財布でも買ってあげよう。
しかし、相手はお釣りがなかった模様。周囲の露天商に声をかけ、なんとか工面してくれた。コンビニで水を買うのに、万札しかなかったときの気まずさを感じる。ご迷惑をおかけしてすみません。
「ダンナ様、ありがとうごぜえます! うちの干し肉は自家製ハーブの漬け汁で仕込んでますから、ひと味違いますぜ! お気に召したら、ぜひまたご利用くださいませ!」
「美味しかったらまた来ますね」
笑顔で別れを告げ、俺たちは少し離れた路肩の空きスペースへ移動する。
再び市場散策を開始する前に、さっそく皆で試食タイム。食べたいと合唱でおねだりするリリとエマを優先しつつ、俺もちぎった干し肉を口に放り込む。
「……うわっ、美味しい!?」
恐る恐る数回咀嚼して、俺は興奮気味に声を上げた。
どこへ向かっているのかと言えば、以前にも訪れた例の市場。ケネトさんに出会った場所だ。目的は、相場チェック。
昨日から、我が家のエンゲル係数はバク上がりしている。うちの子たちはみんなよく食べるからね……当然、このままでは遠からず俺の貯金は底をつく。
そこで、異世界の食材でやりくりできないかと考えたのだ。現状、こちらの金貨の方が日本円よりも入手しやすいし。
「そうだ、サクタロー殿。ただ歩くだけではつまらんし、よければこの街について軽く説明でもしようか」
「お、いいね。ぜひお願い」
とてもナイスな提案だ。黙々と歩くだけじゃエマたちも飽きちゃうかもだしね。
レトロな馬車が行き交う大通りを歩きながら俺が応じると、スウェットにサンダル姿のサリアさんがこの街についてざっと説明してくれた。
「ラクスジットは大まかに、五つの区域に分けられる。北の貴族街、東の迷宮街、東南の職人街、中央の商業街、西~南に伸びる住民街、といった具合だな」
北の貴族街には領主の公爵家をはじめ、上流階級の館が立ち並んでいる。城壁で区切られているので、入るだけでも許可が必要なのだそうだ。別名は『白獅子街』で、白い石材の建築物が多いのと公爵家の紋章に由来する。
東の迷宮街は、このラクスジットの名物であるところの『迷宮』の入口が存在する。探索者ギルドや各種飲食店、花街なども付近に軒を連ねている。
東南の職人街は、その名の通り職人が集まる地区だ。騒音と鍛冶場からの煙が絶えないらしい。今もうっすら上空に見えている。
街の中央には商業街が広がり、多くの商会がひしめいている。ゴルドさんの商会もここに属しており、他にも役場などの行政施設が集まっている。
残る住民街は北に近いほど裕福で、廃聖堂があるのはだいたい西南あたり。南の端っこには貧民窟(スラム)がある。
そして、街全体を大きな城壁がぐるっと囲んでいる。はるか昔、魔法を使える者を総動員して建設したのだそうだ。
「魔法か……すごいな。いつか見てみたい」
「おかしなことを言う。サクタロー殿も一緒に見たではないか、フェアリープリンセスたちの素晴らしい魔法を」
サリアさんは、依然としてアニメと現実を混同気味だ……というか、彼女は身体能力を強化する魔法を使えるんじゃなかったっけ?
近いうち、機会を作ってぜひ見せてもらおう。某国民的アニメの超サ◯ヤ人みたいに黄金のオーラをまとったりしないかな。
「わたし、フェアリープリンセスたちみたいになりたいなぁ」
「リリもプリンセスになりたい! でね、わるい人たちをやっつけるの!」
肩車されているエマが夢見るように呟くと、隣を歩くリリが弾んだ声で追従する。ルルも、手つなぎリングをグイグイ引いて同意をアピールしている。
この可愛らしい反応に、俺は「なれたらいいね!」と微笑んで答える。プリンセスのイメージに関する疑問はさておく。
その流れで、どんな魔法を使いたいか話しながら楽しく歩けば、あっという間に目的の市場が街角の先に見えてくる。
「思ったより人が多いな。サクタロー殿、よければルルを抱いていようか」
「ああ、その方がいいかもね。エマも、悪いけど一旦おりて手を繋ごうね。リリは左手をしっかり握って」
朝日に光る市場は、以前と変わらぬ活気に包まれていた
ざっと通りを見渡す。獣耳と尻尾を持つ人間――いわゆる『獣人』と、一般的な外見をした人間が半々くらいの割合で見受けられる。
住民たちは朝食を求めて集まったのか、なかなかの混雑具合だ。幼女たちが迷子になっては大変なので、サリアさんと協力して対策する。
では、さっそく市場調査を開始しよう。
人混みの流れに乗って、通りの左右に並ぶ露店をチェックしていく――品揃えは、前回と大きく変わらないな。
食材に限って言えば、肉類が特に豊富だ。結構な数の露店が枝肉などを陳列し、大きな笹のような葉の上に切り身を乗せて売っている。あと、独特の香りを漂わせる草葉を添えていた。ジャーキーの類いも目に付く。
見た感じ、新鮮で美味しそう。雰囲気もそうだが、ちょっとジビエっぽい……ただ、正体不明の肉が多いんだよな。ちょっと尋ねてみるか。
ふと目についた露店では、古めかしい衣服を着た中年男性が呼び込みをしていた。その前で俺は立ち止まり、サリアさんに声をかける。
「あの、このファングボアの肉ってなに?」
「なにって、ファングボアは四つ足に牙を持つ魔物だが」
なるほどわからん……異世界の言葉は、俺の耳に入った瞬間に翻訳されて聞こえる。文字に関しても、知らないはずなのにすんなり読める。原理や機序はさっぱり理解できない。
だが、正確性には不安が残る。例えばいま口にしたファングボアは、直訳すると牙イノシシとなる。でもイノシシ、異世界にもいるの?
しかも牙とわざわざ修飾している。おまけに、魔物って……多分、地球に生息する種とは違うんだろうな。
ならば当然、食べて大丈夫か心配になってくる。衛生観念だって不安だ――それでも、実のところは『問題ない』と本能的に理解していた。
おそらく、例の虹色ゲートの効能ではないだろうか。すなわち、『神の奇跡』だ。
言葉や文字が理解できるのと同様、異世界の常識を知らないにもかかわらず不思議と直感が働くのだ。それも、確信を抱くレベルで。
「これしってる、オイシイのよ! 孤児院でたべた! でも、ちょびっとしかもらえなかったの!」
リリが黄金色のもふもふ尻尾を揺らしつつ、目の前の露店に並ぶ肉を指さして教えてくれる。
そうか、食べたことあるのか。気になってエマにも聞くと、「おいしかったです!」と笑顔で教えてくれた。やはり左右に忙しなく動く亜麻色の尻尾を見るに、ファングボアの味は確かみたい。
ちょっと試してみようか……なんて考える俺の視線の先では、ほのぼのとしたやり取りが繰り広げられていた。
サリアさんに抱っこされたルルが、黒い猫耳をピコピコうごかしながら腕を精一杯のばし、露天商が差し出す小ぶりのジャーキーを受け取ろうとしている。その真剣な表情と懸命な仕草に、思わず笑みがこぼれる。
「嬢ちゃん、これ食べたらダンナ様に美味しかったって言うんだぞ? ちゃんと買ってくれるよう頼んでくれよ」
露天商の要望に、無言ながら『うんうん』と元気よく頷くルルである。
あれ、意味わかってないだろうな。ただ食べたいだけだ……が、うちの子たちに対する宣伝効果は抜群だ。
ルルが念願のジャーキーを受け取ってもぐもぐ口を動かせば、すぐにリリとエマが『ズルい! 食べたい!』と騒ぎ出す。本日からはそこに、「私だって食べたいッ!」と全力で駄々をこねるサリアさんが加わった。アナタ大人でしょうに。
とにかく、こうなったらもう買わないと収拾がつかないだろうな。
まあ、どうせ味見するつもりだったからいいけどね。
持参したこちらの通貨――リベルトリア金貨はサリアさんに預けてあるので、購入をお願いする。
「サリアさん、みんなの分を適当に買ってくれる? せっかくだから味見しようか」
「うんむ! 店主よ、干し肉を大袋でひとつ頼む!」
ジャーキーだと思っていたが、干し肉だったらしい。
というか、味見なのに量多くない?
案の定、露天商は喜色満面となり、干し肉が詰まった結構な大きさの麻袋を差し出してくる。
お値段は、銀貨1枚と大銅貨5枚。袋はサービスらしいが、適正価格かどうかは不明だ。そもそも通貨単位がよくわからん。
引き換えに、サリアさんがスウェットのポケットから取り出した金貨を手渡す……ずいぶんラフなスタイルだな。落としたらいけないので、後で財布でも買ってあげよう。
しかし、相手はお釣りがなかった模様。周囲の露天商に声をかけ、なんとか工面してくれた。コンビニで水を買うのに、万札しかなかったときの気まずさを感じる。ご迷惑をおかけしてすみません。
「ダンナ様、ありがとうごぜえます! うちの干し肉は自家製ハーブの漬け汁で仕込んでますから、ひと味違いますぜ! お気に召したら、ぜひまたご利用くださいませ!」
「美味しかったらまた来ますね」
笑顔で別れを告げ、俺たちは少し離れた路肩の空きスペースへ移動する。
再び市場散策を開始する前に、さっそく皆で試食タイム。食べたいと合唱でおねだりするリリとエマを優先しつつ、俺もちぎった干し肉を口に放り込む。
「……うわっ、美味しい!?」
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