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第二章
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昼食の時間。
いつも一緒に食べている嵐山と斎藤は職員室に呼び出しを食らったらしい。一人で食べるのもあれなので、千尋が用事があるとかで同じく一人だった天音を誘った。誘う際に千尋に睨まれたのだが、あいつ、わかりやすすぎな…。
「お邪魔するよー」
そういって、俺の机に半額シールが貼られたパンをおき、またがるように前の椅子にすわる天音。下からみても美形だな。こいつなら抱ける。余裕。
とか考えながら、適当に弁当を広げて、たわいもない話を始める。
「いつも千尋となにはなしてるんだ?」
「んー? 適当だよ。その日あったこととか、テストが近いとその話とか」
「へえー。千尋と話してて楽しいのか? あいつ無愛想じゃん」
「無愛想? そうかなあ。優しいし、面白いけどな」
「お前にだけじゃね? 俺なんかさっき睨まれたからな」
「千尋は目が悪いからたまに睨んだみたいになるんだよね。たぶん、にらむつもりはなかったと思うよ」
いや、完全ににらんでたと思うが。まあ、いいか。
「お前らって対極だけど、何で仲良くしてんの?」
「なんでとかないけど…。まあ、俺は千尋の隣が居心地がいいからかな。千尋って悪口言わないんだよね。人の悪いところをみないっていうか。あとすごく努力家で、知ってた? 千尋、ずっと学年一番なんだよ」
俺はあいつが愚痴ったり、悪口を言ったりするのをよくみるが。ナントカは盲目というものか? 天音は告白を受けないというのは有名だが、俺や千尋と同類なのではないかとひそかに疑っている。んーでも、それっぽい雰囲気とかあまりないんだよな。そもそも恋愛感情や性欲があるか疑わしいほどに、そういった話を聞かない。
「へえ、そうなのか」
「うん。ほんと尊敬してる」
そんなことを話しながら、ふと、横をみる。
一人でつまらなそうに弁当をつつく蓮見。それを何人かが嘲笑するようにチラチラみている。気分はよくないが、知ったことか! どうせ声をかけても「話しかけんな」って言う目でみられるだけだ。
無視だ無視。無視。無視。
「蓮見くん、隣だし、一緒に食べない?」
おい、天音! そうだ、こいつはこういうやつだった。
まあでも、蓮見なら断るだろう。
「……え?」
蓮見は硬直して、動かない。
「ほら、ここ。おいでよ」
天音はパンをどかし、机をポンポンと叩く。
「ええっと、まあ、嫌なら無理しなくて良いんだけど…」
そう言ったら誰だってくるだろ! 流石に!
ほら、蓮見が来ちまった!
蓮見はうつむきながら椅子を持ってきて、座った。ずっとうつむいている。前髪によって目は隠されていて、表情はわからないが、きっとつまらない顔をしているのだろう。
「蓮見くん? 体調悪い?」
天音が蓮見の顔を覗き込む。
「わっ」
蓮見は驚いて、顔をあげた。
「ごめん、驚かせた?」
「あ……、え、っと……僕……」
か細い声で、なにかを言い始める。
天音は優しく微笑みながら、蓮見の言葉を促した。
「うん」
「……話すの、…苦手で……。だけど、……あの、…誘って頂けて、…嬉しい、です……」
え。嬉しいの。こいつ、人が嫌いなんじゃ…。
「そうなんだあ、よかったあ。俺、蓮見くんって人嫌いなのかなあって思ってた」
「…あ、…それ、違う…違います……。話すのが、苦手なだけで……話しかけて、頂けるのは…嬉しい、です……」
そうなのか。
俺の言葉に反応が薄かったのも、「話しかけんな」と思っていたわけではなく、ただ単に話すのが苦手なだけだったと。
なんだ。それだけのことか。やなやつってわけじゃねぇんだな。
「じゃ、ガンガン話しかけてもいいわけだ?」
「えっ…」
俺がそういうと、蓮見が顔をあげた。髪のあいだから、くりっとした大きな目が覗く。すこし潤んでいて、それが光をうつしてキラキラしている。
「話しかけて…くださるんですか…? 嬉しい」
そういって、本当に嬉しそうに微笑んだ。
「……!」
心臓が、ドクン、と波打ったのがわかる。
その笑顔のかわいさに驚いた。
はっ? え? こいつ、本当にあの蓮見?
……かわいすぎじゃねえの!!!?
「…あ、あの…」
「蓮見くん蓮見くん、言い損ねたんだけど、弁当持ってこないと」
天音がそう言いながら、蓮見の机の上に残された弁当を指し示す。
「あっ、…はずかしい……っ」
手で真っ赤な顔を覆う蓮見。
いや、だからかわいいんだって!!?
さっきまで嫌いだったのに、そんな感情はきれいさっぱり消えてしまって、「愛らしい」なんて思い始めた。
どうした、俺。
いやまじで、どうした、俺!?
いつも一緒に食べている嵐山と斎藤は職員室に呼び出しを食らったらしい。一人で食べるのもあれなので、千尋が用事があるとかで同じく一人だった天音を誘った。誘う際に千尋に睨まれたのだが、あいつ、わかりやすすぎな…。
「お邪魔するよー」
そういって、俺の机に半額シールが貼られたパンをおき、またがるように前の椅子にすわる天音。下からみても美形だな。こいつなら抱ける。余裕。
とか考えながら、適当に弁当を広げて、たわいもない話を始める。
「いつも千尋となにはなしてるんだ?」
「んー? 適当だよ。その日あったこととか、テストが近いとその話とか」
「へえー。千尋と話してて楽しいのか? あいつ無愛想じゃん」
「無愛想? そうかなあ。優しいし、面白いけどな」
「お前にだけじゃね? 俺なんかさっき睨まれたからな」
「千尋は目が悪いからたまに睨んだみたいになるんだよね。たぶん、にらむつもりはなかったと思うよ」
いや、完全ににらんでたと思うが。まあ、いいか。
「お前らって対極だけど、何で仲良くしてんの?」
「なんでとかないけど…。まあ、俺は千尋の隣が居心地がいいからかな。千尋って悪口言わないんだよね。人の悪いところをみないっていうか。あとすごく努力家で、知ってた? 千尋、ずっと学年一番なんだよ」
俺はあいつが愚痴ったり、悪口を言ったりするのをよくみるが。ナントカは盲目というものか? 天音は告白を受けないというのは有名だが、俺や千尋と同類なのではないかとひそかに疑っている。んーでも、それっぽい雰囲気とかあまりないんだよな。そもそも恋愛感情や性欲があるか疑わしいほどに、そういった話を聞かない。
「へえ、そうなのか」
「うん。ほんと尊敬してる」
そんなことを話しながら、ふと、横をみる。
一人でつまらなそうに弁当をつつく蓮見。それを何人かが嘲笑するようにチラチラみている。気分はよくないが、知ったことか! どうせ声をかけても「話しかけんな」って言う目でみられるだけだ。
無視だ無視。無視。無視。
「蓮見くん、隣だし、一緒に食べない?」
おい、天音! そうだ、こいつはこういうやつだった。
まあでも、蓮見なら断るだろう。
「……え?」
蓮見は硬直して、動かない。
「ほら、ここ。おいでよ」
天音はパンをどかし、机をポンポンと叩く。
「ええっと、まあ、嫌なら無理しなくて良いんだけど…」
そう言ったら誰だってくるだろ! 流石に!
ほら、蓮見が来ちまった!
蓮見はうつむきながら椅子を持ってきて、座った。ずっとうつむいている。前髪によって目は隠されていて、表情はわからないが、きっとつまらない顔をしているのだろう。
「蓮見くん? 体調悪い?」
天音が蓮見の顔を覗き込む。
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「うん」
「……話すの、…苦手で……。だけど、……あの、…誘って頂けて、…嬉しい、です……」
え。嬉しいの。こいつ、人が嫌いなんじゃ…。
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「…あ、…それ、違う…違います……。話すのが、苦手なだけで……話しかけて、頂けるのは…嬉しい、です……」
そうなのか。
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なんだ。それだけのことか。やなやつってわけじゃねぇんだな。
「じゃ、ガンガン話しかけてもいいわけだ?」
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「…あ、あの…」
「蓮見くん蓮見くん、言い損ねたんだけど、弁当持ってこないと」
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「あっ、…はずかしい……っ」
手で真っ赤な顔を覆う蓮見。
いや、だからかわいいんだって!!?
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どうした、俺。
いやまじで、どうした、俺!?
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