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第二章
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「こういうファストフードとか、冷食とか食ったことないって言ってたけど、じゃあカップラーメンとかもねえの?」
「カップラーメンって、お湯を注ぐだけでできるすごい食べ物ですよね」
「そうそう。流石にカップラーメンはあるか」
「一回だけ、お兄様が食べているところを頂いたことがあって…。3分でできるし、すごく美味しいし、保存も効くし、開発した方がすごいなぁって思いながら食べた思い出があります」
「へぇ、一回食べてそれ以降は食べてねぇんだ」
「『夜ご飯カップラーメンでも大丈夫です』って伝えたら、お母様に怒られたから…。『いつ食べたの』、『なんで勝手に食べたの』、『体を壊すからやめなさい』って、さらに食の管理が厳しくなって、流石にやめておこうかなって」
「お前の母親、マジで厳しいな。今日も着いてきて良かったのか? 怒られるんじゃね?」
「正直に言ったら、たしかにそうだけど…。言わなければいいから…」
「え、お前もそういう悪いこと考えるんだな」
なんて、飲み物を飲みながらしばらく雑談をしていると、
「ほんっと! 意味わからなくない!?」
女性が突然、叫ぶように言った。驚いて声がしたほうを向くと、隣のテーブル席の大学生とも社会人ともつかない女性が、まさに鬼の形相。聞き手の女性は眉を下げて、困ったように笑っている。
僕と瑠威は、目を合わせて、別に何も悪いことをしていないけれど、しばらく黙っていることにした。そのくらい、女性の迫力というか、勢いがすごいのだ。
「付き合って7ヶ月よ!? キスもなぁんにもしてこないなって思ってたらさ!」
「うんうん」
「『恋愛としての好きじゃなかった』って!」
恋愛としての好きじゃなかった、か…。そう言う瑠威を想像して、『絶対言わないな』って思わない。だって、今もそうだけれど、瑠威ほどの人が、僕を好きなんて、そんな。そんなこと、本当にあるの?って。そう思ってもらえるほど、僕に魅力があるの?って、考えてしまう。
「なにそれ!! ゆかの7ヶ月返せよって感じじゃない!?」
「うわー、本当にそれ」
「ほんとやってらんない! しかもさ、『友達としてのゆかは好きだから』、『友達に戻ってほしい』とかさ! 馬鹿じゃないの! 自分勝手すぎない!? もー、腹立ってさ、ラインも何もかも全部ブロックしてやった! 知るかもうっ、あんな奴!!」
瑠威に、そう言われたら、僕はきっと納得する。そうだよね、釣り合わないよねって…。で、その事実に直面して、きっと、家で、一人で泣くんだろうな。
「サイテーだね、マジで。えー、はるきくん、そんな人には見えなかったんだけどなあ…」
「あの自分勝手野郎の名前を出さないで。腹立つから。でもね、そう、ゆかも、ゆかのこと大切にしてくれてるのかなって思ってたの。なのにさぁあ……あぁもう腹立つ! ほんっとに嫌」
イライラして、腹を立てれるってことは、価値が対等だった証だと思う。それが、羨ましい。僕が瑠威とおんなじくらい素敵な人になるって、そんなの、無理だ。あまりにも違いすぎる。瑠威はキラキラと輝きすぎで、それに比べて僕は…。
「今日、ぱぁぁっと飲んで忘れよ。そんなやつのことは忘れちゃったほうがいいよ。私、付き合うからさ」
「ありがとう~。もう信じれるのは、さやだけだよ~……」
そんな話をしながら、女性がクールダウンしていくと、僕と瑠威は目を合わせて、「もう話しても大丈夫そうだな」って確認するように笑いあった。
「すごかったな…」
「うん、…なんだろう、勢いが…、ね…。…でも、なんだろう、聞いていて、なんとなく、気持ちも、わかるなって、少し…」
「気持ちがわかる?」
「あっ、いや、ええと、なんていうのかな、……えっと」
本当に、なんて言ったらいいんだろう。悩んでいると、瑠威は笑って言った。
「ああ、まあ、そうだよな。お前は、俺とは違うもんな。…でも、それでいいよ。全然いい。無理だけはさせたくないし、お前が近くにいてくれるなら、なんでもいい」
「あ、えっと…」
そうじゃなくて…。
「まあ、同じ想いをもってくれることが理想だから、一応、待つけどさ。待って、『違う』ってなってもああやって怒らねーから、怖がらなくてもいい」
瑠威はそういいながら、優しく笑って、僕の頭を軽くなでてくれた。
その優しさが嬉しいけれど、でも、違う。僕は、瑠威に対して『恋愛として好きじゃない』と思うことに同意したわけじゃない。ただ、瑠威が、僕のことをそう見れなくても、わかるなって…。なんの取り柄もなくて、汚されて、ことあるごとに面倒なフラッシュバックを起こすような僕を、恋愛として見るのは難しいだろうから、いつか、瑠威に、やっぱり違うって思われて、あの女性のようにではないにしろ、悲しむんだろうなって、そう、思っただけで…。その「気持ちがわかる」ってことで…。
貴方のことは、すでに、本当に、好き。
瑠威に何をされても、僕は嬉しい。
『お前が近くにいてくれるなら、なんでもいい』
『同じ想いをもってくれることが理想だから、待つ』
そう言ってくれるってことは、瑠威も、僕のこと、ほんとうに、好きでいてくれているの…?
僕と瑠威は、同じ、なの…?
勘違いじゃ、なくて…?
「カップラーメンって、お湯を注ぐだけでできるすごい食べ物ですよね」
「そうそう。流石にカップラーメンはあるか」
「一回だけ、お兄様が食べているところを頂いたことがあって…。3分でできるし、すごく美味しいし、保存も効くし、開発した方がすごいなぁって思いながら食べた思い出があります」
「へぇ、一回食べてそれ以降は食べてねぇんだ」
「『夜ご飯カップラーメンでも大丈夫です』って伝えたら、お母様に怒られたから…。『いつ食べたの』、『なんで勝手に食べたの』、『体を壊すからやめなさい』って、さらに食の管理が厳しくなって、流石にやめておこうかなって」
「お前の母親、マジで厳しいな。今日も着いてきて良かったのか? 怒られるんじゃね?」
「正直に言ったら、たしかにそうだけど…。言わなければいいから…」
「え、お前もそういう悪いこと考えるんだな」
なんて、飲み物を飲みながらしばらく雑談をしていると、
「ほんっと! 意味わからなくない!?」
女性が突然、叫ぶように言った。驚いて声がしたほうを向くと、隣のテーブル席の大学生とも社会人ともつかない女性が、まさに鬼の形相。聞き手の女性は眉を下げて、困ったように笑っている。
僕と瑠威は、目を合わせて、別に何も悪いことをしていないけれど、しばらく黙っていることにした。そのくらい、女性の迫力というか、勢いがすごいのだ。
「付き合って7ヶ月よ!? キスもなぁんにもしてこないなって思ってたらさ!」
「うんうん」
「『恋愛としての好きじゃなかった』って!」
恋愛としての好きじゃなかった、か…。そう言う瑠威を想像して、『絶対言わないな』って思わない。だって、今もそうだけれど、瑠威ほどの人が、僕を好きなんて、そんな。そんなこと、本当にあるの?って。そう思ってもらえるほど、僕に魅力があるの?って、考えてしまう。
「なにそれ!! ゆかの7ヶ月返せよって感じじゃない!?」
「うわー、本当にそれ」
「ほんとやってらんない! しかもさ、『友達としてのゆかは好きだから』、『友達に戻ってほしい』とかさ! 馬鹿じゃないの! 自分勝手すぎない!? もー、腹立ってさ、ラインも何もかも全部ブロックしてやった! 知るかもうっ、あんな奴!!」
瑠威に、そう言われたら、僕はきっと納得する。そうだよね、釣り合わないよねって…。で、その事実に直面して、きっと、家で、一人で泣くんだろうな。
「サイテーだね、マジで。えー、はるきくん、そんな人には見えなかったんだけどなあ…」
「あの自分勝手野郎の名前を出さないで。腹立つから。でもね、そう、ゆかも、ゆかのこと大切にしてくれてるのかなって思ってたの。なのにさぁあ……あぁもう腹立つ! ほんっとに嫌」
イライラして、腹を立てれるってことは、価値が対等だった証だと思う。それが、羨ましい。僕が瑠威とおんなじくらい素敵な人になるって、そんなの、無理だ。あまりにも違いすぎる。瑠威はキラキラと輝きすぎで、それに比べて僕は…。
「今日、ぱぁぁっと飲んで忘れよ。そんなやつのことは忘れちゃったほうがいいよ。私、付き合うからさ」
「ありがとう~。もう信じれるのは、さやだけだよ~……」
そんな話をしながら、女性がクールダウンしていくと、僕と瑠威は目を合わせて、「もう話しても大丈夫そうだな」って確認するように笑いあった。
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「うん、…なんだろう、勢いが…、ね…。…でも、なんだろう、聞いていて、なんとなく、気持ちも、わかるなって、少し…」
「気持ちがわかる?」
「あっ、いや、ええと、なんていうのかな、……えっと」
本当に、なんて言ったらいいんだろう。悩んでいると、瑠威は笑って言った。
「ああ、まあ、そうだよな。お前は、俺とは違うもんな。…でも、それでいいよ。全然いい。無理だけはさせたくないし、お前が近くにいてくれるなら、なんでもいい」
「あ、えっと…」
そうじゃなくて…。
「まあ、同じ想いをもってくれることが理想だから、一応、待つけどさ。待って、『違う』ってなってもああやって怒らねーから、怖がらなくてもいい」
瑠威はそういいながら、優しく笑って、僕の頭を軽くなでてくれた。
その優しさが嬉しいけれど、でも、違う。僕は、瑠威に対して『恋愛として好きじゃない』と思うことに同意したわけじゃない。ただ、瑠威が、僕のことをそう見れなくても、わかるなって…。なんの取り柄もなくて、汚されて、ことあるごとに面倒なフラッシュバックを起こすような僕を、恋愛として見るのは難しいだろうから、いつか、瑠威に、やっぱり違うって思われて、あの女性のようにではないにしろ、悲しむんだろうなって、そう、思っただけで…。その「気持ちがわかる」ってことで…。
貴方のことは、すでに、本当に、好き。
瑠威に何をされても、僕は嬉しい。
『お前が近くにいてくれるなら、なんでもいい』
『同じ想いをもってくれることが理想だから、待つ』
そう言ってくれるってことは、瑠威も、僕のこと、ほんとうに、好きでいてくれているの…?
僕と瑠威は、同じ、なの…?
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