優しい世界で、優しい時を。

miyumeri

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冒険者が落ちてた

一件落着

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事情を聴いたイーダさんは、ギルドマスターへの報告と捜査の手配のため
プオレッラに戻っていった。
アレクシ先生も、マッティさんを診察し
明日、移動のための馬車を連れてくると言っておやつを食べてから(笑
帰っていった。
白銀の牙メンバーは、明日マッティさんと一緒にプオレッラに戻ることにし
また庭にテントを張って一晩泊った。
その日は遅くまで、マッティさんとメンバーは保管庫で話し合いをしていた。

翌朝、ギルドから小鳥便で”11時ごろ馬車が着く”と連絡が来たので
メンバーに伝えると、盾騎士のヴィリヤミさんからお礼を支払いたいといわれた。

「別に、私は医者ではないので気にしないでください。使ったポーションも
 私が畑の薬草で作ったものですし、ずって眠ってらっしゃったので
 食事もほとんど出していません。」
「そういうわけにはいきません。命を救っていただき、10日近くも看病いただき
 そのうえ何度もメンバー全員に食事を提供してくださいました。
 どうかお礼をさせてください。」

そういって、頭を下げられる。困った・・・本当にそんなこと考えてなかったし
助けたのっていうか拾ったのは もか だし・・・

「ねぇねぇ、熊さん。お礼ってなんでもいいの?」

急に ぱある が話に入ってきた。

「もちろんだ。自分たちができることならなんでもするさ。」
「じゃあ、今度カウプンキに連れていってくれる?」

急にそんなことをいいだした ぱある。びっくりして止めようとすると
めりー がそっと私を止めた。

カウプンキに招待するだけでいいのか?そんなこと、お礼にならないぞ。
 もっとお礼になりそうなことないのか?」
「いいのいいの。わたしたち、カウプンキに行ったことないし、
 そもそもこの森に越してきたのも最近だから、だれも街に知り合いがいないの。
 街の美味しいものとか、素敵なお店とか、珍しいものとか全然知らないから
 ぜひ案内してほしいのよ。」
「うーん、ほんとうにそんなんでいいのか?」
「いいのよ。まだこれから新人さんの捜査とか、マッティさんの調査とか
 いろいろ忙しいでしょ?それらが終わったら、ゆっくり案内してほしいの。」

どうやら ぱある は白銀の牙メンバーに負担にならないように、少し時間を
おいてからお礼をしてもらう算段をしているようだ。この子も優しいなぁ。

「わかった。いろいろことが片付いたらカウプンキに招待するぜ。
 いい旅館とうまい飯期待しといてな!」
「やった!ありがとう。甘いお菓子もお願いね!」
「もかち はお肉が好きです!!」

あらら、ちゃっかり好物をおねだりしちゃってる。
でも、もか は今回一番活躍したから、許されるよね。

「眷属様、本当にありがとうございました。
 メンバーを代表して改めてお礼申し上げます。」
「お気になさらず。無事マッティさんが回復して何よりです。
 落ち着いたらまたお会いしましょうね。」


迎えの馬車が来て、白銀の牙メンバーは村に帰っていった。
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