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手作りのサンドイッチ
「ごめんなさい、従弟なのになかなか会えなくて、かわいそうだから二人を繋いでほしいと司教様に頼まれて…。余計なことだったかしら。」
将来の王太子妃としては迂闊だと思うけど、善意しかないんだろうな。
目の前のルイーダは不気味にあどけなくほほ笑む。
「本当に今まで僕のお母様がごめんなさい…。でも、僕も、マチルダお姉さまみたいにミリオン様と仲直りしたいよ…!直接、どうしてもお祝いが言いたかったの…。お母様から逃げるの、頑張っちゃった。」
「うん、僕は怒ってないから大丈夫だよ。仲良くできた方が嬉しいもんね。お母さま同士は仲が良くなかったみたいだけど…。それに、将来ルイーダはバード公爵になるでしょ?バード公爵家は王家に一番近い公爵家だからね。」
僕は、ソファにルイーダを座らせる。
壁に沿って用意された長い白のテーブルにはパーティーに出しているメニューが並ぶけど、ソファのある場所にテーブルには僕が作ったサンドイッチのランチボックスがある。
カナリアがあんまりみんなに自慢するものだから、請われて少しだけ用意したものだ。
「お祝いの乾杯しよ、ミリオン様。」
「そうね。ふふふ。せっかくのミリオン様手作りのサンドイッチも食べてみたいわ。」
三人で席について、乾杯をした。
バニラ様はルイーダにもサンドイッチを渡す。
ルイーダが少し揺れた瞳をする。
ワイングラスに口をつける。
ルイーダはサンドイッチを齧る。
サンドイッチを持つ手は震えて。
そして。
「ミリオン様!!!!!飲まないでッ……!!!!!!!!!」
だけど、僕はワインを飲んで。
そして床に倒れる。
「うわああああああああああああああああ!!!!」
「キャアアアアアアアアアアアアアア!!」
ルイーダの狼狽えた叫びとバニラ様が悲鳴をあげて侍従に人を呼びに行かせた音が聞こえた。
将来の王太子妃としては迂闊だと思うけど、善意しかないんだろうな。
目の前のルイーダは不気味にあどけなくほほ笑む。
「本当に今まで僕のお母様がごめんなさい…。でも、僕も、マチルダお姉さまみたいにミリオン様と仲直りしたいよ…!直接、どうしてもお祝いが言いたかったの…。お母様から逃げるの、頑張っちゃった。」
「うん、僕は怒ってないから大丈夫だよ。仲良くできた方が嬉しいもんね。お母さま同士は仲が良くなかったみたいだけど…。それに、将来ルイーダはバード公爵になるでしょ?バード公爵家は王家に一番近い公爵家だからね。」
僕は、ソファにルイーダを座らせる。
壁に沿って用意された長い白のテーブルにはパーティーに出しているメニューが並ぶけど、ソファのある場所にテーブルには僕が作ったサンドイッチのランチボックスがある。
カナリアがあんまりみんなに自慢するものだから、請われて少しだけ用意したものだ。
「お祝いの乾杯しよ、ミリオン様。」
「そうね。ふふふ。せっかくのミリオン様手作りのサンドイッチも食べてみたいわ。」
三人で席について、乾杯をした。
バニラ様はルイーダにもサンドイッチを渡す。
ルイーダが少し揺れた瞳をする。
ワイングラスに口をつける。
ルイーダはサンドイッチを齧る。
サンドイッチを持つ手は震えて。
そして。
「ミリオン様!!!!!飲まないでッ……!!!!!!!!!」
だけど、僕はワインを飲んで。
そして床に倒れる。
「うわああああああああああああああああ!!!!」
「キャアアアアアアアアアアアアアア!!」
ルイーダの狼狽えた叫びとバニラ様が悲鳴をあげて侍従に人を呼びに行かせた音が聞こえた。
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