暗殺者は王子に溺愛される

竜鳴躍

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大人の川遊び

もこもこのアウターにズボンを履いて、靴は滑り止めのついたゴム製の長靴。

この季節の川釣りに適した装いに着替えて、私とゼロ先輩は近くの川へ来た。


髪を無造作におろしたゼロ先輩はカッコイイ。


「この時期は水温が低いから流れが速い場所では難しい。ゆっくりした流れの場所へ行こう。」


ゼロ先輩かっこいい~。


「あまり数多く釣れる時期ではないから、釣れなくても気にするな。……すべるから気をつけろ?」


足を滑らせそうになって、手を引いて受け止めてくれた。



夜はどんなふうにされるんだろう。

この声で耳元で囁かれたら、それだけでイっちゃう!



水が深く溜まっているところがある場所に二人で来て、釣り糸を投げ入れる。

うまく投げ入れられない(強かったり弱すぎたりして加減が難しかった)私のために、腕をとって、コツを教えてくれた。


体が密着してどきどきする。

ゼロ先輩は文官で、私みたいに普段剣を持って戦うような仕事ではないけど、年齢の割には鍛えられて、絞まった体をしている。


この間のホテルでの逢瀬を思い出してしまった。



「……そういえば、もし、子どもたちに私たちのことを知られたら、どうする?」


「……えっ?? どうでしょう、なるようにしかならないような…?やっぱり、年頃の子どもたちからみたら複雑ですかね?」


「…あのな。気が付いていないと思うが、あそこでみんなが私たちを見ている。お前、気を抜きすぎだぞ。辺境伯なんだから気配で気づけ。」


…ん? あ、あぁああっ!! 先輩のことで頭がいっぱいで気が付かなかった!

「い、いったい彼らはいつから……。」


「お前が足を踏み外して、私が受け止めたところから?」


まあ、よかったんじゃないか。

どうせいつかは言わないといけなかったんだから。




えーーー。ボヌールとデューク様からしたら、いずれ結婚する相手の父親同士が、って、ごめんな、複雑だよなぁ…。



繁みに隠れているみんなを呼んで、『付き合っているんだ』といったら、驚かれた。

そのあとは、みんなで釣りをした。



ゼロ先輩の言う通り、あまり釣れる時期ではないらしく、たいした釣果はなかったが、帰りは足湯で寛いで、楽しかった。








目の前で父親がいずれ結婚する相手の父親といちゃついているのを見るのは複雑だ。

だが、お父様の相手への気遣い方、言葉選び、エスコート力を目の当たりにすると、確かにうまい。

アンが言った訳がよくわかった。


お父様、うまいリードの仕方を教えてください。

男同士のやり方を教えてください。

ついでに、お父様のおすすめのデートコースも教えてほしいです。
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