可愛いアルファ(仮)は僕のオメガ

竜鳴躍

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セレブ女優 キャロライン=マーカス

専用ジェット機で氷室は愛する妻や家族のいる日本へ向かっていた。

アメリカでの仕事は落ち着き、今では父や祖母たちとも離れて、アメリカで雇ったエージェントやSPと一緒に生活している。

日本でも公開が始まる映画のためにヒロイン役の女優と一緒に移動しているが、彼女はずっとワインを飲みながらしゃべり倒していた。

セレブ女優 キャロライン=マーカス。

腰までゆるやかに波を描くように伸びたブロンドに、パッチリした青い瞳、セクシーなぽってりした唇が魅力的なダイナマイトボディの人気女優。

………自分の黒服に注がせているけど、もう何本ワインのボトルを空けたんだろう。


「いいわよねぇ、結婚って。芸能界ってアルファやオメガが多いのよね。美形が多いから。私もそろそろ結婚したいわ。ねえ、貴方の周りにいい人いないかしら。私、結構極上のオメガじゃない?やっぱり相手も上位アルファがいいのよ。」

あなたに番がいなきゃ、アプローチしたんだけどねえ。


そんな話を愛想笑いを浮かべながら聞いている。

左手の薬指には結婚指輪。

すぐに結婚していてよかった、と京はつくづく思っていた。

結婚していても、不倫関係や一夜の遊びを求めてくる者は男女問わずいたが、大体は愛妻がいることを示せば、諦めてくれた。




はやく海に会いたい。

海とデートして、甘い甘い時間を過ごしたい。


番宣の後で番組のスポンサーたちがパーティをしてくれることになっているので、海たちも誘った。

えっと、出席するアルファの中で、空君は恵さんともう番になったって言ってたから大丈夫だな。
一くんは既婚者だから大丈夫、二くんは確か先日陸くんと。


彼女は確か、アルファは諦めてくれるから…。


隣で男に飢えている彼女に捕まりそうな知り合いがいないことに安堵して、京は仮眠を取り始めた。









「あれ?」

夕飯時に陸の首を見て、空が首を傾げた。

「陸兄さん、番になってはこなかったの?」

「だって誕生日に、って約束だったからシタだけで、俺、昨日ヒートじゃねえもん。」

「ああ、まあそれなら仕方ないね。でもよく初めてでヒートじゃないのにアルファの相手できたね。」

「………おまっ。」


陸はかあっと赤くなった。

思い出してしまったのだ。


自分がどれだけ恥ずかしいことをしてきたのか。


「もう、そんな話は夕飯食べながらやらないでよ。もうっ。」

「そうだよ、お父さんが困ってるだろ!」

向かい合わせの海兄さんと母さんに窘められる。


「………ん、ま、なんだ。次のヒートで番になってきたらいいんじゃないかな。」

目を泳がせている父さん。


「よかったね、陸兄さん。お許しが出たよ。」

「うっさいわ!」
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