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こんにちは、異世界。
「やった…??か?」
光と揺れが収まり、体に対する違和感も消え、離れから外を見ると、それが『成功』であることが一目瞭然だった。
離れの外は、屋敷の庭ではなく。
まだ日中であったはずの外は暗く。
赤い月が出ている。
「………う、うわぁあ。やった、やったぞ!!ついに俺は異世界に到達したんだ!」
・偶然異世界に召喚されました!
・死んだら異世界に転生しちゃった!
そんな都合のいい奇跡なんて、転がってくるはずがないんだ。
奇跡は自分で起こさなければ。
祖父母も両親もいない世界。
親しい友人も、恋人も、何もない世界なんてどうでもよかった。
だから、子どもの頃からの夢であった『異世界』へ行きたかった。
無謀でも、死ぬまでかかっても。
離れに閉じ込められ、搾取され続ける俺にとって、それがいつしか生きる支えだった。
俺がいなくなり、研究資料もサンプルも離れごと消えて、あいつらは困るだろう。
会社もどうなるか分からないが、それなりにデカい会社だし、どっかの競合会社が買ってくれる。
本当に優秀な社員ならそのまま残れるはずで、俺の研究成果を奪っていたことも何もかもバレて、困るのはきっとあいつらとあいつらの縁故で甘い汁を吸っていた奴だけだ。
国だってあっさり見捨てるだろうさ。
ざまあみろ!
幼い頃、俺は母が語ってくれる空想の話が大好きで、似たような空想小説もよく読んだ。
母は戯れによくできた異世界の言語を俺に教えてくれたものだ。
だから本当は、空想小説家になりたかった。
「うぅ、すごいぞ!自力で異次元の扉を開けるなんて俺はやっぱり天才だな!念のために発電は風力発電や太陽熱発電もできるようにしてあるし、まずはこの世界の環境を調査しなきゃな。危険な動物はいるのか、先住民はいるのか、人類みたいな知的生命体は?後は何より水や食料の確保!」
もしかしたら今は昼なのかもしれないが、月らしきものがあって暗いので、仮に夜だと仮定する。
夜の時間が地球と同じなのかもわからないが、探検は明るい方がいい。
とりあえず異世界転移に備えて備蓄しておいた食料から、宇宙食のレーション食べて寝ることにした!
その頃。
「…………なんだ?あの光は。」
騎士団の2階建ての団長の執務室からは、外が良く見える。
団員も帰宅し、一人で書類を片づけていた団長のカシュー=ナッツは遠くの山の異変に目を凝らす。
令嬢たちに人気の美丈夫は、整えられたプラチナブロンドをくしゃくしゃと崩し、青い眼を見開いて驚愕する。
あれは、神が降り立つ山と言われている霊峰シルヴァニアの麓。
セットが崩れて前に落ちた長い前髪を人差し指でくるくると弄び、考える。
「明日、部下を連れて様子を探りに行くか…。」
まさか、異世界から『転移者』でも現れたというのだろうか。
もしそうなら、わくわくが止まらない。
そう、この世界は稀に異世界へ飛んでしまう者、異世界からやってきてしまう者がいるのである。
地球では、度々『神隠し』と言われた現象は、『それ』だった。
光と揺れが収まり、体に対する違和感も消え、離れから外を見ると、それが『成功』であることが一目瞭然だった。
離れの外は、屋敷の庭ではなく。
まだ日中であったはずの外は暗く。
赤い月が出ている。
「………う、うわぁあ。やった、やったぞ!!ついに俺は異世界に到達したんだ!」
・偶然異世界に召喚されました!
・死んだら異世界に転生しちゃった!
そんな都合のいい奇跡なんて、転がってくるはずがないんだ。
奇跡は自分で起こさなければ。
祖父母も両親もいない世界。
親しい友人も、恋人も、何もない世界なんてどうでもよかった。
だから、子どもの頃からの夢であった『異世界』へ行きたかった。
無謀でも、死ぬまでかかっても。
離れに閉じ込められ、搾取され続ける俺にとって、それがいつしか生きる支えだった。
俺がいなくなり、研究資料もサンプルも離れごと消えて、あいつらは困るだろう。
会社もどうなるか分からないが、それなりにデカい会社だし、どっかの競合会社が買ってくれる。
本当に優秀な社員ならそのまま残れるはずで、俺の研究成果を奪っていたことも何もかもバレて、困るのはきっとあいつらとあいつらの縁故で甘い汁を吸っていた奴だけだ。
国だってあっさり見捨てるだろうさ。
ざまあみろ!
幼い頃、俺は母が語ってくれる空想の話が大好きで、似たような空想小説もよく読んだ。
母は戯れによくできた異世界の言語を俺に教えてくれたものだ。
だから本当は、空想小説家になりたかった。
「うぅ、すごいぞ!自力で異次元の扉を開けるなんて俺はやっぱり天才だな!念のために発電は風力発電や太陽熱発電もできるようにしてあるし、まずはこの世界の環境を調査しなきゃな。危険な動物はいるのか、先住民はいるのか、人類みたいな知的生命体は?後は何より水や食料の確保!」
もしかしたら今は昼なのかもしれないが、月らしきものがあって暗いので、仮に夜だと仮定する。
夜の時間が地球と同じなのかもわからないが、探検は明るい方がいい。
とりあえず異世界転移に備えて備蓄しておいた食料から、宇宙食のレーション食べて寝ることにした!
その頃。
「…………なんだ?あの光は。」
騎士団の2階建ての団長の執務室からは、外が良く見える。
団員も帰宅し、一人で書類を片づけていた団長のカシュー=ナッツは遠くの山の異変に目を凝らす。
令嬢たちに人気の美丈夫は、整えられたプラチナブロンドをくしゃくしゃと崩し、青い眼を見開いて驚愕する。
あれは、神が降り立つ山と言われている霊峰シルヴァニアの麓。
セットが崩れて前に落ちた長い前髪を人差し指でくるくると弄び、考える。
「明日、部下を連れて様子を探りに行くか…。」
まさか、異世界から『転移者』でも現れたというのだろうか。
もしそうなら、わくわくが止まらない。
そう、この世界は稀に異世界へ飛んでしまう者、異世界からやってきてしまう者がいるのである。
地球では、度々『神隠し』と言われた現象は、『それ』だった。
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