【完結】美貌のオメガは正体を隠す

心はいつまでも

花梨が去り、レストランに二人残される。

「………だから、あの日。遅れてきて、様子が変だったんだね。」

「……ごめん。」


「拓海。結果に責任はもたなきゃ。」


「……うん。」


「恋愛対象じゃなくても、幼なじみだもん。情はあるでしょ。子どもも……きっとかわいいよ。」


「蜜璃！…離れたくない!!」


「だめだよ」

はらはらと涙が溢れる。


本当は別れたくない。

この人のものになりたい。


「ううっ………拓海。」

「蜜璃！ごめん、蜜璃。ごめん、って………それですまないけど……。」

拓海はテーブルを回り込んで、俺を抱きしめた。



「明日から別れるから。もう会わないから。今日は一緒にいて。朝まで一緒にいて、拓海。」

お願いだから抱いてほしい。


離れても、結婚できなくても、番えなくても。


心はずっと、あなただけを想うから。


「蜜璃………。」


蜜璃、俺も心はずっと君を想っていきていく。



二人で手を繋いで、ホテルの一室に入った。


ネックガードはとらない。