【完結】美貌のオメガは正体を隠す

竜鳴躍

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再会

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「蜂谷さん、今日はもう上がっていいわよ。」

「はい。お疲れ様です。」


今日は、先生に言われて参考資料をまとめていたんだ。

パソコンで資料作るの、だんだんうまくなってきたみたい。


「蜂谷さん、そういえば悪阻の時期じゃない?大丈夫?無理しないでいいからね。」


「なんか、悪阻は軽いみたいで。今のところは大丈夫です。」



2階にある事務所から、エレベーターで降りる。







降りた先にいたのは―――――――



「拓海……。」


「全部、終わった。帰って来たよ、蜜瑠。会いたかった。」


「拓海のバカっ。幼馴染を捨ててきたの?俺ならへい―――――――――


ぎゅっと抱きしめられる。


「あいつより、蜜瑠が大事なんだ。妊娠のことも聞いた。」


「だ、だれからっ!?」

西野にも誰にも言ってないのに!


「お父さんが…。」

誰から聞いたんだよ……。

そう思って、思い出した。父は法務大臣だ。法曹界にはコネもいっぱいある。

司法修習中だから、妊娠のことは報告していたんだった…。




「俺に、この子とともに生きる時間をくれ。俺、頑張って国家公務員試験合格して、採用を勝ち取ってみせる。結婚しよう、蜜瑠。」


涙があふれた。







検察庁では、斎藤検事が誰かと電話で話をして、受話器を置いた。

蜂谷君の父親―――和泉大臣から相談を受けたときに、全てがわかった。

無事、彼は運命の相手と出会えただろうか。


少し残念な気持ちもある。


だが、自分が望んだとしても、彼はきっと運命の相手を想いながら、ずっと一人で生きていくことを選んでいたと思う。


「よかったね、幸せに。蜂谷くん。」


パソコンの画面がスクリーンセイバーになっていたので、マウスを操作する。

作業中の画面には、起訴状。

とある社長令嬢の狂気の所業。

それは、蜂谷君たちが把握しているよりも酷いものだ。


「詐欺、ストーカー行為、強要罪……………細々しているけど酷いね。」









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まだもう少し破滅する人は破滅します。

二人ほど。
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