【完結】美貌のオメガは正体を隠す

竜鳴躍

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番外編など

断罪後の兄たち

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和泉静璃です。
和泉野鶴です。

弟につまらない嫉妬をして、犯罪に手をかけた俺たちは、全ての信用を無くして実家に閉じ込められた。

大学は中退、パソコンもスマホも取り上げられ、最初はただ反省文を延々と書かされて嫌だった。
お母さんの実家にも見捨てられて、味方は誰もいないし。

でも、座敷牢の中にはトイレも風呂もあって、ご飯は3食出してもらえる。

父がいるときは、部屋のテレビがついて、モニター越しの会話もあった。

自分たち以外の人間は、掃除や洗濯をしてくれるお手伝いさんたちが定期的に来てくれるけど、護衛付きで隙もない。


このまま朽ち果てるのか。
せっかくアルファに産まれたのに、才能を腐らせたまま、なにもなし得ずに。

そう、思い始めた時に吉田花梨の裁判のニュースを見せられた。


俺たちもあのままエスカレートしていたら……。こんな結末になっていたのだ。

そうなっていたら、俺たちだけじゃない。

和泉家はおしまいだった。


あれからどのくらい時間が経ったのか分からない。


俺たちは吉田花梨を反面教師に、勉強を頑張った。

暫くしたら、ネットに繋がらないパソコンが与えられ、文書やデータの整理を任されるようになった。


信頼はきっと完全には戻らない。

だけど、少しでも誰かの役に立とう。


「野鶴、そこの書類取って♡」

「うん♡はい、兄さん♡」


閉鎖された空間にいるせいか、兄弟で変な感じになっているのは………まあ、仕方ないんじゃないかな。
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