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マロンとイリス編
お掃除しましょ
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「マロン殿下!なんでこの方と?高位貴族でなければ、王族は結婚できないことはご存じですよね?まさか、遊びの相手なのですか?」
ギャラリーの金切り声がうるさい。
そこに、ルークを伴だってヒイロ王太子殿下が現れた。
女性たちは色めき立つ。
隣国の王太子もいいわよね…。
「おや、そこにるのは我が妹じゃないか。マリア、卒業おめでとう。平民の振りをして通うのは面白かったかい?」
え―――――。
さあっと、顔が青くなる者が数名。
「ええ。たいへん面白かったですわ。虐げられる者の気持ちがよく分かりました。そして、その構造も。人間というのは、鶏と一緒で誰かと比べて、自分が幸せだと認識しなければ不安になる生き物なのですわ。」
「はは。流石マリア。的を得ている。だが、我々貴族、民を預かる者、上に立つ者は、その集団心理をうまく支配して、虐げられる鶏がいないようにしなければならない。これが難しい。」
「ヒイロ王太子殿下、先ほどはご挨拶できず。」
マロンが礼をする。
「いやいや。早馬で便りが来て驚いた。」
「そして、お返事はいかに。」
「陛下は承知したよ。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「マロン、どういうこと…?」
「マロン殿下の婚約者が決まったんだ。オルガン王国の王女、マリア=トーネ=オルガンがマロン殿下と婚約する。」
イリスの質問に、マルクが応える。
ざわっと会場がどよめく。
隣国の、しかも豊かな同盟国の王女では、反対できない…。
視線がイリスに集中する気持ち悪さを感じて、肌が震える。
「ははは、おめでとう。マロン。そして、今日はおめでた続きだ。マルク。」
アロン陛下がマルクに促した。
マルクがイリスの腰を抱く。
「この度、私、マルク=ビクトリアはイリス=パフューム=フローラ第二王子を妻として娶る許可を得て、婚姻を結びました。」
悲鳴があがる。
「なんで、何故ッ!何故ですか!殿下なら、素晴らしい王になれる!なれずとも、王族として城に留まる道もあるというのに!なぜ…っ!」
白目を赤くして叫ぶ声は、イビリーのもの。
娘のレナは、王女を虐げていたショックで使い物にならない。
当主のマキコマレーは、二人と縁を切るつもりでいる。
「お前みたいなものが、イリスの心を傷つけたからだ!母親が死んだのはお前のせい、王になるのは私が育てた方だと醜い争いをして、幼いイリスは辛かったのだ!解雇にされてもまだ分からなかったようだな!イリスは確かに優秀だ。マロンよりも頭の出来はいいかもしれない。だが、繊細で優しい子だ。争いたくないから、劣った振りをしていたのだ。彼の才能も、将来も、台無しになるところだった!!みんな、お前のような者のせいだ!!!!!」
マルクに抱きしめられて、マルクに言いたいことを言ってもらえて、イリスは嬉しくてその背中に手を回す。
うれし涙でマルクのお洋服を濡らしちゃった。
「そこの娘がうちのマリアを虐めた首謀者らしいね。よくもまあ、水をかぶせたり教科書を破ったり、階段で転ばせたり、酷いことが出来るもんだ。影がついていなかったら、死んでいたかもしれない。世の中には性根の腐った親から生まれてもまっとうに育つ人間もいるというのに、そのまんま親のコピーで生まれたんだね。養父はまともな人なのに、『偽の当主だ、私が本筋だ』って聞く耳持たなかったらしいじゃない。……まあ、つい今さっきマロンから聞いた話だけどね?」
顔は微笑みながら、ヒイロ王太子が凄んだ。
オルガン王国から申し入れをするから、母子で破滅してね。
養父は1つ降爵くらいで許すから。
イビリーとレナはその場で拘束されて連れていかれた。
がくがく震えている他の者は、そのうち何かしらの文が国から届くことだろう。
「イリスは、辺境でのびのびと才能を発揮してもらいますよ。辺境伯家は優秀な妻を娶れて、発展するでしょう。」
マルクの腕の中で、イリスは嬉しそうに輝くばかりの笑顔を振りまいた。
その笑顔に、今更恋焦がれる者もいた。
「……あっ、あの…。」
双子の王子が片付いてしまって、ヒイロ王太子に声を掛けようとする女性に気づき、ヒイロはすかさず近くにいたルークの肩を掴み、抱き寄せて、キスをした。
「残念ですね。私も売約済みです。」
こうして、卒業パーティは終わった。
ギャラリーの金切り声がうるさい。
そこに、ルークを伴だってヒイロ王太子殿下が現れた。
女性たちは色めき立つ。
隣国の王太子もいいわよね…。
「おや、そこにるのは我が妹じゃないか。マリア、卒業おめでとう。平民の振りをして通うのは面白かったかい?」
え―――――。
さあっと、顔が青くなる者が数名。
「ええ。たいへん面白かったですわ。虐げられる者の気持ちがよく分かりました。そして、その構造も。人間というのは、鶏と一緒で誰かと比べて、自分が幸せだと認識しなければ不安になる生き物なのですわ。」
「はは。流石マリア。的を得ている。だが、我々貴族、民を預かる者、上に立つ者は、その集団心理をうまく支配して、虐げられる鶏がいないようにしなければならない。これが難しい。」
「ヒイロ王太子殿下、先ほどはご挨拶できず。」
マロンが礼をする。
「いやいや。早馬で便りが来て驚いた。」
「そして、お返事はいかに。」
「陛下は承知したよ。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「マロン、どういうこと…?」
「マロン殿下の婚約者が決まったんだ。オルガン王国の王女、マリア=トーネ=オルガンがマロン殿下と婚約する。」
イリスの質問に、マルクが応える。
ざわっと会場がどよめく。
隣国の、しかも豊かな同盟国の王女では、反対できない…。
視線がイリスに集中する気持ち悪さを感じて、肌が震える。
「ははは、おめでとう。マロン。そして、今日はおめでた続きだ。マルク。」
アロン陛下がマルクに促した。
マルクがイリスの腰を抱く。
「この度、私、マルク=ビクトリアはイリス=パフューム=フローラ第二王子を妻として娶る許可を得て、婚姻を結びました。」
悲鳴があがる。
「なんで、何故ッ!何故ですか!殿下なら、素晴らしい王になれる!なれずとも、王族として城に留まる道もあるというのに!なぜ…っ!」
白目を赤くして叫ぶ声は、イビリーのもの。
娘のレナは、王女を虐げていたショックで使い物にならない。
当主のマキコマレーは、二人と縁を切るつもりでいる。
「お前みたいなものが、イリスの心を傷つけたからだ!母親が死んだのはお前のせい、王になるのは私が育てた方だと醜い争いをして、幼いイリスは辛かったのだ!解雇にされてもまだ分からなかったようだな!イリスは確かに優秀だ。マロンよりも頭の出来はいいかもしれない。だが、繊細で優しい子だ。争いたくないから、劣った振りをしていたのだ。彼の才能も、将来も、台無しになるところだった!!みんな、お前のような者のせいだ!!!!!」
マルクに抱きしめられて、マルクに言いたいことを言ってもらえて、イリスは嬉しくてその背中に手を回す。
うれし涙でマルクのお洋服を濡らしちゃった。
「そこの娘がうちのマリアを虐めた首謀者らしいね。よくもまあ、水をかぶせたり教科書を破ったり、階段で転ばせたり、酷いことが出来るもんだ。影がついていなかったら、死んでいたかもしれない。世の中には性根の腐った親から生まれてもまっとうに育つ人間もいるというのに、そのまんま親のコピーで生まれたんだね。養父はまともな人なのに、『偽の当主だ、私が本筋だ』って聞く耳持たなかったらしいじゃない。……まあ、つい今さっきマロンから聞いた話だけどね?」
顔は微笑みながら、ヒイロ王太子が凄んだ。
オルガン王国から申し入れをするから、母子で破滅してね。
養父は1つ降爵くらいで許すから。
イビリーとレナはその場で拘束されて連れていかれた。
がくがく震えている他の者は、そのうち何かしらの文が国から届くことだろう。
「イリスは、辺境でのびのびと才能を発揮してもらいますよ。辺境伯家は優秀な妻を娶れて、発展するでしょう。」
マルクの腕の中で、イリスは嬉しそうに輝くばかりの笑顔を振りまいた。
その笑顔に、今更恋焦がれる者もいた。
「……あっ、あの…。」
双子の王子が片付いてしまって、ヒイロ王太子に声を掛けようとする女性に気づき、ヒイロはすかさず近くにいたルークの肩を掴み、抱き寄せて、キスをした。
「残念ですね。私も売約済みです。」
こうして、卒業パーティは終わった。
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