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新エルグランド編

新エルグランド王国のパーティー

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初めて主催するパーティーだから、関係国……といっても、ジュエリー王国だけで。
後は国内の貴族を集めて、宴は始まった。


「ポラリス殿下、この間は各領地への予算再配分について、本当にありがとうございました。」

下級貴族たちを中心に、僕にお礼する貴族の列ができている。

う~~~~~~~。


パワーバランスがーとか、関係なく、落石や津波、川の氾濫の恐れがある本当に危ないところは国が予算を出すべきだと通して、予算を再配分させたんだ。

今までは領地のことは領地で、って知らんぷりだったから、ものすごく感謝されている。



安全性を確保するのは国の仕事。
ご飯が食べられるように、最低限の生活の保障も国の仕事。

その後、領地を発展させるのは領主の仕事だと思う。








「立派でしたよ、殿下。」

黒に青のラインのコートにクリーム色のトラウザーズを身に着けたアローお兄様は、少し伸びた髪を黒と青のリボンで一つ結びにしている。


「でも、なんだか疲れちゃった…。」

一生分女の子の顔を見た気がする。


「会場の令嬢はどの子もいい子ですよ。可愛い子もいたでしょう?」

「可愛いなんて言われても僕に女の子の美醜は分からないよ。だって、アローお兄様が一番美人なんだもの。ずっと見てきた顔がその顔なんだよ?」


「確かに、私程の美人はそうそういませんけどね。もし、女の子に関心が持てないのなら…。」


私と結婚しますか?




その言葉の前にファンファーレが響く。






「ジュエリー王国、ジャン=ポール=ジュエリー王太子殿下!」

読み上げとともに入って来たジャンは、艶やかな赤毛に黒のスーツを着て。

アレクサンドライトの装飾が眩く、夜空の星のように麗しい。



「ジャン…!」


目が奪われる。



会場の女の子たちが、みなジャンを見ている。






だめ。


みないで。











会場に入ると、愛しいポラリスの周りには女の子がたくさんいて。

でもそれ以上に、傍に、アロー=スターライト公爵令息がいた。



結ばれてはいけない立場なのは分かっている。

でもそれでも、俺は、ポラリスを諦められない。


「殿下、私と踊ってくださいませんか。」


右手をさしだすと、細い指が乗せられる。


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