聖女の力を搾取される偽物の侯爵令息は本物でした。隠された王子と僕は幸せになります!もうお父様なんて知りません!

竜鳴躍

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デビュタントで迎え撃ちます!

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鳩が一羽、城の中に入り、そして足に括った文を残して去っていった。



僕たちがやっとの思いで城に辿り着いた頃、陛下の元には隣国ユーカリ王国から親書が届いていた。


「よく無事に戻った!」

陛下の側には騎士団長や宰相、今までお城の中ですれ違ったくらいの恐れ多い方々が集まっていた。



「お父様!お母さま!!」

委員長は、ご両親の下へ駆け寄る。



「ヘルメス!」
アテンド男爵令息のご家族もいらっしゃるようだ。




「……これはどういうことでしょうか?」

「うん、この者たちは大丈夫だ。ベリー、変装を解きなさい。ブラウンも布を外してよい。」



ベリー王子が変装を解き、ブラウン王子が布を外せば、わっとあたりが歓喜に沸いた。



「二人の体は、ここにいるリリー=ホワイト侯爵が治してくれたのだ。彼は希代の聖女なのだ。」



「聖女様!」


「隣国で、処罰を待っていた娘…。聖女を騙っていたスザンナが城の牢屋から逃げ出した。その後、修道士が闇の魔物となって我が国へ向かう黒い集団を目撃している…。」



――――聖女がいるのだから、その真逆の存在がいたとしても、おかしくないだろう。



「お父様、そういえば、学園をおかしくしている原因の黒い髪の3人のうちの一人は、僕の婚約者だったサリーでした。サリーは僕とスタンリーを引き離し、僕を襲ったのです。体の自由が利かなかったし、途中意識がなかったけど、絶対に僕はしていません。だって、その前にスタンリーのお嫁さんになってますからね。でも、あれはそんなこと知らないから…。既成事実があるといって、また僕の妃になろうとするに違いありません…。」

震えるブラウン様をスタンリーが支えています。


「嫁になると、どうして絶対ないんだ?」



「チャーリーやリリーは知らないだろう。男が神官の祝福を受けて男の嫁になれば、体の構造が変化する。男を受け入れて、子を孕める器官が内部に出来るとともに、男性としてはもう機能しなくなるんだ。」

ベリー王子、説明ありがとうございます。


だから、早く結婚しようとしたんだね。




「チャーリー。君の弟のレインが、いいモノを持ってきてくれた。決戦デビュタントまでに追加でもっと持ってきてくれるそうだ。」

陛下が合図をすると、宰相様が綺麗なガラスの小瓶を持ってきた。


「これはね、リリー様。ケンという名前の新人修道士が寝る間も惜しんで作ったらしい。聖女の奇跡の力程はなくても、浄化する力がある。リリー様の助けになればということのようだ。これを、今、城のあちこちに埋め込んでいるところだ。」



えっ…。お父様が…。



「どうやら、聖女の力はお父様からの遺伝だったようだね。まだ新人で、癒しや浄化の力を身に着けるのは、なかなか優秀なんだよ。聖女クラスの奇跡の力ではなくてもね。」





そっか。お父様なんて知らない、って縁を切ったようなものだけど。

お父様も前を向いているんだ。




チャーリーが僕の手を握る。



がんばらなきゃ。僕たちは幸せになるんだから。



「死んだと思われていたサリー、そして隣国のスザンナ。二国の悪女が手を組んだ。そして、禍々しい異常な気は、魔女で間違いない。魔女は死者をもよみがえらせて使役すると言われている。もしかしたら、先の決戦が再び行われるかもしれない。みんなで勝つぞ!」


陛下は士気を高めた。
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