聖女の力を搾取される偽物の侯爵令息は本物でした。隠された王子と僕は幸せになります!もうお父様なんて知りません!

竜鳴躍

文字の大きさ
52 / 77

兄弟

しおりを挟む
「お兄様、こっちの剣を使ってください。聖女様のお父様がこしらえてくれました。聖水の力を宿した剣です。通常の剣よりは奴らに効くでしょう。」

金髪碧眼の王子様より王子様のようなレイン。

レインは、自分が管理している元帝国派に呼びかけ、この機にあわせてまとめ上げた。
自分たちが『悪』だと思ったものを自分たちで倒していないから燻っているのだとレインは思う。

だから、まとめて、駆けつけた。


そして、その際に、外れの教会に行き、聖女の身内である父親に協力させた。

ケンという男は、元々は年齢より若々しくてハンサムだった。
今でも、容色が衰えたとまではいかないが、真実を知り、反省し、だいぶやつれたように見えた。


さすが聖女を産んだ父である。元々素養があったようで、聖女まではいかない微力な力でも役に立つものを数でそろえた。

そして、聖水に浸した剣や矢も大量に彼が準備した。




彼と彼の息子は似ている。
彼自身には戦う力はない。

だが、手を離してしまった息子、もう二度と会えない息子を助けたいと思って、準備してくれた。


「色々思うところもあるでしょうが、有用なものはお使いください。」



ぐっと、チャーリーは剣の柄を握る。

「分かった。もっと持ってきているなら、ベリー王子やブライト団長にも渡してほしい。」

「今、私の部下が渡しています。」







リリーは祈りを捧げている。


戦う力のない、まだその域に言っているとは言えない貴族たちは、その持てる力を前線に使った。



「力が湧いてくる!」


「これなら…っ!」





「ギェエエエエエ!」

「ぐぁぁああああ!」


「そんな馬鹿な…っ、せっかく、よみがえっ…」


ベリー王子と騎士団長を筆頭に、せっかくよみがえらせた者たちが斬り裂かれて霧散する。

リリーを狙おうにも、リリーの周りにも忌々しいチャーリーやレインがいて、うまくいかない。



「なによっ、なによっ、なによっ!」
スザンナが爪を噛む。


もっと、もっと闇の力を。


にぃっと、自分を守らせている男―――――――リチャードに目が留まった。






「そうよ、あんたが王に担がれてたんでしょ!あんたが奴らを倒したらいいわ!」



禍々しい闇の力をリチャードに注入する。








【おや…あの子ったらせっかちなことだ】


サリーの声ではない。

魔の者になったサリーは最早別人格だった。



「ブラウン王子には指一本触れさせないぞ!」

【!!】


よそ見をした隙にスタンリーが飛び込んでいく。





「ぎゃああああああああああっ!」



スタンリーは優秀な騎士だ。



平凡な男だと、サリーは嘲り、油断をしていた。
心臓を一突きすると、聖剣の力で闇の力が失われ、徐々に昔の姿だけは可愛らしかったものに変化していく。


「く…グっ」


剣を握り、聖なる力で火傷を死ながら、刃を引き抜こうとしたとき、さらに荷重で刃が深く刺さった。


「スタンリー!僕も手伝う!」




(あぁ…ブラウン……さ、ま。)



2人の力で聖剣が刺さったまま、サリーは倒された。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

異世界転生したと思ったら、悪役令嬢(男)だった

カイリ
BL
16年間公爵令息として何不自由ない生活を送ってきたヴィンセント。 ある日突然、前世の記憶がよみがえってきて、ここがゲームの世界であると知る。 俺、いつ死んだの?! 死んだことにも驚きが隠せないが、何より自分が転生してしまったのは悪役令嬢だった。 男なのに悪役令嬢ってどういうこと? 乙女げーのキャラクターが男女逆転してしまった世界の話です。 ゆっくり更新していく予定です。 設定等甘いかもしれませんがご容赦ください。

婚約破棄されるなり5秒で王子にプロポーズされて溺愛されてます!?

野良猫のらん
BL
侯爵家次男のヴァン・ミストラルは貴族界で出来損ない扱いされている。 なぜならば精霊の国エスプリヒ王国では、貴族は多くの精霊からの加護を得ているのが普通だからだ。 ところが、ヴァンは風の精霊の加護しか持っていない。 とうとうそれを理由にヴァンは婚約破棄されてしまった。 だがその場で王太子ギュスターヴが現れ、なんとヴァンに婚約を申し出たのだった。 なんで!? 初対面なんですけど!?!?

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

【完結】白豚王子に転生したら、前世の恋人が敵国の皇帝となって病んでました

志麻友紀
BL
「聖女アンジェラよ。お前との婚約は破棄だ!」 そう叫んだとたん、白豚王子ことリシェリード・オ・ルラ・ラルランドの前世の記憶とそして聖女の仮面を被った“魔女”によって破滅する未来が視えた。 その三ヶ月後、民の怒声のなか、リシェリードは処刑台に引き出されていた。 罪人をあらわす顔を覆うずた袋が取り払われたとき、人々は大きくどよめいた。 無様に太っていた白豚王子は、ほっそりとした白鳥のような美少年になっていたのだ。 そして、リシェリードは宣言する。 「この死刑執行は中止だ!」 その瞬間、空に雷鳴がとどろき、処刑台は粉々となった。 白豚王子様が前世の記憶を思い出した上に、白鳥王子へと転身して無双するお話です。ざまぁエンドはなしよwハッピーエンドです。  ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。

妖怪たちに愛されすぎる優しい和菓子職人

及川証 (アカシ)
BL
江戸の世で、和菓子屋として妖怪に慕われた男――初代・吉兵衛。 彼はその生を終え、現代に転生する。 前世の記憶の欠片を宿したまま生きる吉兵衛の前に現れたのは、 かつて彼を守り、愛し、そして彼のために「禁忌」を犯した妖怪たちだった。 妖怪たちは皆、吉兵衛に強烈な執着を抱き、 守り。愛するがゆえに罪を抱く。 和菓子という穏やかな日常の裏で、 吉兵衛は知らない。 自分の「優しさ」こそが、彼らを縛り、堕とした原因だったことを。 前世から続く因縁と歪んだ愛の行き着く先で、 吉兵衛は選択を迫られる。 妖怪たちを救うために再び手を差し伸べるのか、 それとも――愛するがゆえに、拒むのか。 総愛され・溺愛・前世×現代。 優しさが罪になる、和風ファンタジーBL長編。 コメディ、ハッピーエンド。 この作品に出てくるイベント会場、観光地は実際にあるものを使用、もしくはアレンジしております。100%正しい物ではございません。

捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?

めがねあざらし
BL
役立たずと追放されたΩのリオン。 治癒師の家に生まれながら癒しの力もないと見放された彼を拾ったのは、獣人国ザイファルの将軍であり、冷徹と名高い王太子・ガルハルトだった。 だが、彼の傷を“舐めた”瞬間、リオンの秘められた異能が覚醒する。 その力は、獣人たちにとって“聖なる奇跡”。 囲い込まれ、離されず、戸惑いながらも、ガルハルトの腕の中で心は揺れて──偽りの関係が、いつしか嘘では済まなくなっていく。 異能×政治×恋愛。 運命が交錯する王宮オメガバースファンタジー。

処理中です...