美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。

竜鳴躍

文字の大きさ
8 / 15

前世のお嫁さんは心の中は男の子、そして現世では…

しおりを挟む
。ミスティに初めて出会った時。
教室へ入って、窓際後方にひとりで佇む彼を見た瞬間、ビビっと電流が流れ、私は全てを思い出した。



(ああぁああ!!これ、異世界TENSEI!)




「?」

瓶底眼鏡にもさもさした前髪でよく顔は分からないけど、こてんと折れた首が可愛い。

この国の王弟の息子で、三男とはいえ公爵令息ともあれば、たとえ冷遇されている王子の婚約者だとしても敬われるべきなのに、誰もが遠巻きにし、声もかけない。

彼は、1人でうんうんと何かを悩んでいるようだ。


「どうしたの?なやみごと??。」

「え?」


「俺、レン。家はシャイニー帝国との貿易をしているシャイニー商会だよ。ちょっと事情があって登校が遅れたんだ。今日から通うからよろしくね。」


「シャイニー商会!すごいね。」

「平民だけどね。君の家は公爵家でしょ。王弟の…。気軽に話しかけちゃってごめんね。」


「ううん、僕は気にしないよ。学校内だしね。これからよろしく………って、そうか、国外…。」




一月たち、打ち解けて、ミスティから聞いたのは。



母親から美貌を妬まれ放置されているうえに、『醜い』と言い続けられて冷遇されて育った。
王子の婚約者で分かりやすい冷遇はないが、言葉の暴力の数々!
侍女の世話も最低限で、貴族令息なのに身の回りのことは全て一人でやっているという。


あ。これ、あれじゃない?



<煌めきの国の王子様>



それに出てくる不幸な侯爵令息、ミスティ=エルフィード。

いつも背中を丸め、俯いて、婚約者に縋るも、実兄のヒロインであるキスティにやった嫌がらせが発覚し、断罪され、処刑されてしまう。

BLゲームのミスティは、本当に根暗で、目の下にクマがあり、いつも顔を隠し、碌なケアも受けられていないから肌荒れも酷くて、本当に醜かったが……、よくよくキャラデザの造形を見てみると、本当は美人だったのでは?というキャラだった。
あの時は、こういう画風なのだろう(イケメンしか描けない)と思っていたが、本当に本当は美人だったのだ。
後天的に醜くされただけで。


自分の顔を鏡で見たことがなくて、実母から醜いと言われ続けていたら、自分の美貌を奪われていても、気づかないのかもしれない。

だが、このミスティの中身は現代人の転生者。


鏡やガラスなんてものはないとしても、触ってみれば目と鼻と口の位置がおかしくないことくらいは気づくし、そのうち外に出れば、どこかで顔を確認する機会はあっただろう。

ゲームのミスティは本当に醜いと思い込んでいるから、わざわざ確認なんかしなかっただろうが。


それで、婚約破棄され、家を出たい…か。

そうか。


それならば、このフュリューゲル=レン=シャイニー皇太子!
全力で応援しよう!

元々、この国には監査で来たんだ。


碌でもない国王、王弟。
税を搾取するだけで国民の生活改善のための治世を怠るハンコ製造機の国王と、ギャンブルと色狂いの王弟。
王太子とミスティはマシなようだが、それ以外の息子たちも屑ばかりときた。
国民や帝国にとってたいへんよろしくない。


うちに来ちゃいなさい、ミスティ。

そして私の嫁になれ!




だって、貴方、ハルくんだよね!?



私の前世は柊若葉。
元商社のバリキャリで、柊大翔の妻。

私は、体は女性だったけど、心は男性で、男性として男性が好きなタイプだった。

ハルくんは本当に可愛くて。

やりたいことを全力で応援した!

子どもを産んだのも私だし、大体私がリードしていても、元々淡泊なのか、まったく気にしてなかったし、ハルくんは全く気付いていなかったと思うけど、本当は、男の体でハルくんを抱きたかった!!



だが!!!!



この世界は男だけの世界!!

男でも子どもが産める!

となれば、やったーーーーーーーーーーー!

今世では私が彼を妻に出来るのだ。
男の体で、彼を愛でることが出来る。

夫という立場で。



ふふふ!


今世もこの人をオトしてみせる!

滅茶苦茶かわいがる!また幸せにするからね。


ふふふふふ………あのクズ王子とあばずれ。目に物言わせてやるわ!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

【完結】第三王子、ただいま輸送中。理由は多分、大臣です

ナポ
BL
ラクス王子、目覚めたら馬車の中。 理由は不明、手紙一通とパン一個。 どうやら「王宮の空気を乱したため、左遷」だそうです。 そんな理由でいいのか!? でもなぜか辺境での暮らしが思いのほか快適! 自由だし、食事は美味しいし、うるさい兄たちもいない! ……と思いきや、襲撃事件に巻き込まれたり、何かの教祖にされたり、ドタバタと騒がしい!!

婚約破棄されて追放された僕、実は森羅万象に愛される【寵愛者】でした。冷酷なはずの公爵様から、身も心も蕩けるほど溺愛されています

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男アレンは、「魔力なし」を理由に婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡され、社交界の笑い者となる。家族からも見放され、全てを失った彼の元に舞い込んだのは、王国最強と謳われる『氷の貴公子』ルシウス公爵からの縁談だった。 「政略結婚」――そう割り切っていたアレンを待っていたのは、噂とはかけ離れたルシウスの異常なまでの甘やかしと、執着に満ちた熱い眼差しだった。 「君は私の至宝だ。誰にも傷つけさせはしない」 戸惑いながらも、その不器用で真っ直ぐな愛情に、アレンの凍てついた心は少しずつ溶かされていく。 そんな中、領地を襲った魔物の大群を前に、アレンは己に秘められた本当の力を解放する。それは、森羅万象の精霊に愛される【全属性の寵愛者】という、規格外のチート能力。 なぜ彼は、自分にこれほど執着するのか? その答えは、二人の魂を繋ぐ、遥か古代からの約束にあった――。 これは、どん底に突き落とされた心優しき少年が、魂の番である最強の騎士に見出され、世界一の愛と最強の力を手に入れる、甘く劇的なシンデレラストーリー。

悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される

木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー ※この話は小説家になろうにも掲載しています。

聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています

八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。 そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

追放されたので路地裏で工房を開いたら、お忍びの皇帝陛下に懐かれてしまい、溺愛されています

水凪しおん
BL
「お前は役立たずだ」――。 王立錬金術師工房を理不尽に追放された青年フィオ。彼に残されたのは、物の真の価値を見抜くユニークスキル【神眼鑑定】と、前世で培ったアンティークの修復技術だけだった。 絶望の淵で、彼は王都の片隅に小さな修理屋『時の忘れもの』を開く。忘れられたガラクタに再び命を吹き込む穏やかな日々。そんな彼の前に、ある日、氷のように美しい一人の青年が現れる。 「これを、直してほしい」 レオと名乗る彼が持ち込む品は、なぜか歴史を揺るがすほどの“国宝級”のガラクタばかり。壊れた「物」を通して、少しずつ心を通わせていく二人。しかし、レオが隠し続けたその正体は、フィオの運命を、そして国をも揺るがす、あまりにも大きな秘密だった――。

【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜

明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。 その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。 ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。 しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。 そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。 婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと? シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。 ※小説家になろうにも掲載しております。

処理中です...