9 / 18
俺から逃げて2
しおりを挟む
「なんでわかってくれないんだ、俺は君を愛しているんだ!」
クリストファの腕から蔦が伸び、俺を捕えようとする。
「俺の気持ちは?俺にとってお前はいきなり現れた知らない人だ!重いんだよ!!!!」
手刀で薙ぎ払い、蔦を躱して足払いをする。
クリストファもまた、跳んで躱した。
剣がここになくてよかったのかもしれない。
俺も彼も手練れだ。
剣でやりあってたら、重大なけがをしていただろう。
「俺はお前に18年前から一目ぼれだ!」
「赤ちゃんの俺に!?おかしいだろ!ロリコン!!」
鳩尾や急所を狙って拳を振り下ろせば、捕まえられる。
それを払って、蹴りで首に狙いを定めたが躱された。
「………俺のモノにならないなら…。いっそ君を殺して俺も死ぬ…。」
ベッドごと転移させられたときのような、邪悪な力を感じて、ゾッとする。
クリストファの影から、この結界のあらゆるところから、影の触手のようなものがアイビーに向かっていった。
「くっ…!」
(ここに剣さえあれば…っ!)
振り払うも、無数の触手のうち一本に捕らえられ、がんじがらめにされていく。
「アイビー……。さよなら………。」
近づくクリストファは無表情でどこを見ているのか視点が分からない。
触手の一つが鋭くなり、アイビーを狙う。
覚悟を決めたそのとき。
ぽた…。ぽた。
滴り落ちる、赤。
「………あい びー。俺から……逃げ……。俺が正気のうちに…はやく……っ。」
触手を自らの手のひらに貫通させ、苦しむような声で、クリストファはアイビーを見つめた。
クリストファは次元を解除し、二人は元の寝室に戻る。
様子を見守り続けていたシルヴァとブルードゥが、はっとなり、二人を見つめた。
「ちょうどいい!ブルードゥ、アイビーを俺から守ってくれ…。俺をころして…………!」
悲痛な叫びが響き、アイビーは戸惑いの渦にいた。
クリストファの腕から蔦が伸び、俺を捕えようとする。
「俺の気持ちは?俺にとってお前はいきなり現れた知らない人だ!重いんだよ!!!!」
手刀で薙ぎ払い、蔦を躱して足払いをする。
クリストファもまた、跳んで躱した。
剣がここになくてよかったのかもしれない。
俺も彼も手練れだ。
剣でやりあってたら、重大なけがをしていただろう。
「俺はお前に18年前から一目ぼれだ!」
「赤ちゃんの俺に!?おかしいだろ!ロリコン!!」
鳩尾や急所を狙って拳を振り下ろせば、捕まえられる。
それを払って、蹴りで首に狙いを定めたが躱された。
「………俺のモノにならないなら…。いっそ君を殺して俺も死ぬ…。」
ベッドごと転移させられたときのような、邪悪な力を感じて、ゾッとする。
クリストファの影から、この結界のあらゆるところから、影の触手のようなものがアイビーに向かっていった。
「くっ…!」
(ここに剣さえあれば…っ!)
振り払うも、無数の触手のうち一本に捕らえられ、がんじがらめにされていく。
「アイビー……。さよなら………。」
近づくクリストファは無表情でどこを見ているのか視点が分からない。
触手の一つが鋭くなり、アイビーを狙う。
覚悟を決めたそのとき。
ぽた…。ぽた。
滴り落ちる、赤。
「………あい びー。俺から……逃げ……。俺が正気のうちに…はやく……っ。」
触手を自らの手のひらに貫通させ、苦しむような声で、クリストファはアイビーを見つめた。
クリストファは次元を解除し、二人は元の寝室に戻る。
様子を見守り続けていたシルヴァとブルードゥが、はっとなり、二人を見つめた。
「ちょうどいい!ブルードゥ、アイビーを俺から守ってくれ…。俺をころして…………!」
悲痛な叫びが響き、アイビーは戸惑いの渦にいた。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』
バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない
北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。
ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。
四歳である今はまだ従者ではない。
死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった??
十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。
こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう!
そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!?
クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。
巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる