俺が王子でお前の嫁とは認めない!

竜鳴躍

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今度は倒す

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「わーい、あいびー。」

「あいびー、ひさしぶり!」


城に双子がやってきた。

最後に残ってる孤児の双子。


院長は、ブルードゥに付き添われて幸せそうに笑っている。

2人に子はもう望めないのかもしれないけど、幸せになって欲しい。



そして―――――――。










「君たちは、魔族だったんだね。」








院長たちを守る様に双子から切り離して、俺は言った。


「どうして?ひどいよ、あいびー。」

「そうだよ、なかよしだったのに。」



「この城には、魔族を検知できるよう魔法をかけてある。」

病床から回復したばかりのクリストファが、軍服を着て現れた。



「俺だって、僅かにばかりは勇者と聖女の血を引いているんだ。僅かすぎて、魔王に見逃されたくらいの力だけどね。………俺が倒れている今がねらい目だろうからね。来ると思ってた。孤児院に情報がいっていなかったことといい、アイビッシュが王子として戻ることを恐れて、きっと孤児院の周りに魔族が潜んでいると分かっていたよ。」




「まさか………。残念だったよ。」


クリストファとアイビッシュが並ぶ。




「俺たちは、魔王をもう一度封印する。宣戦布告だ。」




にぃと口の端を歪める双子が、口から黒い靄を吹き付ける。

「院長、ブルードゥ!息を止めろ!」



正体を現した二人の首をはねた。


けたけた笑いながら、黒い霧になって霧散する。




俺たちと俺たちの子。三人と、支えてくれるみんなとで、魔王を封印する。


俺は、お腹に手を当てた。






願う。

この地の安寧を。

魔族だって、共存共栄できるのであればそれでよかった。

人の生き血を喰らい、誑かし、それを当たり前とする。

種族が違いすぎて、共存も共栄もできない。


これは、生き残りをかけた種の生存戦争なんだ。



強い方が残り、弱い方が散る。



だから、情けをかけてはいけない。

昔、情けをかけた結果がこうなんだ。





聖なる力が体からあふれる。

お腹から、特に強い力を感じる。


勇者と聖女の血筋が重なったことによって、お腹の子はより強い力を持っているんだろう。




カッ!

浄化の光が瞬き、

黒い霧が苦しみ、塊のようになった。



「いまだ!クリストファ!」


聖なる光を纏った剣が、霧を斬り裂く。





「グァアアアアアアアアアアアアアア!!」
「痛い、イタイヨオオオオオ!!」


「「き、きえたくな…




双子は光に消え、消滅した。




「…………二人とも。ずっと一緒にいたんだから…。人間に心を許して、共存できてくれてたらよかったのに。そうしたら、きっと………。」

きっと、俺だって共存共栄の可能性を…。

俺の肩をクリストファが寄せた。



そして、その反対側では。




泣きながら祈りを捧げる院長先生を、騎士団長が抱き寄せていた。

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