釣りはじめました

ツ~

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アジング編

アジング編6

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 さっきの堤防と、うってかわって、人が居なかった。
 何で何だろう?と水面を見てみたら納得した。
 パッと見ただけで流れが物凄く速い。これで釣り何か出来ないだろう?と言うくらいに速かった。
 しかし、ヨシさんと島田社長は、ラッキー♪ラッキー♪と、そそくさと仕掛けを用意して釣りはじめた。
 仕方ないと思い、堤防の先端に行って見てみて納得した。魚はかなり居る。バチャンバチャンと表層で餌を捕食しているではありませんか!?
 「ヒロ。ここでの釣りは表層オンリーだ。見てのとおり、激流で下にワームを落とすのは至難の業だからね。でも、表層に魚が見えるだろう?だから、それを狙う。」
 「キャストしたら、直ぐ巻いて良いんですか?」
 「そうだね。それかラインを出して潮の流れにのせてやって少し遠くを釣るってやり方もある。好きに釣っていいよ。」
 僕は言われるままに、キャストしてみる。
 すると一投目から、コツコツとアタリがあり、直ぐにアジが一匹釣れた。サイズは牛深で釣ったサイズとかわらない。
 それにしても、頻繁に魚達が捕食をしているな。
 足元の明暗部でも頻繁に餌を食べている。
 それが気になって仕方なかった。
 島田社長は堤防の外灯の明暗部を狙っており、ヨシさんは港内の穏やかな所を狙っている。 
 足元にちょっとだけで投げてみようと、軽くキャストする。明暗部を攻めるように何度かやっていると、ガバッと何かが食らいついた!
 おお!狙い通りに釣れちゃった!
 結構、いい引きをする。これもアジかな?と思ったら何か違う物があがってきた。
 歯がギザギザと鋭く、目が大きい。なんだこれ?サイズ的には20cmは軽くあると思うのだけど……。
 「おっ、ムツば釣ったばいね。」
 「ムツ?」
 「そそ。クロムツ。美味しかとばい?刺身にしてもよかし、焼いてもよかよ。」
 美味いと聞くと、グロテスクな魚も嬉しくなるのはなぜだろう?
 「いいな。ムツ。こっちはキンギョばかりだよ。」
 ヨシさんはキンギョを片手に言う。どうやら、港内はキンギョが大量に居るらしい。ヨシさんも港内を諦めて、流れの速い堤防の外側を狙う事にしたようだった。
 その後、ヨシさんと島田社長もムツを追加。サイズもあまり出ないので、ここ最近、お世話になりっぱなしの漁港に移動する事になった。
 
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