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出逢いは突然に、だけど必然に?
出逢いは突然に、だけど必然に?編13
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結局、アオリイカはその1杯だけだった。と言うか、古木さんもアジングにシフトチェンジした。
そりゃ、僕の釣れっぷりを見たらそうなるだろう。入れ食いなんだもん。私もアジ釣ってみたい!的な。目の前で釣れている魚を、わざわざ釣らない釣り人なんてあんまり居ないだろう。
古木さんはアジの引きも楽しみ、終始満足そうだった。
十分すぎる程、僕達は釣りを堪能し、帰路につく。
「私、凄く楽しかったです。こんなに釣れたのも、初めてかもしれません。」
古木さんは帰りの車の中で凄く満足そうに言う。
良かった。正直、ここまで移動して釣れなかったらどうしよう。と思った。
「良かったです。そう言ってもらえて。」
チラッと僕は古木さんを見て言う。笑顔の古木さんはやはり可愛い。
しばらく雑談をした後、古木さんは眠そうな声に変わった。無理もない。もう、夜明け前だ。
「無理しなくて大丈夫ですよ。」
僕の声に古木さんは「すみません。」と力無く応え、それとほぼ同時に小さな寝息が聞こえた。
僕はしばらく行った、自動販売機のある所に車を止めて、コーヒーを買い。後部座席から、毛布を取り出した。
こんな事もあろうと、用意しておいて良かった。まさに、島田社長曰わく、備えあれば嬉しいな。である。
古木さんに毛布をかけて、再び帰路についた。
会社の近くの公園に帰り着いた時には、もう、すっかりお日様も出ていた。
「古木さん。着きましたよ。」
声を掛けながら、軽く揺する。
古木さんはまだ眠そうに目をこすり、小さく背伸びをした。
「……すみません。寝ちゃって。あっ…瀬高さんがこの毛布掛けてくれたんですか?ありがとうございま…す。」
まだ、眠そうな古木さんに僕はイタズラ心が湧いた。
「古木さん、よだれついてますよ。」
僕は自分の口元に指をあてて、ついてますよポーズをとる。
それを見た古木さんは慌てて自分の口元を確認した。
しかし、よだれなんて拭き取れる筈もない。一気に目が覚めたように古木さんは言う。
「もう!瀬高さん!!」
「ははは。すみません。ちょっとイタズラしたくなって。」
「……ふふふ。」
「ははは。」
二人でひとしきり笑ってきっちりと釘を刺された。
「そんなデリカシーの無い事言って、イタズラしたらダメですからね!」
「……はい。」
め!っと怒られた。初々しいと言えば聞こえが良いのかもしれないけど、もぞがゆい、そんな気がし、それでいて、なんか凄く若返った気がした。そして、何より古木さんと少し仲良くなれた。そんな気がした。
古木さんと別れた後、爆睡した。夕方。やっとの事で目が覚める。
布団の中にはまだスルメが寝息を立てていた。
動かないように、スマートフォンを取り、時間を確認する。
18時。そう表示される画面の上にはSNSのメッセージが来ている事を知らせるアイコンが表示されていた。
古木さん。吉田。あら?さとみちゃんからもメッセージが来ている。夫婦になったのだから、吉田だけでよさそうなものを……。
古木さんからのメッセージは釣りのお礼が主で、吉田からはイカとアジのお礼がきていた。どうやら、古木さんはアオリイカを1杯とアジを吉田宅に持って行ったらしい。
今回、僕の釣ったイカは古木さんにあげた。どうやら、自分の釣った方を吉田家に持っていたようだ。
そして、さとみちゃんからのメッセージが問題だった。
そりゃ、僕の釣れっぷりを見たらそうなるだろう。入れ食いなんだもん。私もアジ釣ってみたい!的な。目の前で釣れている魚を、わざわざ釣らない釣り人なんてあんまり居ないだろう。
古木さんはアジの引きも楽しみ、終始満足そうだった。
十分すぎる程、僕達は釣りを堪能し、帰路につく。
「私、凄く楽しかったです。こんなに釣れたのも、初めてかもしれません。」
古木さんは帰りの車の中で凄く満足そうに言う。
良かった。正直、ここまで移動して釣れなかったらどうしよう。と思った。
「良かったです。そう言ってもらえて。」
チラッと僕は古木さんを見て言う。笑顔の古木さんはやはり可愛い。
しばらく雑談をした後、古木さんは眠そうな声に変わった。無理もない。もう、夜明け前だ。
「無理しなくて大丈夫ですよ。」
僕の声に古木さんは「すみません。」と力無く応え、それとほぼ同時に小さな寝息が聞こえた。
僕はしばらく行った、自動販売機のある所に車を止めて、コーヒーを買い。後部座席から、毛布を取り出した。
こんな事もあろうと、用意しておいて良かった。まさに、島田社長曰わく、備えあれば嬉しいな。である。
古木さんに毛布をかけて、再び帰路についた。
会社の近くの公園に帰り着いた時には、もう、すっかりお日様も出ていた。
「古木さん。着きましたよ。」
声を掛けながら、軽く揺する。
古木さんはまだ眠そうに目をこすり、小さく背伸びをした。
「……すみません。寝ちゃって。あっ…瀬高さんがこの毛布掛けてくれたんですか?ありがとうございま…す。」
まだ、眠そうな古木さんに僕はイタズラ心が湧いた。
「古木さん、よだれついてますよ。」
僕は自分の口元に指をあてて、ついてますよポーズをとる。
それを見た古木さんは慌てて自分の口元を確認した。
しかし、よだれなんて拭き取れる筈もない。一気に目が覚めたように古木さんは言う。
「もう!瀬高さん!!」
「ははは。すみません。ちょっとイタズラしたくなって。」
「……ふふふ。」
「ははは。」
二人でひとしきり笑ってきっちりと釘を刺された。
「そんなデリカシーの無い事言って、イタズラしたらダメですからね!」
「……はい。」
め!っと怒られた。初々しいと言えば聞こえが良いのかもしれないけど、もぞがゆい、そんな気がし、それでいて、なんか凄く若返った気がした。そして、何より古木さんと少し仲良くなれた。そんな気がした。
古木さんと別れた後、爆睡した。夕方。やっとの事で目が覚める。
布団の中にはまだスルメが寝息を立てていた。
動かないように、スマートフォンを取り、時間を確認する。
18時。そう表示される画面の上にはSNSのメッセージが来ている事を知らせるアイコンが表示されていた。
古木さん。吉田。あら?さとみちゃんからもメッセージが来ている。夫婦になったのだから、吉田だけでよさそうなものを……。
古木さんからのメッセージは釣りのお礼が主で、吉田からはイカとアジのお礼がきていた。どうやら、古木さんはアオリイカを1杯とアジを吉田宅に持って行ったらしい。
今回、僕の釣ったイカは古木さんにあげた。どうやら、自分の釣った方を吉田家に持っていたようだ。
そして、さとみちゃんからのメッセージが問題だった。
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