受付バイトは女装が必須?

なな

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第3部:フェティシュな装い

第二話「ひとしめの拘束」― コルセットとヒールで“なお”を歩かせる ―

河合の部屋に入ったとき、ベッドの上にはいくつかのアイテムが並んでいた。

ラベンダー色のブラウス。
ミディ丈のフレアスカート。
そして――
黒いコルセットと、艶やかなヒールサンダル。

「……これ、全部?」

「うん。“今日のなおさん”のために、選んでおいたんだ」

「……これで、外に出るの?」

「大丈夫。完璧に“なおさん”だから」

河合の声は、どこまでも優しかった。
でも、その中にほんの少しだけ、命令に近い色が混じっていた。

なおはうなずき、服を脱ぎ始めた。

ブラとショーツ姿になった身体に、
まずはコルセットが巻かれる。

河合が背後に立ち、ひとつひとつ、ホックを締めていく。

「……ん、くっ……」

「きつい?」

「……ちょっと。でも……気持ちいい」

くびれが絞られ、姿勢が正され、
胸が自然と張って、脚が揃う。

(呼吸が浅くなる……でも、“女の子の形”に近づいていく)

最後のひとしめで、ぎゅ、と腰が固定される。
その瞬間、下腹部に隠された貞操具がぎゅっと押され、なおは思わず声を飲んだ。

(……っ、ダメ。変な感じ、する)

ヒールを履いた脚で立ち上がると、
バランスの取り方がいつもと違う。

でも、鏡に映った自分は――
完全に“なお”だった。

「よく似合ってる。ね、ちょっと歩いてみて?」

「え、ここで?」

「うん。歩き方、ちゃんと見ていたい」

照れくささに脚がすくむ。

でも――
コルセットが背中を押すようにして、なおは一歩、前へ出た。

カツン。
もう一歩、カツン。

ヒールの音が、部屋の中に響く。

歩くたびに、胸が揺れ、スカートの裾がふわりと踊る。

なのに、身体の中では、貞操具が軽く振動して締め付けられている。

「すごく綺麗だよ、なおさん。
 女の子より女の子に見える」

「……そんなこと、言わないで……」

「なんで?」

「……嬉しいけど、恥ずかしいから……」

そう言いながら、なおの瞳はどこか潤んでいた。

羞恥の中に、自分を肯定された甘さが広がっていく。



外出前、コートを羽織る前のキス。

河合は、なおの耳元でささやいた。

「今日はその身体で、“なおさん”として過ごして。
 全部、俺が見てるから」

なおは、コルセットの圧に包まれたまま、
小さく「うん」と頷いた。

締め付けられてるのに、自由になっていく――
それが今の、私のいちばんの幸せだった。


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