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第3部:フェティシュな装い
第四話:マーキングされる日 ― “なお”として印をつけられる ―
「この香り、似合うと思って」
そう言って河合が手渡してきたのは、小さな香水の瓶だった。
ボトルは透明で、中の液体はうっすらピンク色。
キャップには金のリボンがついていて、まるで誰かの“彼女専用”のようだった。
「……これ、私に?」
「うん。つけてると、俺だけが気づけるってわかるから」
その言葉に、なおの胸がきゅっと縮まる。
嬉しい。けど、どこかくすぐったい。
香りで“自分”を印づけられることが、こんなにも甘くて支配的に思えるなんて――
「あと、これもつけてほしいな」
河合が差し出したのは、小さなパールの片耳イヤリング。
シンプルだけど、揺れるたびに光を反射して可愛らしい。
「え……ピアスじゃなくて、イヤリング?」
「うん。なおさんの“身体”に穴は開けたくないから。
でも、耳元に“私の人”ってわかる何かがほしいんだ」
なおは、指先でイヤリングをそっと受け取った。
(こういうの、女の子が“彼氏にもらって嬉しい”やつじゃないの……?)
でも、もう抗えなかった。
自分で耳たぶにそっとはめると、
カチッという音が、体の奥まで染み込んでいった。
香水を首筋に一滴。
イヤリングをつけて、ストールで髪を整える。
コートを羽織っても、香りはほんのりと肌に残っていた。
自分では見えない。でも、河合には確かにわかる。
「なおさんがこの匂いで来ると、ドキッとする」
そう言われたとき、なおの心臓が跳ねた。
「……なんか、
人に嗅がれたら恥ずかしいのに、河合さんだけには……嗅いでほしいって、変だよね」
「全然変じゃないよ。
むしろ、“なお”って感じがして、俺はすごく好き」
その夜、香りとイヤリングをつけたまま、
なおは河合の腕の中で眠った。
どこも脱がされない。
ただそっと、肌に残る香りを鼻先で確かめられながら。
「これが、私の匂いになっていくんだな……」
そんな風に思えたことが、
ひとつの“覚悟”になった夜だった。
そう言って河合が手渡してきたのは、小さな香水の瓶だった。
ボトルは透明で、中の液体はうっすらピンク色。
キャップには金のリボンがついていて、まるで誰かの“彼女専用”のようだった。
「……これ、私に?」
「うん。つけてると、俺だけが気づけるってわかるから」
その言葉に、なおの胸がきゅっと縮まる。
嬉しい。けど、どこかくすぐったい。
香りで“自分”を印づけられることが、こんなにも甘くて支配的に思えるなんて――
「あと、これもつけてほしいな」
河合が差し出したのは、小さなパールの片耳イヤリング。
シンプルだけど、揺れるたびに光を反射して可愛らしい。
「え……ピアスじゃなくて、イヤリング?」
「うん。なおさんの“身体”に穴は開けたくないから。
でも、耳元に“私の人”ってわかる何かがほしいんだ」
なおは、指先でイヤリングをそっと受け取った。
(こういうの、女の子が“彼氏にもらって嬉しい”やつじゃないの……?)
でも、もう抗えなかった。
自分で耳たぶにそっとはめると、
カチッという音が、体の奥まで染み込んでいった。
香水を首筋に一滴。
イヤリングをつけて、ストールで髪を整える。
コートを羽織っても、香りはほんのりと肌に残っていた。
自分では見えない。でも、河合には確かにわかる。
「なおさんがこの匂いで来ると、ドキッとする」
そう言われたとき、なおの心臓が跳ねた。
「……なんか、
人に嗅がれたら恥ずかしいのに、河合さんだけには……嗅いでほしいって、変だよね」
「全然変じゃないよ。
むしろ、“なお”って感じがして、俺はすごく好き」
その夜、香りとイヤリングをつけたまま、
なおは河合の腕の中で眠った。
どこも脱がされない。
ただそっと、肌に残る香りを鼻先で確かめられながら。
「これが、私の匂いになっていくんだな……」
そんな風に思えたことが、
ひとつの“覚悟”になった夜だった。
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