受付バイトは女装が必須?

なな

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第3部:フェティシュな装い

第八話:彼専用の私 ― 名前で、鍵で、呼吸ごと包まれて ―

その週末、なおは荷物を一つだけ持って河合の部屋に来た。
中には、選び抜いた下着とワンピース、香り付きのボディミルクと、
あとは――貞操具の鍵を抜いたままの身体。

「今日と明日は、“彼専用の私”になるって決めてきたから」

そう言ったときのなおの目は、ほんの少し潤んでいて、
でも奥には、静かな覚悟が灯っていた。

河合はなおを迎えると、まずその身体にふれて、
言葉よりも先に“名前”を呼んだ。

「なおさん」

たったそれだけで、
全身の緊張がふわりとほどける。

「……もう、それだけで、泣きそうになるの、ずるいよ」

「だって、“なおさん”は俺だけの名前だろ?」

笑って、河合はなおの荷物からボルドーのランジェリーセットを取り出す。

「今日はこれが似合いそうだね。コルセットは……黒で」

なおは頷き、鏡の前で着替え始めた。
背後でコルセットが締められていくたびに、
“今日の私はこの人のもの”という感覚が、骨の奥に染み込んでいく。

下着姿のまま、河合の前に立つ。
貞操具に封じられた下腹部が、スカート越しにわずかに圧を感じている。

「……どこも脱がなくていいのに、
 なんでこんなに見られてる気がするんだろう」

「服の上からでも、ちゃんと“なおさん”を見てるから。
 このコルセットの締め方も、下着のラインも、
 俺だけが知ってる“秘密”でいっぱいだよ」



その夜、なおは何も脱がされず、
ただ抱きしめられ、囁かれ、手を引かれながら、
“河合だけの女の子”として可愛がられた。

「おいで、“なおさん”。
 ちゃんと、“俺のもの”になって」

その声が、耳ではなく、体の芯に届いた気がした。

“なお”という名前も、チョーカーも、貞操具の鍵も――
すべてが「彼に属している」という実感に、
なおは抗いもせず、むしろ甘やかに沈んでいった。

それは、誰かのものになることで、
 ようやく“本当の自分”になれると知った夜だった。
感想 2

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