受付バイトは女装が必須?

なな

文字の大きさ
71 / 206
第4部:それぞれの想い

14.目が合ったとき、“なにか”が通じた気がした

しおりを挟む
バイト先の窓際。
カフェのすみっこ。
すれ違った廊下の角。

最近、なおと目が合うと――
ほんの一瞬、視線が止まることがある。

その目には何も書かれていない。
でも、“何かに気づいている気配”だけが、微かに漂う。

その日、ふたりでシフトの片付けをしていたとき。
エプロンをたたんで、なおがふと言った。

「ね、美月ちゃんってさ……時々、すごく遠くを見るよね」

「え?」

「目がね、なんか、“誰かを探してる人”みたいっていうか……」

その言葉に、私は何も返せなかった。

(もしかして――気づいてる?)

でもなおは、冗談みたいに笑って、
「変なこと言ったね、ごめん」と言った。

その笑顔が、逆に優しすぎて。
私はただ、「ううん」とだけ返した。

    きっと、なおは気づいたんだ。
    私の目に“好き”がこぼれてることに。
    でも、何も言わず、優しさだけを残してくれた。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

処理中です...